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第一章 迷惑な求愛
補佐役の初仕事は
―――ふゎあ。
ロザリアはこみ上げてくるあくびに、セストの執務室の扉をノックしようしていた手を寸前で止めた。
昨夜はつい遅くまでアーダのくれた本を読んでしまった。次の日の仕事に響くとわかっていても、つい夜ふかしするくせは、前世と同じだ。四十二年経っても、ちっとも進歩していない。
自重の意味も込め、んんっと咳払いして眠気を払う。改めてドアをノックすると、「どうぞ」と中からセストの声がかかった。
「失礼いたします」
ブラウスの蝶結びの形を整え、ロザリアは扉を開けた。城郭内の、魔法防衛局や、その他政府機関の入る棟の一画に、セストの執務室はある。魔事室の報告書を届けにくることもあるので、慣れた部屋だ。それでも、今日からは別の仕事をふられるかと思うと緊張感もある。
襟を正して部屋へ入ると、セストは正面の大きな執務机に座り、手元の書類に目を通しているところだった。
ロザリアが入っていくと、セストは少し目を上げ、ロザリアの上から下までくまなく視線を走らせた。
「……この格好ではまずかったでしょうか…」
今日は、ブラウスにジャケット、パンツ姿で登庁した。
いつもは装飾の少ないワンピースで仕事をしているので珍しかったのだと思う。
ロザリアとしては、本当は普段も動きやすいパンツ姿がいいのだが、母のジュリエッタが女の子はいつでもスカートよ、と前世で言えば批判されそうなことを真顔で言う。実際、この世界ではほとんどの女性はスカートを履く。
でも今日は、どんな仕事が待っているかわからない。ロザリアはジュリエッタを説き伏せ、動きやすいパンツ姿で仕事に来た。胸元に大きなふんわりとしたリボンがあるブラウスは、ジュリエッタのせめてもの、とのチョイスだ。
何かまずかったかと我が身を見下ろし、セストを見ると、セストはにやっと笑った。
「いや、問題ない。パンツ姿もなかなかかわいいなと改めて惚れ直しただけだ」
「……アッカルド様…」
ロザリアは一気に脱力した。こちらはそれなりの緊張感を持ってやってきているのに、セストはいつもの調子だ。このままずるずると相手のペースに巻き込まれぬよう、ロザリアは努めて事務的な口調で言った。
「ペアーノ室長には、今日からアッカルド様のお手伝いをするようにと言われましたが、具体的には何をすればいいのですか?」
「んー、そうだなぁ…」
セストはきょろ、きょろと執務室を見回し、机の手前に置かれたソファを示した。
「とりあえずそこ座っといて。頼むことができたら声をかけるから」
セストはそれだけ言うと、あとはロザリアがいることを忘れているのではというほど、机上の書類に没頭し出した。伏せた睫毛が長い。書類を持つ指も細く長く、けれど節がしっかりしている男性的な指だ。
どうしてなのだろう―――。
どうしてこんな何もかも完璧で素敵な男性が、自分のような華のない地味女に構おうとするのだろう……。
見れば見るほど、セストは上から下まで一分の隙もないほど完璧な美男子だ。ロザリアはもう何度となく考えた疑問を、また考えずにはいられなかった。
セストが紙を繰る音と、掛け時計の針が進む音だけが続く。その音を聞きながら、ロザリアは答えの出ない疑問にしばらく頭を悩ませていた。
が、待てども待てどもセストから声はかからない。
ロザリアは時折腰を上げ、セストの方をうかがった。セストは下を向いたまま顔をあげない。ジリジリとした時間が流れ、さすがに完全に忘れられているなとわかり、ロザリアは遠慮がちに声をかけた。
「……あの…」
ロザリアの声にセストは顔をこちらへ向けた。その目が一瞬驚いたように見開かれる。なぜここにいる、とでも言いたげなその目に、やっぱりロザリアのことは忘れていたようだと知る。
