605 / 673
Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~
ver.6.0-19 嫌な予感ほど当たりやいうというが、良い予感は…
しおりを挟む
…世の中、都合の良いことはない。
これが最適な方法だと思っても、実際には全く適していなかったり、事前に調べて確実にあると思っていたら、実際にはすでに更地になっていたりなど、よくあることだという言葉で片づけたくはないが、そういうことは多々あるものだ。
ただ、だからこそ都合の悪いことのほうが多いと感じやすくなる理由にもなるのだろうが…そんなことは、彼女にはどうでもよかった。
真夜中、ふと、ベッドから身を起こしたハル…いや、黒き女神。
ハル自身の意識は今、夢の中で眠っており、動いたのは女神としての力そのもの。
何かを感じ取り女神の体へとすぐさま身を転じ、窓を開け、外に飛び出し空に浮かぶ。
本日の天候は、あいにくの曇り空のため、地上から星々を見ることは叶わないだろう。
だが、そうではない場所…雲の上であれば、星々は見える。
空に浮かびながら黒き女神が手を伸ばしたのは、一つの星。
すると、その星々の中から、女神に手を伸ばされた先にあったひときわ明るく輝く星が動いた。
違う、星ではない。
星々の明かりに紛れていたが、その実態は星々よりもはるかに地上に近い位置に存在していたもの。
何かに導かれるように動き、流星となって突き進み…女神の前に、その姿を現した。
そこにいたのは、ピンクの輝くを放つ人型の姿。
もしもこの光景を見ていたものたちがいれば、その容姿に対してある印象を抱いただろう。
宝石のように輝いていたり、ところどころ原石のままのようだが、黒き女神に似た姿。
お互いに同じ高さに浮遊し、目を合わせる。
色合いが異なり、細部も違うが似たような容姿同士、他の者がいれば姉妹なのではと思う人がいてもおかしくはない。
だがしかし、姉妹ではなく…オリジナルと、情報不足のコピー品と言うべきだろうか。
【---】
黒き女神が手を上げれば、ピンクの女神の方も同じように動く。
足りない部分があるゆえにうり二つの動きとはいかないが、大体の部分が同じだろう。
黒き女神自身が動けば、ピンクの女神も動く。
動きを合わせ、確認するかのように観察しあい、ある程度の数をこなしたところで…切り替える。
黒き女神が身に纏う、黒い衣装。
その一部が靄となり、ピンクの女神を包み込む。
姿が似ていたとしても、ここまでは同じではないようで、対応した動きをせずにおとなしく、捕縛された。
直接捕らえ、感じ取ったそのありよう。
神の力そのものだからこそ、写し取られた相手のものが伝わりやすい。
しばし考え…そのやり方は、女神の力そのもので行うべきではないと判断し、逃げないようにしつつすっと力そのものは意識の奥底へと戻るのであった…
「…んっ、何か違和感が…って、え!?何これどういう状況なの!?」
…力の持ち主自身が大混乱に陥るのは知ったことではないが。
これが最適な方法だと思っても、実際には全く適していなかったり、事前に調べて確実にあると思っていたら、実際にはすでに更地になっていたりなど、よくあることだという言葉で片づけたくはないが、そういうことは多々あるものだ。
ただ、だからこそ都合の悪いことのほうが多いと感じやすくなる理由にもなるのだろうが…そんなことは、彼女にはどうでもよかった。
真夜中、ふと、ベッドから身を起こしたハル…いや、黒き女神。
ハル自身の意識は今、夢の中で眠っており、動いたのは女神としての力そのもの。
何かを感じ取り女神の体へとすぐさま身を転じ、窓を開け、外に飛び出し空に浮かぶ。
本日の天候は、あいにくの曇り空のため、地上から星々を見ることは叶わないだろう。
だが、そうではない場所…雲の上であれば、星々は見える。
空に浮かびながら黒き女神が手を伸ばしたのは、一つの星。
すると、その星々の中から、女神に手を伸ばされた先にあったひときわ明るく輝く星が動いた。
違う、星ではない。
星々の明かりに紛れていたが、その実態は星々よりもはるかに地上に近い位置に存在していたもの。
何かに導かれるように動き、流星となって突き進み…女神の前に、その姿を現した。
そこにいたのは、ピンクの輝くを放つ人型の姿。
もしもこの光景を見ていたものたちがいれば、その容姿に対してある印象を抱いただろう。
宝石のように輝いていたり、ところどころ原石のままのようだが、黒き女神に似た姿。
お互いに同じ高さに浮遊し、目を合わせる。
色合いが異なり、細部も違うが似たような容姿同士、他の者がいれば姉妹なのではと思う人がいてもおかしくはない。
だがしかし、姉妹ではなく…オリジナルと、情報不足のコピー品と言うべきだろうか。
【---】
黒き女神が手を上げれば、ピンクの女神の方も同じように動く。
足りない部分があるゆえにうり二つの動きとはいかないが、大体の部分が同じだろう。
黒き女神自身が動けば、ピンクの女神も動く。
動きを合わせ、確認するかのように観察しあい、ある程度の数をこなしたところで…切り替える。
黒き女神が身に纏う、黒い衣装。
その一部が靄となり、ピンクの女神を包み込む。
姿が似ていたとしても、ここまでは同じではないようで、対応した動きをせずにおとなしく、捕縛された。
直接捕らえ、感じ取ったそのありよう。
神の力そのものだからこそ、写し取られた相手のものが伝わりやすい。
しばし考え…そのやり方は、女神の力そのもので行うべきではないと判断し、逃げないようにしつつすっと力そのものは意識の奥底へと戻るのであった…
「…んっ、何か違和感が…って、え!?何これどういう状況なの!?」
…力の持ち主自身が大混乱に陥るのは知ったことではないが。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,941
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる