月は見ている

梗概
【来るべき社会人生活に向けて、現在就職活動中の大学四年生・常盤直子(ときわなおこ)。彼女はそんな多忙な日々で、一時の休息がてらに幼馴染みの樋口俊介(ひぐちしゅんすけ)と会う事を、密かに楽しみとしていた。樋口は直子と同い年でありながら大学を中退して、今ではフリーターをしながらどうしてか「宇宙人探し」なるものに没頭する日々を送っている。子供の頃から突飛な空想にふけたり、妙に夢見がちな樋口の性格を、直子は知っていたのでそれほど驚いてはいなかったが、一方で理解もしていなかった。「この年齢になってさすがにそんな事思いつくかしら? ホント、意味分かんない」の思いをもってして。だが、そんな樋口が直子は嫌いではなかった。世間と何処かズレていて、浮世離れした感のある樋口俊介が、大人の世界に入り込みかけている、どうにも好きになれない自分と違って見えるから。憧れというか、懐かしさというか、なかなか自分でも分かり難い気持ちで直子は樋口と接し、多少やきもきしながらも、おおむね癒される。それが直子にとっての樋口の存在だった。とりあえずは。
 一方で直子は、自分の周りの環境が成長するに従い、微妙に変化していく事に戸惑いを覚え始める。些細な事ではあるが友達との関係もギクシャクし始め、就職活動にしても自分のやる気とは裏腹に、セクハラまがいの嫌がらせを受ける始末。次第に直子は自分自身のこれからの「行き先」を見失うようになっていく。こんな時、樋口に会いたい。内心ではその気持ちを認めてはいない直子であったが、そんな強がりとは裏腹に樋口に連絡を入れてみた。だが、その樋口とは、直子の「アンタは楽しそうでいいわよね」の問い対して、樋口が淡白に答えた「そんなに楽しかねえよ」の一言以降、樋口が消息を絶ち連絡が取れなくなってしまった。樋口の安否と危惧に苛まれる直子。そして、そんな樋口との状況の渦中、直子の就職先が決まる……。

 社会に出るために煩悶し、また己の「大人」に躊躇いを覚える常盤直子のビルドゥングス・ロマン】
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