「仕事がないのなら、お邪魔になってもいけないので、わたし魔事室の方へ戻りますが」
「あー、いや。悪い。処理しなければならない案件が立て込んでいてね。邪魔なんかじゃないさ。俺が君を補佐役に選んだんだ。仕事は、そうだな……」
セストは、机上から書類を取り上げた。ロザリアは立ち上がってその書類を受け取る。書類には、ある伯爵令嬢の名前と、その容姿や長所などが綴られていた。何枚かある書類も全て同じような事が書かれたものらしい。
「これは?」
「乙女選出のための推薦状だよ。自薦他薦問わずね。こっちの戸籍と照らし合わせ、年齢詐称していないか調べてくれ」
「乙女選出の書類ですか…」
それはまた重大な書類だ。
一角獣は、人の乙女を好んで近寄ってくる。一角獣が乙女に気を許し、警戒心を解いたところで捕まえ、角を切り取る。狩りでは、一角獣からは角のみを切り取り、命は奪わない。
一角獣の生態は謎に包まれている。個体数がどれほどの数なのかもわからず、何を食べ、魔の森のどこに棲息しているのか。何もわからない。それだけに隔年で捕獲して命を奪い続け、絶滅してはおおごとだ。
魔の森から流れてくる水を使う王都の暮らしでは、毒素に侵された水を浄化してくれる一角獣の角が欠かせない。
もし一角獣が死に絶えてしまったら、死活問題になる。そのため狩りでは角のみを切り取る方法がとられていた。
そんな狩りにおいて、乙女の選出は何より重要だ。
乙女に選ばれるのは、処女の乙女と決められていて、毎回十六~十八歳の貴族の子女から選ばれる。
一角獣は美しい乙女を好む。そのため、狩りの乙女に選ばれるということは、美少女コンテストで入賞するようなものだ。大変な栄誉とされる。それだけに選考会では、年頃の娘を持つ貴族は、自分の娘が選ばれるかどうか、固唾をのんで見守る。
それに、暮らしになくてはならない水を浄化する一角獣の角狩りに参加することは、この国においては英雄だ。
選考において何よりも重要視されるのは、一角獣が好んで寄ってくる乙女かどうかだ。漏れ聞いた話では、いくら顔の整っている少女でも、気の強い少女には寄って来ない、とか、魔力があると避けていく、とか。過去の事例がいろいろとあるらしい。
乙女選びが狩りの成功を左右するだけに、自然、その人選は慎重に行われる。
緊張した面持ちでロザリアが書類に目を通し出すと、「そんなに固く構えなくてもいいさ」とセストが声をかけてきた。
「一度文官が調べているから、おそらく選考の範囲にない令嬢はいないと思うよ。ただね、たまに袖の下を受け取っている者もいるからさ。わかっていて通してくる奴がいる。だから念のためだ」
それならますます見落としは許されないではないか。十六から十八歳の、選考対象の範囲ではない令嬢も、推薦の段階では多く見受けられることは、ロザリアも聞いたことがある。年齢を偽ってでも、乙女に選ばれたいと願う令嬢も多い。
乙女に年齢範囲を設けているのは、稚すぎては一角獣の興味を惹かないこと、逆に十八歳を超えると、結婚している令嬢が多くなることから一定の基準が決められている。
もちろんロザリアも十六歳だった二年前と、今回も選考会に参加できる資格を有する。
母のジュリエッタは、過去に自分も乙女になったこともあり、ロザリアの推薦状を提出すると言ったが、ロザリアは断固として拒否した。姉のフランカは、規定年齢の年には結婚して婿をとっていたので、ジュリエッタとしては、やっと自分の娘を乙女に推せる機会が訪れたことになる。
でも、ジュリエッタの夢を壊すようで悪いが、並み居る令嬢達に混じって、自分が選考会に参加するなど想像もつかない。そもそも一次選考の段階で落とされるのは目に見えている。
気合を入れてチェックするか…。
