アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~

志位斗 茂家波

文字の大きさ
560 / 718
Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~

ver.5.2-141 レジスト・アシスト

しおりを挟む
 耐性を付け、可能な限り対抗できるようにしよう。
 直撃時に低下判定を受けて100%防げずとも、やらないよりはマシである。

 まぁ、一番良いのは大本部分…変身光線を撃てるスキルを彼らに会得させないというのがあるが、流石に人数が多いと難しいし、潰しても雑草のようにしつこく生えてくる可能性がある。

「あとは抵抗手段として回避、反射、無効化等…彼らの目の前で女神になることは避けるのは当然として、やれる手段を増やすのは女神になってもならなくても損はないか」


 アルケディア・オンライン内で攻撃を受けない手段を色々と模索しているが、女神になっている時を除いても、結構有用そうなものが多い。
 ここ最近、何かと戦闘することが多くもあったので、自身へのダメージを極力なくす手段としても使えないことはない。

 むしろ、調べて見ることで他への応用が利きそうなものも結構発見できたので、やる気にはつながるだろう。

「それにしても、話に聞かせてもらったけど、女神に自身の欲望の衣装を着せたい信者集団かぁ…ハル、変な信者を獲得しちゃったね」
「したくてしたわけじゃないんだよ、ミーちゃん…」

 集会目撃から少し時間が経過し、ミーちゃんにも話したのだが、同情するような顔を浮かべてくる。
 考えてみればミーちゃんも、真祖ということで何かしらの変なもの…ヴァンパイアハンターだとかそういうものにも追われた経験があり、種類や目的が違えども、狙われていることに関しては良い気分がしないことに関しては同じなようだ。

「私の場合、諦めてくれるように実力行使もできたけど、相手が信者だと逆にチャンスだとばかりに襲われそうかも」
「女神の力なら簡単にふっとばせるだろうけれども、力ずくでは何も解決しないのが頭の痛い問題なんだよなぁ…」

 可能ならば黒い女神以外の女神関係に手を出してほしいと思うのだが、そううまくいかないのがこの世の中。
 アルケディア・オンライン内での神系スキルを使った神の姿を得た者の目撃情報としては、機械神やら恐竜神、獣神、道化神、外なる神…様々なものがあるようだが、明確に「女神」と名が付くのは黒き女神ぐらいしかないようである。

 もっと、他の女神出てきて…いや、名前が付いていないだけかもしれないけど、それでも黒色一色に責任を負わせないでほしい。可能なら、他の色合いもあるのだから他のが出てきてほしい。

 一応、隠しエリアで○○女神の神殿などがあるので、可能性は0ではないが、それでもどうにかしてくれないだろうか。今度、運営に意見を出すべきか…




 とにもかくにも、今は対策を徹底的にやることしかできないようだ。
 信者共の記憶や精神を弄りまわせたら良かったが、そんな方法があったら、とっくの前に欲望戦隊に施している。
 彼らにそのような手段を使うプレイヤーがいない時点で、方法がないのだろう。手段があれば、やっている人は絶対にいるはず。

「グレイ号内の研究設備で対策アイテムは色々とできたけど、実際に効果があるかどうか、実戦に使えるかどうかはデータを取らないとなぁ…ミーちゃんは流石に、そんなスキルないよね」
「相手を変身させるスキルは、持ってないよ。そもそも、バニー等にできるあの変態集団が特殊過ぎるだけだと思う」

 言われてみればそうである。
 しかしながらあの集団、わざわざ講師として変態共をお迎えしていたりするので、そのうち同類の者たちが生まれるのは時間の問題だろう。

 妨害工作を仕掛けていたとしても、場合にとってはあの変態共のほうが火がついて、より執念深くなる危険性もありつつ、女神の正体もバレかねないだろう。

 仮にアカウントBANされたとしても、その遺志を引き継ぐものが現れてもおかしくはない。
 第二、第三の変態の出現…この世は地獄なのだろうか。

「もっとハルの女神の力が凄かったら、信者のほうに神からのお告げとかなんとかして、止めさせるってこともできそうだけどね」
「いや、出来たとしても今度は女神の声はどこからだとか、あるいは何卒これをと言いながらヤバい服出したりとか、悪化する未来が見えている」
「…そんなわけがないじゃん、と否定できないのはなんでだろう」
「あの変態たちと同じ穴のムジナのような輩だと説明したからかな」

 やれるなら、本気の神罰を落とす方が良いのか、いや、それだと女神が自分たちを見ていると思って、余計にやらかす可能性も否定できない。

 普通のものか世間一般的な狂信者の意味合いのものならばよかったのに、そうではなく、かなり特殊過ぎる方向性の信者…脅威となりうる脅信者だと思うと、頭が痛くなる。

 まだ見ぬ女神以外の神々も、案外こういうものたちと同じものを抱えて、悩んでいたりしないかなと思うのであった…


―――いや、流石に特殊過ぎる事例なだけです。

「何だろう、今、天の声が聞こえた気がする」
「女神なのに?」

…全力で否定された気がしなくもない。え、本当に?
しおりを挟む
感想 3,603

あなたにおすすめの小説

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。 森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。 その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。 これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語 今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ! 競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。 まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

