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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-37 星々の資源
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…アルケディア・オンラインの宇宙に広がる星々は、様々なものがある。
普通に地球型の星だったり、太陽のように燃え盛っているように見えて絶対零度の星や、みっちみちに木々が埋め尽くしている星、不定形だったり液状だったりする星など、例を挙げればきりがない。
とはいえ、現実の世界の宇宙にある星々とは絶対に違うと言い切れないものもあり、もしかすると本当に存在しているのかもしれないと思わせたり、存在してほしいと強く願わせる星などもあったりするのだ。
「モフモフに囲まれた星や、レアメタルが多く埋蔵されている星など、色々とあるよね」
「中にはプレイヤー向けに販売されている惑星や人工惑星などもあるから、人の手によって改造されたものも含めると凄まじい数になりそうだよね」
牧場惑星をもっているミントが言うと、そうだよなと納得するハル。
自然に任せたままのものもそうだが、人工のものが加わることでより種類が増加していく。
「風の噂だと、理想郷を作ろうとするギルドとかが、物凄く大きな星を買って滅茶苦茶な惑星改造に着手した結果、やらかして爆発したってのも聞くけどね…」
【計画を立てても、それがすべて計画通りに進むとは限らないのデス。ある程度の妥協をしなければ、難しいのも現実に近いと言えるでしょウ】
グレイ号のかじを取りながらつぶやけば、ロロがそう口にする。
もしかすると、あの神域…妖精郷の改造も、どこか妥協して収めていた部分があったのだろうか。
…いや、無いな、多分。妥協していたら、もっとこう、自然あふれた姿が残っていそうなものなのに、今では完全にSFチックなサイバーシティーと言って良いような光景になっているからな。
住んでいた妖精たちも、いつの間にか染まったのか、最新機器を使いこなしていたりする姿を見ており、もはやあきらめの境地に至っていたりする。
黒き女神の神域になるんだけどなぁ…どちらかといえば、機械神の神域と言ったほうがしっくりきそうな気がしなくもない。
なお、当の機械神のスキルを持つプレイヤーは現在、借金の担保に神域を出したというメールが来ており、金策に励んでいるという。何をやっているのだろうか、あの人は。
とにもかくにも、ちょっぴりアップデートされたアルケディア・オンラインだが…微々たる変化と言ってもすぐに目につくようなのがないのか…
「あ、でもちょっと違うかも」
「どうしたの、ハル?」
「周辺の航行している魔導船とかどうなっているのかなと思って、グレイ号のレーダーを見たけど…数が増えている気がする」
宇宙空間の星々の数が多く、全ての星に向かうにはプレイヤーの数のほうが足りていないぐらいで、そんなに遭遇するようなことはない。
その星をとことん楽しんでから次の星へ向かう人が多いのか、すぐに出ようとしないプレイヤーが多いのもあるのかもしれない。
だがしかし、アップデートされてあちこち変わっている影響なのか、興味や好奇心から来ているのか、移動する船の数がいつもより増えたような気がするのだ。
「むむむ…言われてみると、確かに増えているのかも。ステルス船を導入している人もいたりするから、もう少しだけ多く見積もっても、先日よりは増えているのかもね」
「そうだよね」
あちこち楽しんで活発に行き来する人が増えるのは喜ばしいことなのかもしれない。
多くの人が訪れ、楽しむたびにどんどん情報がネットの海に流れてくるだろうし、何かないか事前に調べやすくなるだろう。
「…万が一の、絶対にないとは思いたいけど、変態だらけの島の情報が出てきたら即座に回避ルートを取れるようにしたいからね」
「うわぁ…否定できないのが何とも言えないね」
【…星そのものを破壊するのではいけないでしょうカ?やろうと思えば、可能そうデス】
