425 / 673
Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.0-15 眷属の力とはいかほどに
しおりを挟む
眷属化が完了し、アンノウンモンスターから黒色夜叉へと変貌を遂げた新しい仲間、カイニス。
見た目こそはストレートな感じの着物姿だが、般若の仮面をつけており、いざとなれば分割して攻撃できるジェット金棒を持っている凶悪さも併せ持っているようだ。
「足りなかったパワー面で、かなりの強化となるけど…実際、どういう風に戦うの?」
【オレノ戦イ方カ?単純明快、全力デ殴ルコトダゾ】
わかりやすい脳筋系の先方のようだが、鬼の怪力でやられると相当ヤバいものになるのが目に三目ている。
「というか、黒色夜叉って種族名がついたのか…」
「眷属になって種族も変わったようだけど、聞いたことないのになったね☆」
「夜叉か…凶悪な人間の比喩だったり、鬼神の類で使われたりもするな。今回はアンノウンモンスターだったが、基本ベースがオーガ…鬼だからこそ、選択として出てきたのかもしれない」
鬼だからこそなった種族ともいえるが、その実力はまだ未知数。
アンノウンモンスターだったミイラオーガ状態だった時は、全身の包帯で攻撃を防いだり攻撃に利用したりとできたが、姿が大きく変わったことにより、その戦い方も変化が出ているだろう。
こうなると、手っ取り早い確認方法としては…
「ふーむ、何やら面白そうデース!!ハル、せっかくだから実力試しに、その眷属をミーのテイムモンスターと戦ってもらって計るのはどうデースか?」
「え、良いのティラリアさん?」
「問題ないデース!血気盛んなものがいるので、ちょうど良いのデース!!」
「確かに、実際にその動きを見たほうが良さそうだしな。PvPの形式でやればいいだろう」
あれよあれよという間に戦うことを決め、場所を移動する。
流石に何かと常識外れ過ぎる惑星ファンタズムで戦うと想定外の事態が引きこされかねない気もしたので、まともな常識の中で戦える別の近くにあった星へ…宇宙海図には載っているけど、誰もいない名もなき場所で、戦ってみることにした。
いわゆる遊星の類のようだが、ここで戦うのもありだろう。
幸いなことに、大気の状態や重力などの面は常識的な範囲に収まっており、ここでならばドンパチやらかしても大丈夫なはずである。
「というか、こういう遊星が放置されているってのも珍しいな…ミーちゃんの牧場惑星みたいに、誰かが買い取って改造している星ってことはないよね?」
「いや、問題は無いな。この星、売られもしてない本当に名もなきただの星のようだ」
「条件自体は悪くはないけど…ああ、なるほど。遊星って言うけど、ある程度のコース予測ができているようで、3日後には近くの恒星へ引き寄せられて、生涯を終えるっぽいね☆」
だからこそ、誰も手を付けていない星だったようだが、人がいないとなればそれはそれで都合が良い。
「では、お前に任せるのデース!!帝国の突撃隊長『ドドンガ』!!」
【ギャォォォォォォォォス!!任サレヨ女帝様!!相手ガ何デアレ、勝利ヲササゲテミセマショウゾ!!】
ティラリアさんが呼び出したのは、最前線の戦いの場で出すことが多いという、ディノニクスのような姿をしたモンスター『ディノックス・アルケイド』。
ただし、恐竜の姿のままというわけではなく、何やら侍衣装を着ており、大きな日本刀のような武器を装備しているようだ。
「剣士というか、武士の類かな?」
「そうデース。この子は元々仲間と連携をするディノックスというモンスターの群れの突然変異で生まれてしまったはぐれ者で、一匹狼のように戦うことを得意としてましたのデース。名付けて、しばらく鍛え上げていたら一匹の武士としての成長を遂げたのデース」
何をどうして武士になったのか、気になるところ。
一応、しっかりと存在しているモンスターのようだがかなりの強敵らしく、しかもティラリアさん直々に鍛え上げられていることから容易い相手でもないようだ。
「えっと、行けるかな、カイニス。相手は恐竜と武士が合体した感じの相手のようで、パワーも武士としての技量も優れているようだし、厄介な相手っぽいよ」
【…問題ナイ、叩キ潰セルゼ!オゴガァァァァ!!】
確認してみたところ気合十分なようで、ぶぉんっと勢いよく金棒を回し、気合の声を上げるカイニス。
両者ともに血気盛んそうだが、中々のぶつかり合いになるのだろうか。
とにもかくにも、両者ともに戦意は十分にあることが確認できたので、戦わせてみることにする。
テイムモンスターと眷属の戦いとなるが…果たして、どのようなものなのか気になるところ。
「それでは、PvP形式で、両者ともにプレイヤーではなくモンスターと眷属の一対一で…審判は、このわたしゴリラマンが努めよう。両者ともに、戦いの用意は十分だろうか」
【【大丈夫ダ、問題ナイ!!】】
(…武器の用意は十分か、とかを付けたらフラグっぽい気がするけど)
(まぁ、大丈夫だと思うのデース)
「それでは、お互いに見合って…勝負、始めぇ!!」
【オゴガァァァァァ!!】
【ギャォォォォス!!】
ゴリラマンさんの掛け声とともに、お互いに咆哮を上げて戦いを開始する。
まずはお互いの攻撃を…
【オゴガァァァァ!!『大地爆砕』!!】
ドッゴォォォォォォォォォォォォン!!
