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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~

ver.4.1-63 出現するは、巨大なもの

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 ミートン、タローン、プモモンと加わりつつ、星中のプレイヤーたちが協力し合って、ポイズンワーム星人は次々と駆逐されていく。
 ムシコロリだけじゃなくてそのほかの殺虫系の道具や、別の手段をもってやっていく人たちもいるようで、だんだん数が減ってきたようだ。

「というか、あの特徴的過ぎるたらこ唇をもぎ取ってしまうのも、討伐手段になるのか…何を思って、そんな手段をやったのか」
「ぶちぃっと生々しい音もしているけど、取れた後がおちょぼ口なのも驚きかも」

 討伐していく中で他の人たちがどのように狩っているのか見ることもできたが、何を思ってそんな討伐手段を思いついたのだろうか。
 華麗に取って一陣の風のように過ぎ去っていき、その手並みは何やらプロっぽいのを感じさせたが、唇もぎ取りのプロとは何だろうか。


 そんなことも思いつつ、討伐率を確認してみれば、もう間もなく80%へ到達しようとしていた。
 今回の侵略クエストはこのワームたちを狩りつくすのが目的だが、説明によると80%に到達したあたりでレイドバトルが発生するらしい。
 この様子であればもうすぐそのレイドボスの顔を見れるのだが、いったい何が出るのか予想ができないだろう。

「このワームをさらに巨大化させたようなものとかが、ありえそうだが…」
「ここの運営を考えると、そう甘くはないわよねぇ」
「いっそ、芋虫つながりで蝶へ…そう、ハルさんのテイムモンスターたちのようなかわいらしい姿のものがボスだったらいいのぅ」
「うんうん、毒々しくも華やかなものだったらいいかもしれない」
「それ、仮に出てきたらお二人とも倒せますか?」」
「「倒せん!!」」

 じゃぁ、そんなのが出ないのを祈っておいたほうが良いだろう。
 下手したら裏切りかねないような…いや、そんなことをするぐらいならいっそ今のうちに潰しておいた方が世のため世界平和のためになるのではないかと思ってしまう。

【プモォォウ!!】
「っと、おー。プモモンが体当たりでひるませたぞ」
「あの飛ぶ子豚、中々パワフルかも」
【オォン!】
【シャゲェ!!】

 欲望戦隊の狩りはさておき、彼らの連れてきたマッチョンの子供プモモンだが、この討伐の中でその身体能力を発揮しまくっていた。
 元があの色々と能力が高いマッチョンだったが、その子供も中々優秀なところを受け継いでいるのか、素のスペックがそこそこ高い様子。
 相手が大きな芋虫だとしても、ひるむことなく積極的に攻撃に出ており、ひるませてからの持たせたムシコロリを口の中へ突っ込むなど、活躍している様子が見えるだろう…うん、あのマッチョンの子供だけあって、本当に役に立つようだ。

 もちろん、僕らも負けておらず、毒でおびき寄せてのムシコロリや、他の面々の能力を生かして討伐を進めていく。
 コユキの雪兵で人海戦術をとったり、ネアの妖精の糸でからめとって拘束したり、リンの格闘技で他の人のまねをして唇をもぎ取ったりと色々とやり、数を減らしていく。

 

 そしてついに…討伐が80%に到達したところで、レイドボスの姿が出てきた。


【シュルグアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!】
「「「!!」」」

 大地を割るような音と共に、何かが地下から飛び出してきた。

「でっか!!モグラとかじゃなくて出てきたのは…すんごい大きな蜘蛛かよ!!」
「芋虫っぽいから蝶や蛾、もしくは魚釣りの餌にできそうな印象から魚も考えていたけれども、まさか違う種類の虫が来るとはね…」

 大地を割って飛び出してきたのは、毒々しい色合いをした巨大な蜘蛛。
 ログを見れば、レイドボス出現と表示されており、間違いなくあの巨大な蜘蛛が今回のレイドボスであるようだった。