「流石に、そこまでの暴挙をするつもりは…無いとも言い切れない。ロロ、念のためにこの船のファイナルウェポン的なもののメンテナンスを頼むよ」
【了解デス】
「波〇砲とか撃ちこんだら、シャレにならないような…そこまでしないと根絶できないような気もするから、ある意味正しい判断なのか…?」
万が一の事態で、そんなことがあるのは無いと願いたい。
神様仏様何とか様…いや、よく考えたら僕自身、将来的に黒き女神の道があるならば、この場合自身に願うべきなのだろうか。
現実世界での進路などを考えると、どうするべきなのかわからない複雑な感情を抱くのであった…
「…うん、考えていたら疲れるし、ミーちゃん、今日は癒しがある惑星のほうに向かおうよ」
「賛成、あ、でもどこが良いのかな?」
…癒しとなると、モフモフとか、綺麗な海や空気の澄んだ山…海は前に似たような星へ寄ったことがあるし、それ以外のほうが良いか。
…ハルたちが改めて航路を定めていたその頃。
とある星では今、ある試みが行われていた。
アルケディア・オンライン上の星々は基本的に、どのプレイヤーでも自由にめぐることが出来るようになっている。
だが、中にはまだプログラムが出来上がっていなかったり、流石に危ない星があると入れないように封鎖されていたり、情報そのものを出さないように隠されていることがある。
そんな星々の中で、とある実験台に選ばれた星には今、運営の手によって集められた使用人たち…他プレイヤー雇用される前の、研修段階で作業を行う者たちが集まり、作業を行っていた。
いったい何をしているのか、その全容を外部から見ることが出来ないだろう。
けれども、そこに一緒に使用されている工具などを見れば、なにを目的としているのか分かる人もいるだろう。
【2番、14番仮設線路に到着を確認~。続けて29番線及び5番線発車デ~ス】
【こっち側、予定よりも固いようだからより強固なのを発注願い頼ム!!】
【本数そのまま、プレイヤーたちにはまだ感知されないように、裏路線の使用を続ケロ】
…何のために集まり、何をしているのか。
明かされるのはもう少し先だが、成功すれば相当な利益が出る計画の一つなのは間違いない。
今はとりあえず、各々の仕事をこなしていくのであった…
普通に地球型の星だったり、太陽のように燃え盛っているように見えて絶対零度の星や、みっちみちに木々が埋め尽くしている星、不定形だったり液状だったりする星など、例を挙げればきりがない。
とはいえ、現実の世界の宇宙にある星々とは絶対に違うと言い切れないものもあり、もしかすると本当に存在しているのかもしれないと思わせたり、存在してほしいと強く願わせる星などもあったりするのだ。
「モフモフに囲まれた星や、レアメタルが多く埋蔵されている星など、色々とあるよね」
「中にはプレイヤー向けに販売されている惑星や人工惑星などもあるから、人の手によって改造されたものも含めると凄まじい数になりそうだよね」
牧場惑星をもっているミントが言うと、そうだよなと納得するハル。
自然に任せたままのものもそうだが、人工のものが加わることでより種類が増加していく。
「風の噂だと、理想郷を作ろうとするギルドとかが、物凄く大きな星を買って滅茶苦茶な惑星改造に着手した結果、やらかして爆発したってのも聞くけどね…」
【計画を立てても、それがすべて計画通りに進むとは限らないのデス。ある程度の妥協をしなければ、難しいのも現実に近いと言えるでしょウ】
グレイ号のかじを取りながらつぶやけば、ロロがそう口にする。
もしかすると、あの神域…妖精郷の改造も、どこか妥協して収めていた部分があったのだろうか。
…いや、無いな、多分。妥協していたら、もっとこう、自然あふれた姿が残っていそうなものなのに、今では完全にSFチックなサイバーシティーと言って良いような光景になっているからな。
住んでいた妖精たちも、いつの間にか染まったのか、最新機器を使いこなしていたりする姿を見ており、もはやあきらめの境地に至っていたりする。
黒き女神の神域になるんだけどなぁ…どちらかといえば、機械神の神域と言ったほうがしっくりきそうな気がしなくもない。