ロザリアはよしっと心のなかで呟き、気を引き締めると手元の書類と戸籍とを、じっくり見比べ始めた。
ロザリアはこみ上げてくるあくびに、セストの執務室の扉をノックしようしていた手を寸前で止めた。
昨夜はつい遅くまでアーダのくれた本を読んでしまった。次の日の仕事に響くとわかっていても、つい夜ふかしするくせは、前世と同じだ。四十二年経っても、ちっとも進歩していない。
自重の意味も込め、んんっと咳払いして眠気を払う。改めてドアをノックすると、「どうぞ」と中からセストの声がかかった。
「失礼いたします」
ブラウスの蝶結びの形を整え、ロザリアは扉を開けた。城郭内の、魔法防衛局や、その他政府機関の入る棟の一画に、セストの執務室はある。魔事室の報告書を届けにくることもあるので、慣れた部屋だ。それでも、今日からは別の仕事をふられるかと思うと緊張感もある。
襟を正して部屋へ入ると、セストは正面の大きな執務机に座り、手元の書類に目を通しているところだった。
ロザリアが入っていくと、セストは少し目を上げ、ロザリアの上から下までくまなく視線を走らせた。
「……この格好ではまずかったでしょうか…」
今日は、ブラウスにジャケット、パンツ姿で登庁した。
いつもは装飾の少ないワンピースで仕事をしているので珍しかったのだと思う。
ロザリアとしては、本当は普段も動きやすいパンツ姿がいいのだが、母のジュリエッタが女の子はいつでもスカートよ、と前世で言えば批判されそうなことを真顔で言う。実際、この世界ではほとんどの女性はスカートを履く。
でも今日は、どんな仕事が待っているかわからない。ロザリアはジュリエッタを説き伏せ、動きやすいパンツ姿で仕事に来た。胸元に大きなふんわりとしたリボンがあるブラウスは、ジュリエッタのせめてもの、とのチョイスだ。
何かまずかったかと我が身を見下ろし、セストを見ると、セストはにやっと笑った。
「いや、問題ない。パンツ姿もなかなかかわいいなと改めて惚れ直しただけだ」
「……アッカルド様…」
ロザリアは一気に脱力した。こちらはそれなりの緊張感を持ってやってきているのに、セストはいつもの調子だ。このままずるずると相手のペースに巻き込まれぬよう、ロザリアは努めて事務的な口調で言った。
「ペアーノ室長には、今日からアッカルド様のお手伝いをするようにと言われましたが、具体的には何をすればいいのですか?」
「んー、そうだなぁ…」
セストはきょろ、きょろと執務室を見回し、机の手前に置かれたソファを示した。
「とりあえずそこ座っといて。頼むことができたら声をかけるから」
セストはそれだけ言うと、あとはロザリアがいることを忘れているのではというほど、机上の書類に没頭し出した。伏せた睫毛が長い。書類を持つ指も細く長く、けれど節がしっかりしている男性的な指だ。
どうしてなのだろう―――。
どうしてこんな何もかも完璧で素敵な男性が、自分のような華のない地味女に構おうとするのだろう……。
見れば見るほど、セストは上から下まで一分の隙もないほど完璧な美男子だ。ロザリアはもう何度となく考えた疑問を、また考えずにはいられなかった。
セストが紙を繰る音と、掛け時計の針が進む音だけが続く。その音を聞きながら、ロザリアは答えの出ない疑問にしばらく頭を悩ませていた。
が、待てども待てどもセストから声はかからない。
ロザリアは時折腰を上げ、セストの方をうかがった。セストは下を向いたまま顔をあげない。ジリジリとした時間が流れ、さすがに完全に忘れられているなとわかり、ロザリアは遠慮がちに声をかけた。
「……あの…」
ロザリアの声にセストは顔をこちらへ向けた。その目が一瞬驚いたように見開かれる。なぜここにいる、とでも言いたげなその目に、やっぱりロザリアのことは忘れていたようだと知る。
