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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~

ver.5.2-141 レジスト・アシスト

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 耐性を付け、可能な限り対抗できるようにしよう。
 直撃時に低下判定を受けて100%防げずとも、やらないよりはマシである。

 まぁ、一番良いのは大本部分…変身光線を撃てるスキルを彼らに会得させないというのがあるが、流石に人数が多いと難しいし、潰しても雑草のようにしつこく生えてくる可能性がある。

「あとは抵抗手段として回避、反射、無効化等…彼らの目の前で女神になることは避けるのは当然として、やれる手段を増やすのは女神になってもならなくても損はないか」


 アルケディア・オンライン内で攻撃を受けない手段を色々と模索しているが、女神になっている時を除いても、結構有用そうなものが多い。
 ここ最近、何かと戦闘することが多くもあったので、自身へのダメージを極力なくす手段としても使えないことはない。

 むしろ、調べて見ることで他への応用が利きそうなものも結構発見できたので、やる気にはつながるだろう。

「それにしても、話に聞かせてもらったけど、女神に自身の欲望の衣装を着せたい信者集団かぁ…ハル、変な信者を獲得しちゃったね」
「したくてしたわけじゃないんだよ、ミーちゃん…」

 集会目撃から少し時間が経過し、ミーちゃんにも話したのだが、同情するような顔を浮かべてくる。
 考えてみればミーちゃんも、真祖ということで何かしらの変なもの…ヴァンパイアハンターだとかそういうものにも追われた経験があり、種類や目的が違えども、狙われていることに関しては良い気分がしないことに関しては同じなようだ。

「私の場合、諦めてくれるように実力行使もできたけど、相手が信者だと逆にチャンスだとばかりに襲われそうかも」
「女神の力なら簡単にふっとばせるだろうけれども、力ずくでは何も解決しないのが頭の痛い問題なんだよなぁ…」

 可能ならば黒い女神以外の女神関係に手を出してほしいと思うのだが、そううまくいかないのがこの世の中。
 アルケディア・オンライン内での神系スキルを使った神の姿を得た者の目撃情報としては、機械神やら恐竜神、獣神、道化神、外なる神…様々なものがあるようだが、明確に「女神」と名が付くのは黒き女神ぐらいしかないようである。

 もっと、他の女神出てきて…いや、名前が付いていないだけかもしれないけど、それでも黒色一色に責任を負わせないでほしい。可能なら、他の色合いもあるのだから他のが出てきてほしい。

 一応、隠しエリアで○○女神の神殿などがあるので、可能性は0ではないが、それでもどうにかしてくれないだろうか。今度、運営に意見を出すべきか…




 とにもかくにも、今は対策を徹底的にやることしかできないようだ。
 信者共の記憶や精神を弄りまわせたら良かったが、そんな方法があったら、とっくの前に欲望戦隊に施している。
 彼らにそのような手段を使うプレイヤーがいない時点で、方法がないのだろう。手段があれば、やっている人は絶対にいるはず。

「グレイ号内の研究設備で対策アイテムは色々とできたけど、実際に効果があるかどうか、実戦に使えるかどうかはデータを取らないとなぁ…ミーちゃんは流石に、そんなスキルないよね」
「相手を変身させるスキルは、持ってないよ。そもそも、バニー等にできるあの変態集団が特殊過ぎるだけだと思う」

 言われてみればそうである。
 しかしながらあの集団、わざわざ講師として変態共をお迎えしていたりするので、そのうち同類の者たちが生まれるのは時間の問題だろう。

 妨害工作を仕掛けていたとしても、場合にとってはあの変態共のほうが火がついて、より執念深くなる危険性もありつつ、女神の正体もバレかねないだろう。

 仮にアカウントBANされたとしても、その遺志を引き継ぐものが現れてもおかしくはない。
 第二、第三の変態の出現…この世は地獄なのだろうか。

「もっとハルの女神の力が凄かったら、信者のほうに神からのお告げとかなんとかして、止めさせるってこともできそうだけどね」
「いや、出来たとしても今度は女神の声はどこからだとか、あるいは何卒これをと言いながらヤバい服出したりとか、悪化する未来が見えている」
「…そんなわけがないじゃん、と否定できないのはなんでだろう」
「あの変態たちと同じ穴のムジナのような輩だと説明したからかな」

 やれるなら、本気の神罰を落とす方が良いのか、いや、それだと女神が自分たちを見ていると思って、余計にやらかす可能性も否定できない。

 普通のものか世間一般的な狂信者の意味合いのものならばよかったのに、そうではなく、かなり特殊過ぎる方向性の信者…脅威となりうる脅信者だと思うと、頭が痛くなる。

 まだ見ぬ女神以外の神々も、案外こういうものたちと同じものを抱えて、悩んでいたりしないかなと思うのであった…


―――いや、流石に特殊過ぎる事例なだけです。

「何だろう、今、天の声が聞こえた気がする」
「女神なのに?」

…全力で否定された気がしなくもない。え、本当に?
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