なお、当の機械神のスキルを持つプレイヤーは現在、借金の担保に神域を出したというメールが来ており、金策に励んでいるという。何をやっているのだろうか、あの人は。
とにもかくにも、ちょっぴりアップデートされたアルケディア・オンラインだが…微々たる変化と言ってもすぐに目につくようなのがないのか…
「あ、でもちょっと違うかも」
「どうしたの、ハル?」
「周辺の航行している魔導船とかどうなっているのかなと思って、グレイ号のレーダーを見たけど…数が増えている気がする」
宇宙空間の星々の数が多く、全ての星に向かうにはプレイヤーの数のほうが足りていないぐらいで、そんなに遭遇するようなことはない。
その星をとことん楽しんでから次の星へ向かう人が多いのか、すぐに出ようとしないプレイヤーが多いのもあるのかもしれない。
だがしかし、アップデートされてあちこち変わっている影響なのか、興味や好奇心から来ているのか、移動する船の数がいつもより増えたような気がするのだ。
「むむむ…言われてみると、確かに増えているのかも。ステルス船を導入している人もいたりするから、もう少しだけ多く見積もっても、先日よりは増えているのかもね」
「そうだよね」
あちこち楽しんで活発に行き来する人が増えるのは喜ばしいことなのかもしれない。
多くの人が訪れ、楽しむたびにどんどん情報がネットの海に流れてくるだろうし、何かないか事前に調べやすくなるだろう。
「…万が一の、絶対にないとは思いたいけど、変態だらけの島の情報が出てきたら即座に回避ルートを取れるようにしたいからね」
「うわぁ…否定できないのが何とも言えないね」
【…星そのものを破壊するのではいけないでしょうカ?やろうと思えば、可能そうデス】
「流石に、そこまでの暴挙をするつもりは…無いとも言い切れない。ロロ、念のためにこの船のファイナルウェポン的なもののメンテナンスを頼むよ」
【了解デス】
「波〇砲とか撃ちこんだら、シャレにならないような…そこまでしないと根絶できないような気もするから、ある意味正しい判断なのか…?」
万が一の事態で、そんなことがあるのは無いと願いたい。
神様仏様何とか様…いや、よく考えたら僕自身、将来的に黒き女神の道があるならば、この場合自身に願うべきなのだろうか。
現実世界での進路などを考えると、どうするべきなのかわからない複雑な感情を抱くのであった…
「…うん、考えていたら疲れるし、ミーちゃん、今日は癒しがある惑星のほうに向かおうよ」
「賛成、あ、でもどこが良いのかな?」
…癒しとなると、モフモフとか、綺麗な海や空気の澄んだ山…海は前に似たような星へ寄ったことがあるし、それ以外のほうが良いか。
…ハルたちが改めて航路を定めていたその頃。
とある星では今、ある試みが行われていた。
アルケディア・オンライン上の星々は基本的に、どのプレイヤーでも自由にめぐることが出来るようになっている。
だが、中にはまだプログラムが出来上がっていなかったり、流石に危ない星があると入れないように封鎖されていたり、情報そのものを出さないように隠されていることがある。
そんな星々の中で、とある実験台に選ばれた星には今、運営の手によって集められた使用人たち…他プレイヤー雇用される前の、研修段階で作業を行う者たちが集まり、作業を行っていた。
いったい何をしているのか、その全容を外部から見ることが出来ないだろう。
けれども、そこに一緒に使用されている工具などを見れば、なにを目的としているのか分かる人もいるだろう。
【2番、14番仮設線路に到着を確認~。続けて29番線及び5番線発車デ~ス】
【こっち側、予定よりも固いようだからより強固なのを発注願い頼ム!!】
【本数そのまま、プレイヤーたちにはまだ感知されないように、裏路線の使用を続ケロ】
…何のために集まり、何をしているのか。
明かされるのはもう少し先だが、成功すれば相当な利益が出る計画の一つなのは間違いない。
今はとりあえず、各々の仕事をこなしていくのであった…
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