いきなりカイニスが金棒を思いっきり地面にたたきつけ、大きな音が鳴り響く。
だが、その音とは対照的に、ぶつかったはずの地面に損傷はなく、まるでそっと金棒を置いただけのように見えるほど無傷な状態。
それなのに何故、あの爆音が響いたのか疑問に思った…次の瞬間だった。
ゴブッドッガァァァァァァァァン!!
【ギャォォォォ!?】
突然、ドドンガの足元が膨らんだかと思えば、強烈な衝撃波の様なものが噴き上がり、宙へぶっ飛ばした。
かなりの一撃だったようで、驚愕の声を上げる中、畳みかけるように素早くカイニスが金棒を地面に突き刺して次の行動に移す。
【オゴガァァァァァ!!】
グググラァァァ!!
「「「「うおっと!?」」」」
突然、星そのものが振動をし始め、僕らは倒れそうになる。
何が起きているのかと思ったが、信じられないことに金棒を使いつつもカイニスはこの星そのものを揺らしているようで、そのまま地面が一瞬だけひっくり返り…
【『天地変動殴打』!!】
むりやり星そのものを金棒の先のハンマーに変えたとでもいうのか、ひっくり返った地面を器用に操ってそのまま勢いよく何度もドドンガへ向けて叩きつける。
地面に何度も叩きつけられるようになってドッガンバッゴン激しく殴打しているようだが、僕らのほうまでは対象にならないようにと調整をしているのかこちらに影響はない。
あくまでも、狙った相手だけをこの星のもので殴りつけているようだ。
ドゴバゴドゴバゴドゴバゴ!!
【ギャォォォォォォォォォス!?】
シュルルルルルルル!!
【ギャオォッス!?】
殴られ続けたドドンガだったが、急にその体に何かが巻き付いた。
見れば、いつの間にか星そのものでの殴打をやめたカイニスが、今度はその着物の裾から包帯を伸ばしており、ドドンガの体へ巻き付けたようだ。
そのままシュルルルっと引き寄せて…ぐっと拳が握りしめられる。
【オゴガァァ!!トドメ、『バンデージナックル』!!】
ドッゴォォォォォウス!!