「仕事がないのなら、お邪魔になってもいけないので、わたし魔事室の方へ戻りますが」
「あー、いや。悪い。処理しなければならない案件が立て込んでいてね。邪魔なんかじゃないさ。俺が君を補佐役に選んだんだ。仕事は、そうだな……」
セストは、机上から書類を取り上げた。ロザリアは立ち上がってその書類を受け取る。書類には、ある伯爵令嬢の名前と、その容姿や長所などが綴られていた。何枚かある書類も全て同じような事が書かれたものらしい。
「これは?」
「乙女選出のための推薦状だよ。自薦他薦問わずね。こっちの戸籍と照らし合わせ、年齢詐称していないか調べてくれ」
「乙女選出の書類ですか…」
それはまた重大な書類だ。
一角獣は、人の乙女を好んで近寄ってくる。一角獣が乙女に気を許し、警戒心を解いたところで捕まえ、角を切り取る。狩りでは、一角獣からは角のみを切り取り、命は奪わない。
一角獣の生態は謎に包まれている。個体数がどれほどの数なのかもわからず、何を食べ、魔の森のどこに棲息しているのか。何もわからない。それだけに隔年で捕獲して命を奪い続け、絶滅してはおおごとだ。
魔の森から流れてくる水を使う王都の暮らしでは、毒素に侵された水を浄化してくれる一角獣の角が欠かせない。
もし一角獣が死に絶えてしまったら、死活問題になる。そのため狩りでは角のみを切り取る方法がとられていた。
そんな狩りにおいて、乙女の選出は何より重要だ。
乙女に選ばれるのは、処女の乙女と決められていて、毎回十六~十八歳の貴族の子女から選ばれる。
一角獣は美しい乙女を好む。そのため、狩りの乙女に選ばれるということは、美少女コンテストで入賞するようなものだ。大変な栄誉とされる。それだけに選考会では、年頃の娘を持つ貴族は、自分の娘が選ばれるかどうか、固唾をのんで見守る。
それに、暮らしになくてはならない水を浄化する一角獣の角狩りに参加することは、この国においては英雄だ。
選考において何よりも重要視されるのは、一角獣が好んで寄ってくる乙女かどうかだ。漏れ聞いた話では、いくら顔の整っている少女でも、気の強い少女には寄って来ない、とか、魔力があると避けていく、とか。過去の事例がいろいろとあるらしい。
乙女選びが狩りの成功を左右するだけに、自然、その人選は慎重に行われる。
緊張した面持ちでロザリアが書類に目を通し出すと、「そんなに固く構えなくてもいいさ」とセストが声をかけてきた。
「一度文官が調べているから、おそらく選考の範囲にない令嬢はいないと思うよ。ただね、たまに袖の下を受け取っている者もいるからさ。わかっていて通してくる奴がいる。だから念のためだ」
それならますます見落としは許されないではないか。十六から十八歳の、選考対象の範囲ではない令嬢も、推薦の段階では多く見受けられることは、ロザリアも聞いたことがある。年齢を偽ってでも、乙女に選ばれたいと願う令嬢も多い。
乙女に年齢範囲を設けているのは、稚すぎては一角獣の興味を惹かないこと、逆に十八歳を超えると、結婚している令嬢が多くなることから一定の基準が決められている。
もちろんロザリアも十六歳だった二年前と、今回も選考会に参加できる資格を有する。
母のジュリエッタは、過去に自分も乙女になったこともあり、ロザリアの推薦状を提出すると言ったが、ロザリアは断固として拒否した。姉のフランカは、規定年齢の年には結婚して婿をとっていたので、ジュリエッタとしては、やっと自分の娘を乙女に推せる機会が訪れたことになる。
でも、ジュリエッタの夢を壊すようで悪いが、並み居る令嬢達に混じって、自分が選考会に参加するなど想像もつかない。そもそも一次選考の段階で落とされるのは目に見えている。
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