―――――
レイドボスモンスター:『ギガントポイズンタラテクト:ギラクネア』
ポイズンワーム星人たちが討伐され、大地に染み込んでいった血肉が星の力を吸って、生まれ落ちた巨大な毒蜘蛛のモンスター。
たらこ唇などの特徴は失われているが、ワーム星人たちの毒が何十、何百倍にも濃縮されており、歩き回る場所から腐食が始まるほどの猛毒を持っている。
なお、出現と同時に残りの20%分のポイズンワーム星人はすべて吸収され、討伐に成功することで100%の討伐となります。
―――――

「残り80での出現が気になっていたけど…最後の分を詰め込んだ感じか」

 巨大な毒蜘蛛が相手になるのはちょっと予想外だったが、それでも討伐対象なのは変わりないだろう。
 しいていうのであれば、相手の大きさがいつぞやかのレイドボスだったオララゴンなみの巨体だというぐらいか。

「あの時は当時やっていたプレイヤーたちがほぼ参加していたけど、今回のイベントはこの星にいるプレイヤーだけだから、多少は弱い方向に調整…されていると嬉しいんだけどな」
「たぶん、それはないじゃろう」
「レベル制限とかで今はもっと上のほうになっているし、むしろ強化されている可能性のほうが大きいかも」

 レイドボスとのバトルに対して、周囲に次々にプレイヤーが集い、攻撃を始めていく。
 初めての相手ならば、まずはいくつか攻撃をあててみて弱点とかを探るのは定石だろうが…このギラクネアという名前の相手はそうやすやすとやらせてくれないらしい。

【シュルグアァァァァ!!】

 どばっと大量の糸を放出したかと思えば、次の瞬間その周囲に大量の蜘蛛の巣が出現した。
 それに絡み取るのかと思えば、飛んできた攻撃を受け止め…

バイイイイイイイイン!!
ドッゴォォォォン!!
「「「ぎゃああああああああああああ!!」」」

「うわぁ、攻撃をカウンターするのか」
「うかつな遠距離攻撃ができないように、なっているようね」

 蜘蛛の巣にからめとるのではなく、飛んできた攻撃を受け止めて跳ね返す。
 単純なカウンター攻撃だが、一斉に攻撃している現状では効果的な方法であり、探ろうと遠距離から攻撃をしていたプレイヤーたちへ見事に攻撃を反射していく。

「くそう!!ならば近距離だ!!」
「近接戦ならいいってことだよな!!」

 遠距離攻撃はカウンターされることを確認して、近接戦闘が効果的だと判断したものもいたようで、大斧や鎌などをもって突撃していく。

【シュルグァァァ!!】

 だが、そうやすやすと攻撃は通さないというように、前足を上げたかと思えば、振り下ろすと同時に毒々しい液体が一緒に放出されて、接近していた人たちを飲み込んだ。

「ぐべぇぇぇぇぇ!!」
「おっぎゃぁぁぁあ!!なんだこの液体はぁぁぁ!!」
「おげぇぇ!!毒液だこれ!!しかもご丁寧に味がたらこスパゲッティだ!!」

 元がたらこ唇が強烈なポイズンワーム星人の狩られて行った血肉ゆえなのか、毒攻撃が使えるようで、たらこつながりで毒液がなぜかたらこスパゲッティ味らしい。
 どんな毒だといいたいが、腐食毒の効果を持っているようで、武器や鎧といたものが鎖落ちていくところが視認することができた。

「遠距離反射、近接戦はうかつにやると腐食で攻防ダウンと毒状態…きっついな」

 レイドボスにふさわしいように、大勢を相手にして対応できるモンスターのようで、苦戦を強いられるだろう。
 幸い、毒液攻撃は真正面からのようで、側面部からの攻撃とかは普通に通じており、体力を削ること自体はそこまで難しくもない。
 
 だが、巨体だが蜘蛛ゆえか動きが素早く、気をつけていても毒液を浴びる危険が常に纏うだろう。
 猛毒状態になるだけじゃなくて、防具とかも失われるのがかなり痛いところだ。


「だからこそ、できる限り側面からちまちま攻撃するけど…やっぱり大変だな」
【ガウガウガーウ!!】
【バルルルゥ!!】

 近接戦闘が得意なリンやセレアの攻撃も通るが、真正面を相手にする前にかわしながらなんとかやるのは厳しいところ。
 しかも巨大だから、足の一本でも振り下ろされるだけで、かなりの揺れが起きて立つのが厳しくもなる。

「このままだと、クエストの制限時間をオーバーして、達成不可能になる可能性も出てくるか…」
「それは困るのぅ!!マッチョンたちへのプレゼントをこの星に求めるプモモンが、困ってしまうのぅ!!それに、花といえば可憐な少女が集まりやすい場!!その地が失われるのは非常に避けたい!!」
「そうだよ!!こちとら出会いを求める場所としてもプレゼントの探す場としても最適な星を選んできたのに、失われるのはまじで困るんだ!!」
【プウモモォォウ!!】

 まともそうなものと欲望丸出しな本音が見え隠れしてくるが、この緊急クエストに失敗すればこの星が失われてしまうと困ることに関しては、同意したい。
 花の咲き誇る光景は見ていて美しかったし、気軽に観光しやすい場所としても最適だったが、その場が奪われるのは避けたいところだ。

 やろうと思えば、レイドボスにはレイドボスをぶつけるような意味合いで、黒き女神になって一気に攻めを強めることもできるが…今回はこの欲望戦隊がいるので、ちょっとやりたくない状況。
 せめて、こいつらがいなければいいのだが…やろうと伝えるのは厳しいだろう。



「母さん、ムシコロリより強力な殺虫剤のアイテムはないのか!!さっき使っても効果はなかったけど、虫なら殺虫剤系のより強いのなら効果的だと思うんだけど!」
「残念ながら、持ってないのよねぇ。これが一番強力だったもので、他にある殺虫剤系だと『ムシコオリ』、『ムシボロリ』、『ムシヤキヤキ』、『ムシブチュリ』などあるけれども、どれもコロリほどの力はないわ」

 どれだけあるのだろうか「ムシ〇〇シリーズ」。しかも最後のほう、使ったらどうなるのか想像したくないようなものになっているんだけど。

「そうね、あとやれそうなのは…『爆団子』かしら。ホウ酸団子をモデルに作ったら、なぜか自爆アイテムになっていたというものよ」
「どういうアイテム?
「G以外にも効果的な、殺虫系のアイテムよ。相手に食べさせることで、どんな虫モンスターでもHPを4分の1は確実に削れるらしいわ」
「思った以上に強力で凶悪…」
「まぁ、その代償に食べさせた人がなぜか自爆してHP0になるんだけどね…現実で似たようなものを再現したら、そっちは食べさせた蟲が爆散した上に食べさせた人の口の中にそれが全部いくようになっているというものになっているのよね」

…ゲームの効果と現実では確かに違うものもあるだろうが、圧倒的に現実のほうが最悪な結果を招く代物になっていないだろうか。
 ちなみに、そんな話が出るということは既に実験されているそうで…試験者は本来の仮想敵であった這いよる混沌のG相手に…うわぁ…


「…えげつないけど、デスペナルティの犠牲を出しつつダメージを一気にたたき出すなら、それを使用したほうが良いのか」
「でも、残念ながら4分の一ずつなら4個で十分だけど、材料がちょっと面倒で2個しか譲ってもらえていなかったのよね…」

 つまり、2人分の犠牲で半分ということで…可能ならば相手がすでに半分削れている状態のほうが最後が一気に楽になったが、この削れていくペースを見ると、そこまで時間をかけられないようだ。