【ゴギャァオォォォォォォォォォォォ!?】
空中で包帯にからめとられて引き寄せられたドドンガはなすすべなく、そのままカイニスの手によって拳の重い一撃を喰らい、断末魔のような声を上げた。
一撃を放つと同時に包帯がすぐにほどけて、殴られた勢いそのままでドドンガ吹っ飛ばされて…その場から消えたのであった。
「…あ、ドドンガのHPが1になってハウスに強制退去されたのデース」
「となると…うん、戦闘不能だね。勝者、カイニス!!」
【オゴガァァァァ!】
ガッツポーズを掲げ、勝利の咆哮を上げるカイニス。
眷属としての力はどのようなものかとみるための戦闘だったが…うん、なんというか無茶苦茶すぎた。
「というか、戦闘に思いっきり巻き込まれた形になったけど…星を金棒で突き刺して武器にするってありかそんなの!?」
「いや、本当にヤバいパワーを持った眷属になっているね…これ、パワーバランスの調整がおかしくなっているよ」
「うーん、分析したけど…バグのように見えて、正常値だね☆。どうもパワーに思いっきりステータスが極限まで割り振られたみたいだよ☆」
「そうなの?あ、本当だ、なんか値がおかしい…というか、他がかなり酷いな!?」
確認してみると、カイニスのステータスがかなり極端なものになっていた。
攻撃力が文字化けしそうなほどおかしく割り振られているが、それに吸いつくされているかのように、他のステータスが最低値レベルになっている。
「うわぁ、HPを犠牲にして素早さや硬さを極めた某金属スライムの攻撃力版って言って良いようなレベルだよ、コレ…」
「下手すると、レベル1のプレイヤーでも攻撃を何度か当てることさえできれば、倒せそうなほどか弱いんだけど…無茶苦茶すぎる攻撃力が、それを補っているようだ」
「そしてしっかり、バランス調整のつもりなのか、眷属として一日に戦闘可能な時間もどうやら設けられているのか…30分ほどでハウス内に強制送還されて、24時間経過しないとフィールド上に出せないようになっているみたい」
極端すぎるおパワーの権化、それがカイニスもとい黒色夜叉。
眷属として確かに足りない部分は補えるようだが、その反面、眷属自身に色々と足りなすぎるものが多いのであった…
「…えっと、これ運営のほうで調整可能だったりしないでしょうか」
「多少はできるとは思うけど…うん、次回の小アップデートで、何とかなるかも」
「でも、ここまで眷属としてのプログラムが頑強だと、厳しいかなぁ…改造に寄るステータスの偽証はできないようにしているけど、その分運営側のほうも結構個人に対しての調整は厳しいところがあるんだよねぇ☆」
…運営側も運営側で、なかなか難しい様子。
聞いた話では、眷属関係のデータはまだ調整が必要な部分があるようで、今後のアップデートでもうちょっとまともな方向にしていく方針だということが、幸いなことだろうか。
「それに、どうも宇宙の果てのほうで変態神とやらがやらかしているようで…」
「そっちの眷属の問題が、確か来ていなかったっけ☆」
「早めの改修や改良をお願いいたします」
絶対に放置すると、ろくでもないことになるやつだ、コレ。
というか、これを見ると他にも何か、厄介ごとの香りがするような…
見た目こそはストレートな感じの着物姿だが、般若の仮面をつけており、いざとなれば分割して攻撃できるジェット金棒を持っている凶悪さも併せ持っているようだ。
「足りなかったパワー面で、かなりの強化となるけど…実際、どういう風に戦うの?」
【オレノ戦イ方カ?単純明快、全力デ殴ルコトダゾ】
わかりやすい脳筋系の先方のようだが、鬼の怪力でやられると相当ヤバいものになるのが目に三目ている。
「というか、黒色夜叉って種族名がついたのか…」
「眷属になって種族も変わったようだけど、聞いたことないのになったね☆」
「夜叉か…凶悪な人間の比喩だったり、鬼神の類で使われたりもするな。今回はアンノウンモンスターだったが、基本ベースがオーガ…鬼だからこそ、選択として出てきたのかもしれない」
鬼だからこそなった種族ともいえるが、その実力はまだ未知数。
アンノウンモンスターだったミイラオーガ状態だった時は、全身の包帯で攻撃を防いだり攻撃に利用したりとできたが、姿が大きく変わったことにより、その戦い方も変化が出ているだろう。
こうなると、手っ取り早い確認方法としては…
「ふーむ、何やら面白そうデース!!ハル、せっかくだから実力試しに、その眷属をミーのテイムモンスターと戦ってもらって計るのはどうデースか?」