(更新終了) 採集家少女は採集家の地位を向上させたい ~公開予定のない無双動画でバズりましたが、好都合なのでこのまま配信を続けます~

にがりの少なかった豆腐
ファンタジー
突然世界中にダンジョンが現れた。 人々はその存在に恐怖を覚えながらも、その未知なる存在に夢を馳せた。 それからおよそ20年。 ダンジョンという存在は完全にとは言わないものの、早い速度で世界に馴染んでいった。 ダンジョンに関する法律が生まれ、企業が生まれ、ダンジョンを探索することを生業にする者も多く生まれた。 そんな中、ダンジョンの中で獲れる素材を集めることを生業として生活する少女の存在があった。 ダンジョンにかかわる職業の中で花形なのは探求者(シーカー)。ダンジョンの最奥を目指し、日々ダンジョンに住まうモンスターと戦いを繰り広げている存在だ。 次点は、技術者(メイカー)。ダンジョンから持ち出された素材を使い、新たな道具や生活に使える便利なものを作り出す存在。 そして一番目立たない存在である、採集者(コレクター)。 ダンジョンに存在する素材を拾い集め、時にはモンスターから採取する存在。正直、見た目が地味で功績としても目立たない存在のため、あまり日の目を見ない。しかし、ダンジョン探索には欠かせない縁の下の力持ち的存在。 採集者はなくてはならない存在ではある。しかし、探求者のように表立てって輝かしい功績が生まれるのは珍しく、技術者のように人々に影響のある仕事でもない。そんな採集者はあまりいいイメージを持たれることはなかった。 しかし、少女はそんな状況を不満に思いつつも、己の気の赴くままにダンジョンの素材を集め続ける。 そんな感じで活動していた少女だったが、ギルドからの依頼で不穏な動きをしている探求者とダンジョンに潜ることに。 そして何かあったときに証拠になるように事前に非公開設定でこっそりと動画を撮り始めて。 しかし、その配信をする際に設定を失敗していて、通常公開になっていた。 そんなこともつゆ知らず、悪質探求者たちにモンスターを擦り付けられてしまう。 本来であれば絶望的な状況なのだが、少女は動揺することもあせるようなこともなく迫りくるモンスターと対峙した。 そうして始まった少女による蹂躙劇。 明らかに見た目の年齢に見合わない解体技術に阿鼻叫喚のコメントと、ただの作り物だと断定しアンチ化したコメント、純粋に好意的なコメントであふれかえる配信画面。 こうして少女によって、世間の採取家の認識が塗り替えられていく、ような、ないような…… ※カクヨムにて先行公開しています。

つまみ食いしたら死にそうになりました なぜか王族と親密に…毒を食べただけですけど

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私は貧しい家に生まれた お母さんが作ってくれたパイを始めて食べて食の楽しさを知った メイドとして働くことになれて少しすると美味しそうなパイが出される 王妃様への食事だと分かっていても食べたかった そんなパイに手を出したが最後、私は王族に気に入られるようになってしまった 私はつまみ食いしただけなんですけど…

墓守の荷物持ち 遺体を回収したら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアレア・バリスタ ポーターとしてパーティーメンバーと一緒にダンジョンに潜っていた いつも通りの階層まで潜るといつもとは違う魔物とあってしまう その魔物は僕らでは勝てない魔物、逃げるために必死に走った だけど仲間に裏切られてしまった 生き残るのに必死なのはわかるけど、僕をおとりにするなんてひどい そんな僕は何とか生き残ってあることに気づくこととなりました

【完結】国外追放の王女様と辺境開拓。王女様は落ちぶれた国王様から国を買うそうです。異世界転移したらキモデブ!?激ヤセからハーレム生活!

花咲一樹
ファンタジー
【錬聖スキルで美少女達と辺境開拓国造り。地面を掘ったら凄い物が出てきたよ!国外追放された王女様は、落ちぶれた国王様゛から国を買うそうです】 《異世界転移.キモデブ.激ヤセ.モテモテハーレムからの辺境建国物語》  天野川冬馬は、階段から落ちて異世界の若者と魂の交換転移をしてしまった。冬馬が目覚めると、そこは異世界の学院。そしてキモデブの体になっていた。  キモデブことリオン(冬馬)は婚活の神様の天啓で三人の美少女が婚約者になった。  一方、キモデブの婚約者となった王女ルミアーナ。国王である兄から婚約破棄を言い渡されるが、それを断り国外追放となってしまう。  キモデブのリオン、国外追放王女のルミアーナ、義妹のシルフィ、無双少女のクスノハの四人に、神様から降ったクエストは辺境の森の開拓だった。  辺境の森でのんびりとスローライフと思いきや、ルミアーナには大きな野望があった。  辺境の森の小さな家から始まる秘密国家。  国王の悪政により借金まみれで、沈みかけている母国。  リオンとルミアーナは母国を救う事が出来るのか。 ※激しいバトルは有りませんので、ご注意下さい カクヨムにてフォローワー2500人越えの人気作    

異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味
ファンタジー
※完結しました。感想をいただけると、今後の励みになります。よろしくお願いします。 これは、今まで暮らしていた世界とはかなり異なる世界に移住することになった僕の話である。 ようやく再就職できた会社をクビになった僕は、不気味な影に取り憑かれ、異世界へと運ばれる。 気がつくと、空を飛んで、口から火を吐いていた! これは?ドラゴン? 僕はドラゴンだったのか?! 自分がドラゴンの先祖返りであると知った僕は、超絶美少女の王様に「もうヒトではないからな!異世界に移住するしかない!」と告げられる。 しかも、この世界では衣食住が保障されていて、お金や結婚、戦争も無いというのだ。なんて良い世界なんだ!と思ったのに、大いなる呪いがあるって? この世界のちょっと特殊なルールを学びながら、僕は呪いを解くため7つの国を巡ることになる。 ※派手なバトルやグロい表現はありません。 ※25話から1話2000文字程度で基本毎日更新しています。 ※なろうでも公開しています。

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。 ─────── 自筆です。 アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

処理中です...