「なら、誰が犠牲になる?」
「…ならば、その犠牲は儂が買おう」
「え、ミートンさん?」

 ここでいきなり、ミートンさんがまさかの名乗りを上げてきた。

「ふふふ…人数的には十分足りる。だが、わしは老兵ともいうべき身で、倒すにはいかんせん火力が足りず…ならば、ここで最大限のやれることをなすべきだと思ったのだ」
「ミートンさん…」
「ついでに言えば、この自己犠牲の美しい最期をみなに知ってもらい、もてたいという欲望もある!!」
「それ言わなければ今、結構かっこいい感じだったんだけど!?」

 盛大にやらかしたぞ、この変態戦隊本家本元。
 
「なら、2個目を使用する犠牲は自分が行こう!!」
「タローンさん…」
「デスペナルティは覚悟の上である。我々が連れてきたプモモンは、私たちが自爆すると一緒にデスペナルティ現場へ飛ぶことになるだろうが…この状況、レイドボスの攻撃をどうにかしのごうとしても、プモモンが余波で死亡したら、それこそ大目玉を上から受けるのが目に見えているからな…できればこの騒動が終わった後に、この星でプレゼントにふさわしいものを送ってきてほしい」

 本音が多少見え隠れするが、先ほどのミートンさんのものよりはまだましな方向っぽい気はする。

「ついでにこの星の秘境に生える薬草でちょっとこのリストの奴を収穫して一緒に送ってほしい」
「何ですか、これ?」
「錬金術師の職業を得た友人が、特殊な変身薬を開発しようとしてな、それが作れるだろう予想材料のリストだ!!この星には実は、それの収穫目的もあったが、可能であればそれも頼む!!」
「変身薬?」
「理想のものへ変身させる夢の薬!!適当なテイムモンスターをテイムして、理想のモンスターの、可愛い子の姿に変貌させることができそうならば、得るためには自己犠牲も惜しくはないのだ!!」
「あんたもかああああああああああああああああああああい!!」

…前言撤回。欲望戦隊はやはり、変態戦隊だった。
 ダメだこいつら。いっそ、この自爆で多少はマシな奴に生まれ変わってくれないだろうか。


 とにもかくにも、犠牲になって倒すための道のりを縮めてくれるのであれば、彼らの自爆ならば変態濃度も失せてまともな方向へ行けそうなので悪くはない話だろう。
 問題はその団子のアイテムをどうやって食べさせるかだが…それは少々、原始的な方法で行うことにした。


「遠距離から投げてもカウンター、口がある真正面だと毒液の波があるが…ならばセットで、無理やり食べさせればいい話だ」
「あの、ハルさんこれは?」
「なんで、どこからか出てきたこの謎の大きな槍に、縛られるんだ?」

 欲望丸出し男どもを縛り付けたのは…ちょっと前に実は見つけて購入した、巨大な槍。
 RMPのスキルで借りるセレアの力で槍をふるうこともできるし、黒き女神の状態でも、すぐに扱えるような武器ということで都合が良いかなと思って購入していたが、こんな時に役立つとは思わなかった。

「…一応、僕も錬金術師…モンスター・アルケミストの職もあって、ちょっとこういう武器の改造も行えたりするんだよ。それで、改造して…投げた後飛ぶようにしたんだよね」

 港のほうに行けば、グレイ号があるのでそちらの主砲を使って打ち出すかもしくは普通に攻撃するという手段もあるが、そこまでの時間はない。
 そもそもレイドボスバトルの状況になったら、専用のフィールドが形成されるのか入り込むことが不可能になっているようで、例外も多分いくつかあるだろうが、現状は船を呼び出せない状態。
 ならば手っ取り早くこいつらを敵の口内めがけて撃ちだす方法として…原始的ながらも確実性の高いこの手段を選んだのだ。

「安心してほしい。投擲と同時に後部が発火して爆発、一直線にすっ飛ぶようになっているから、狙いさえ間違えなければ確実に届くはずだ」
「発火爆発って、槍につけるようなものじゃないと思うんだけど!?」
「というか、この縛りや言い方からするとまさか…」

「それじゃ、行くよ!!ターゲットロックオン…『フェイク・ゲイボルグ偽物のゲイボルグ』!!」

…ゲームとかでは割と有名な槍の武器、ゲイボルグ。ゲイボルクだとか本当は槍じゃないものを投げているらしいとか色々と作品ごとにぶれているらしいが、それゆえに本物そっくりに再現するのは流石に無理だと思い、思い切って偽物という名を付けた道具。

 まぁ、偽物というか詳しく見たら確実にいろいろ間違っており、巨大な槍の後方に小型の爆薬を仕込んで無理やり爆破しながら加速していく仕掛けなので、どちらかといえば多段式ロケットぽいものになっているだろう。

 でもそんなことはお構いもなく、爆発音を派手に響かせながらまっすぐに槍と変態が飛び、巨大毒蜘蛛ギラクネアの口元へめがけて進んでいく。

【シュルグァァァア!!】

 流石にド派手な爆発音と正面から飛んでくる槍だからこそ、相手もばかではないのすぐに気が付き、撃ち落とそうとするが、もう遅い。

ドッガアアァァァァァァァァァン!!
【ジュルグベエエエエエエェェァァァァァァ!?】

―――――
>ギラクネアに、着弾を確認。
>特殊なアイテムが同時に口内に入り込み、プレイヤー二名の自爆も攻撃判定となり、大幅に体力の激減を確認しました!!
―――――

 どうやら食べさせた人の自爆も攻撃判定に入っていたようで、追加ダメージとなったらしい。
 思わぬ効果を得たが、それでもまだ相手は倒れる様子はなく、半分削るような攻撃でも持ちこたえるレイドボスとしてのタフさを見せつけているようだ。


「だけど…あの変態たちが昇天したなら、問題なくこっちが使える!!トーカはもう知っているけど…母さん、こっちはツッコまないでほしい」
「あー…お兄ちゃん、もしかしてあれをやるの?」
「え、何をする気なの?」

 魔法少女の一件で既に知られているし、口封じのための根回しもさせてもらったが…半分以上相手の体力を削りきったとはいえ、このまま普通のプレイヤーたちの攻撃では倒しきれなさそうな様子。
 ならば、今のすさまじい爆発でかなりの煙が発生しているのをカモフラージュとして都合よく利用させてもらいつつ、流石に近くにいるのでごまかせない人たちには見せるしかないだろう。

「目には目を、歯には歯を、レイドボス相手には…レイドボスを務めたものを!!『黒き女神』第一形態!!

 第二形態までいかず、第一形態だけで十分と判断し、スキルを使用して女神の姿へ一気に転じる。
 トーカはもう知っているので驚く様子はなかったが、母さんのほうは息子がいきなり女神の姿になったことに驚愕しているようで、目玉が飛び出そうな顔になっているが、かまう必要はないだろう。


「ギラクネア!!変態と爆発する槍のごちそうをふるまったが、続けて別の槍をごちそうしてあげるよ!!」

 コユキの氷を使わせてもらって巨大な氷の槍を素早く作成し、ルトの雷を纏わせる。
 マリーの毒の霧を推進剤代わりに、着火用の炎をアリスにいただき、投げるだけの技量をセレアと力をリンから借り、狙いをつけるスコープをネアの妖精糸で補い、最後にシアの機械部分を補正に使用し、一撃を繰り出す。

「より強力になった、神槍の一撃を、喰らえええええええええええええええええええ!!」

 ぶぉんっと豪快にふるうと同時に、巨大な槍が風圧だけでも大地を砕きながら爆走し始める。
 その一撃に気が付いたギラクネアが気が付くも、既に爆発で正面がぼろぼろになっているがゆえに、もはやなすすべは無し。


【ジュ、ジュルグアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!】

 先ほどとは異なる槍の一撃を受けさせられ、断末魔を上げながらも肉体が耐え切れず、爆散していくのであった……



「ミートンさん、タローンさん、仇はとったよ…」

 まぁ、自爆なので敵討ちとかはないか。しかも間接的な部分で考えれば、自分がやったようなものだが…気にする必要はあるまい。
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