「え、良いのティラリアさん?」
「問題ないデース!血気盛んなものがいるので、ちょうど良いのデース!!」
「確かに、実際にその動きを見たほうが良さそうだしな。PvPの形式でやればいいだろう」
あれよあれよという間に戦うことを決め、場所を移動する。
流石に何かと常識外れ過ぎる惑星ファンタズムで戦うと想定外の事態が引きこされかねない気もしたので、まともな常識の中で戦える別の近くにあった星へ…宇宙海図には載っているけど、誰もいない名もなき場所で、戦ってみることにした。
いわゆる遊星の類のようだが、ここで戦うのもありだろう。
幸いなことに、大気の状態や重力などの面は常識的な範囲に収まっており、ここでならばドンパチやらかしても大丈夫なはずである。
「というか、こういう遊星が放置されているってのも珍しいな…ミーちゃんの牧場惑星みたいに、誰かが買い取って改造している星ってことはないよね?」
「いや、問題は無いな。この星、売られもしてない本当に名もなきただの星のようだ」
「条件自体は悪くはないけど…ああ、なるほど。遊星って言うけど、ある程度のコース予測ができているようで、3日後には近くの恒星へ引き寄せられて、生涯を終えるっぽいね☆」
だからこそ、誰も手を付けていない星だったようだが、人がいないとなればそれはそれで都合が良い。
「では、お前に任せるのデース!!帝国の突撃隊長『ドドンガ』!!」
【ギャォォォォォォォォス!!任サレヨ女帝様!!相手ガ何デアレ、勝利ヲササゲテミセマショウゾ!!】
ティラリアさんが呼び出したのは、最前線の戦いの場で出すことが多いという、ディノニクスのような姿をしたモンスター『ディノックス・アルケイド』。
ただし、恐竜の姿のままというわけではなく、何やら侍衣装を着ており、大きな日本刀のような武器を装備しているようだ。
「剣士というか、武士の類かな?」
「そうデース。この子は元々仲間と連携をするディノックスというモンスターの群れの突然変異で生まれてしまったはぐれ者で、一匹狼のように戦うことを得意としてましたのデース。名付けて、しばらく鍛え上げていたら一匹の武士としての成長を遂げたのデース」
何をどうして武士になったのか、気になるところ。
一応、しっかりと存在しているモンスターのようだがかなりの強敵らしく、しかもティラリアさん直々に鍛え上げられていることから容易い相手でもないようだ。
「えっと、行けるかな、カイニス。相手は恐竜と武士が合体した感じの相手のようで、パワーも武士としての技量も優れているようだし、厄介な相手っぽいよ」
【…問題ナイ、叩キ潰セルゼ!オゴガァァァァ!!】
確認してみたところ気合十分なようで、ぶぉんっと勢いよく金棒を回し、気合の声を上げるカイニス。
両者ともに血気盛んそうだが、中々のぶつかり合いになるのだろうか。
とにもかくにも、両者ともに戦意は十分にあることが確認できたので、戦わせてみることにする。
テイムモンスターと眷属の戦いとなるが…果たして、どのようなものなのか気になるところ。
「それでは、PvP形式で、両者ともにプレイヤーではなくモンスターと眷属の一対一で…審判は、このわたしゴリラマンが努めよう。両者ともに、戦いの用意は十分だろうか」
【【大丈夫ダ、問題ナイ!!】】
(…武器の用意は十分か、とかを付けたらフラグっぽい気がするけど)
(まぁ、大丈夫だと思うのデース)
「それでは、お互いに見合って…勝負、始めぇ!!」
【オゴガァァァァァ!!】
【ギャォォォォス!!】
ゴリラマンさんの掛け声とともに、お互いに咆哮を上げて戦いを開始する。
まずはお互いの攻撃を…
【オゴガァァァァ!!『大地爆砕』!!】
ドッゴォォォォォォォォォォォォン!!
いきなりカイニスが金棒を思いっきり地面にたたきつけ、大きな音が鳴り響く。
だが、その音とは対照的に、ぶつかったはずの地面に損傷はなく、まるでそっと金棒を置いただけのように見えるほど無傷な状態。
それなのに何故、あの爆音が響いたのか疑問に思った…次の瞬間だった。
ゴブッドッガァァァァァァァァン!!
【ギャォォォォ!?】
突然、ドドンガの足元が膨らんだかと思えば、強烈な衝撃波の様なものが噴き上がり、宙へぶっ飛ばした。
かなりの一撃だったようで、驚愕の声を上げる中、畳みかけるように素早くカイニスが金棒を地面に突き刺して次の行動に移す。
【オゴガァァァァァ!!】
グググラァァァ!!
