私を追い出した後に後悔しても知りません

天宮有

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第3話

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 夫ラドスが私の姉ファゾラと旅行から戻り、私を追い出すつもりでいる。
 翌日になって私の家族が屋敷に来たようで、今後の話し合いをするようだ。

 昨日の時点で屋敷から追い出されると思っていたけど、父が私に言いたいことがあるらしい。
 そのため今日まで屋敷で泊まれたから、私は出ていく準備を済ませていた。

 私はリアース侯爵家の妻になり張り切ったけど、無理だと判断して逃亡したことにするらしい。
 仕事を投げ出して逃亡したことで、ラドスは離婚を決めたことにするようだ。

 行方不明になったマイラに対して、激怒した家族が家族の縁を切る。
 離婚と勘当の手続きをこれから行うと決めているから、私が何を言っても無意味なのはわかっていた。

 夫ラドスが旅行に行き、姉ファゾラが動向していることは前から把握している。
 その時点でこうなることは想定できたから、離婚と勘当になっても私は冷静だった。

 もうこの屋敷から出て行っても構わないけど、父が私に言いたいことがあるとファゾラから聞いている。
 それだけは確認しておきたくて、私は父に尋ねた。

「お父様、いいえドラリザ伯爵は、私に言いたいことがあるようですね」

「ああ。これからマイラは平民の従業員として、俺の魔法道具店で働かせてやろう」

 父の発言を聞き、私は呆れるしかない。
 今まで魔法道具店で手伝いをしてきたけど、私の行動を否定ばかりしている。
 そんな人と一緒に働きたくなくて、本心を伝えることにした。

「お断りします。それなら出て行った方がマシですからね」

「なっっ……ならよい! 平民となったお前は生きていけないだろう!」

 勝手に決めつけているけど、何を言っても無意味だと知っている。

 今までの扱いから、父の経営する魔法道具店で働きたいとは思わない。
 魔法道具職人は貴重だからいて欲しかったようだけど、私はこうなることを想定していた。

「私なら、どこでも問題なく働けます。それはドラリザ伯爵がよく知っているのではありませんか?」

「娘だから温情を与えようとしたのが間違いだったな。お前のようなやつが働ける魔法道具店などない!!」

「私が提案した魔法道具の改良を非難したのも、温情なのでしょうか?」

 この1ヶ月で成果を出しているけど、元父は何も知らない気がする。
 確認したくなり、私は尋ねることにした。

「当然だ。余計なことをして伯爵家の信頼を失うわけにはいかんからな」

「それならラドス様がいない1ヶ月の間、私は余計なことをしたことになりますね」

「1ヶ月程度なら私が信頼を取り戻せるわ! 妹だったマイラより優秀と証明もできそうね!!」

 自信満々にファゾラが宣言するけど、それは不可能だ。
 私より優秀と証明できるのなら、私より優れた魔法道具を作れたことになる。
 そんなことができれば、私より優秀と認めるしかなさそうだ。

 元夫と元家族から話を聞き、私はこの屋敷にいる理由がない。
 最後に言いたいことがあり、私は元夫ラドスに言う。

「今から私はいなくなりますが、どこに行くのか教えるつもりはありません」

「当然だろう。お前の末路など興味もない!」

「わかりました――さようなら」

 そう言って、私は部屋から出ていくことにした。

 私を追い出した後に、元夫や元家族は必ず後悔するでしょう。
 それは想定できているけど、無関係の私には関係ないことだ。
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