「「「「うおっと!?」」」」
突然、星そのものが振動をし始め、僕らは倒れそうになる。
何が起きているのかと思ったが、信じられないことに金棒を使いつつもカイニスはこの星そのものを揺らしているようで、そのまま地面が一瞬だけひっくり返り…
【『天地変動殴打』!!】
むりやり星そのものを金棒の先のハンマーに変えたとでもいうのか、ひっくり返った地面を器用に操ってそのまま勢いよく何度もドドンガへ向けて叩きつける。
地面に何度も叩きつけられるようになってドッガンバッゴン激しく殴打しているようだが、僕らのほうまでは対象にならないようにと調整をしているのかこちらに影響はない。
あくまでも、狙った相手だけをこの星のもので殴りつけているようだ。
ドゴバゴドゴバゴドゴバゴ!!
【ギャォォォォォォォォォス!?】
シュルルルルルルル!!
【ギャオォッス!?】
殴られ続けたドドンガだったが、急にその体に何かが巻き付いた。
見れば、いつの間にか星そのものでの殴打をやめたカイニスが、今度はその着物の裾から包帯を伸ばしており、ドドンガの体へ巻き付けたようだ。
そのままシュルルルっと引き寄せて…ぐっと拳が握りしめられる。
【オゴガァァ!!トドメ、『バンデージナックル』!!】
ドッゴォォォォォウス!!
【ゴギャァオォォォォォォォォォォォ!?】
空中で包帯にからめとられて引き寄せられたドドンガはなすすべなく、そのままカイニスの手によって拳の重い一撃を喰らい、断末魔のような声を上げた。
一撃を放つと同時に包帯がすぐにほどけて、殴られた勢いそのままでドドンガ吹っ飛ばされて…その場から消えたのであった。
「…あ、ドドンガのHPが1になってハウスに強制退去されたのデース」
「となると…うん、戦闘不能だね。勝者、カイニス!!」
【オゴガァァァァ!】
ガッツポーズを掲げ、勝利の咆哮を上げるカイニス。
眷属としての力はどのようなものかとみるための戦闘だったが…うん、なんというか無茶苦茶すぎた。
「というか、戦闘に思いっきり巻き込まれた形になったけど…星を金棒で突き刺して武器にするってありかそんなの!?」
「いや、本当にヤバいパワーを持った眷属になっているね…これ、パワーバランスの調整がおかしくなっているよ」
「うーん、分析したけど…バグのように見えて、正常値だね☆。どうもパワーに思いっきりステータスが極限まで割り振られたみたいだよ☆」
「そうなの?あ、本当だ、なんか値がおかしい…というか、他がかなり酷いな!?」
確認してみると、カイニスのステータスがかなり極端なものになっていた。
攻撃力が文字化けしそうなほどおかしく割り振られているが、それに吸いつくされているかのように、他のステータスが最低値レベルになっている。
「うわぁ、HPを犠牲にして素早さや硬さを極めた某金属スライムの攻撃力版って言って良いようなレベルだよ、コレ…」
「下手すると、レベル1のプレイヤーでも攻撃を何度か当てることさえできれば、倒せそうなほどか弱いんだけど…無茶苦茶すぎる攻撃力が、それを補っているようだ」
「そしてしっかり、バランス調整のつもりなのか、眷属として一日に戦闘可能な時間もどうやら設けられているのか…30分ほどでハウス内に強制送還されて、24時間経過しないとフィールド上に出せないようになっているみたい」
極端すぎるおパワーの権化、それがカイニスもとい黒色夜叉。
眷属として確かに足りない部分は補えるようだが、その反面、眷属自身に色々と足りなすぎるものが多いのであった…
「…えっと、これ運営のほうで調整可能だったりしないでしょうか」
「多少はできるとは思うけど…うん、次回の小アップデートで、何とかなるかも」
「でも、ここまで眷属としてのプログラムが頑強だと、厳しいかなぁ…改造に寄るステータスの偽証はできないようにしているけど、その分運営側のほうも結構個人に対しての調整は厳しいところがあるんだよねぇ☆」
…運営側も運営側で、なかなか難しい様子。
聞いた話では、眷属関係のデータはまだ調整が必要な部分があるようで、今後のアップデートでもうちょっとまともな方向にしていく方針だということが、幸いなことだろうか。
「それに、どうも宇宙の果てのほうで変態神とやらがやらかしているようで…」
「そっちの眷属の問題が、確か来ていなかったっけ☆」
「早めの改修や改良をお願いいたします」
絶対に放置すると、ろくでもないことになるやつだ、コレ。
というか、これを見ると他にも何か、厄介ごとの香りがするような…
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,941
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる