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Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~
ver.6.0-64 筋肉盛り増し
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―――まさかまさかの、実父らしい筋肉のプレイヤー。
なぜそこにいるのかはわからないが、ひとまで黒き女神状態を解除しておく。
「ほほう、それなりの数がいるな若きプレイヤーたちよ!!んんぅ?そこの者は見たことがあるような…まさか、我が息子か!!」
「ああ、こりゃもう間違いないか。父さんか…」
アルケディア・オンラインのプレイヤーのアバターは多少現実とは異なる部分があるはずだが…それでもすぐに見抜いた時点で、父なのは確定しただろう。
青葉巌。父にして熱血漢にして筋肉男にして…うん、要は暑苦しい人である。
「あー、ハルさんのお父さんか…え?マジで?なんか、似ていない気がするんだけど」
「女神の姿になれる男の父親は優男のようなイメージをしていたが、こんな筋肉ダルマが親に?」
「わかるわかる、初対面の人は確実にそんなイメージを持つよね」
中三病さんとドクターリリエルが鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたが、しっかりわかっているミーちゃんはうんうんとうなずきながらそうつぶやく。
「ふはははは!まさかここで息子に会えるとは、この父、歓喜!!おっと、まだ息子に教えていなかったな。ここでの父のプレイヤーは、『マッスルバーン』!!筋肉神の加護を授かりし、筋肉の伝道者として、正しき筋肉を広めているのだぁぁ!!」
むきぃっとポーズを取りながらそう口にする父、マッスルバーン。
こう見えていくつかのジムを経営していたりと、しっかりと筋肉以外のこともやっているのだが…いかんせん、筋肉ダルマ過ぎて暑苦しい。
「いやいや、そこはどうでもいいとして、何でここにいるの!?母さんやトーカと一緒じゃないの!?」
「二人とも今、プチ旅行中でログインしていないからな!!ここには、ある目的でやってきただけだぁ!!」
「となると、やっぱりレイドボスに対抗できる惑星破壊ミサイルを狙って…」
「違う!!この古代都市、『マッスルシティ』に眠る伝説のダンベルを探しに来たのだ!!」
「「「「…ミサイルじゃなくて、ダンベル?」」」」
マッスルバーン曰く、どうやらここに来たのはミサイルが目的ではなく、別クエストに存在しているアイテムを狙ってのことらしい。
こういう古代都市群には謎解き要素の迷路があったりするのだが、そういうものを父は苦手としており…そこで、無理やりどうにかして進むために、自力で地中を掘り進みまくって、いままで探索していたようだ。
しかしながら、あのシードたちの変異したモンスター、デボスミサイラーが地上に出ようと動いたことで、地下の崩落が起きたらしく、埋もれてしまった。
それでも根性で掘り進み、地上へ帰還したところだったようである。
【デッボミサァァッ!!】
「って、そうだった!!まだあいつがいたんだった!!こっちに気が付いちゃった!!」
大声過ぎる会話ゆえに気が付き、咆哮をあげるデボスミサイラー。
放置するなと言いたげでかつ、すぐさまこちらを潰す気満々で動き始める。
「見れば見るほど惜しいな、あのモンスターは。あれだけの筋肉の足、正しき道を歩めるはずだが、悪しき道へ落ちたようで…筋肉を悪用するとは許せぬ!!息子とその友達たちよ、何か事情があって戦いづらいと見た。ここは、このマッスルバーンに任せよ!!」
僕らの消耗具合を見ただけで察したのか、改めてデボスミサイラーに向き直るマッスルバーン。
「はぁぁぁぁ!!相手が巨大であれば、こちらもそれに応じた力で答えようぞ!!『筋肉大解放』!!」
ごごごごごっと音を立て、見る見る間にマッスルバーンの肉体が筋肉で膨張し、大きくなっていく。
「さぁ、敵も味方もめをかっぽじてよーくみよ!!これぞ、剛力、怪力、万力!!筋肉の神に加護を受けしものが、筋肉を捧げるために鍛え上げた筋肉の力よ!!ビィィィッグマッスルモォォォォド!!」
膨張した筋肉が鎧のようになり、身にまとわりつく。
その姿はまるでスーパーロボットのような存在感を醸しつつも、その中身は全て筋肉という異質な姿。
あまりの変貌ぶりにあっけにとられるが、ここで一つ、気になったところもあった。
「え?加護?筋肉の神になるスキルとかじゃなくて?」
「ふはははっ!!甘い、甘いぞ息子よ!!筋肉の神になるスキルは、確かに存在している。だがしかし、神、すなわちその力は頂点の立場にあり、その座にある筋肉では向上が見込みづらくなる!!ゆえに、神の座を得ずに、神を超えし筋肉を捧げるために、加護の程度で抑えているのだぁぁぁ!!」
まさかの筋肉神ではないパターンの、巨大筋肉ダルマ。
しかし、ある意味納得がいく説明のような…いや、神を超える筋肉ってそもそも何なのか。
「真面目に考えないほうが良いってやつか…」
とにもかくにも、ここはおとなしく傍観と守りに徹したほうが良いだろう。
巨大ミサイル植物化け物と筋肉の化け物の対決。
これはこれで、どんな対戦だとツッコミを入れたくなるのを我慢するのであった…
「筋肉の力で巨大化か…一体、どれほどの鍛錬をハルさんの父親は積んでいるのか」
「あの人、寝込んでいても筋トレ一筋だからなぁ…」
…この状況下では頼もしくもあるが、身内としては何とも言えない複雑な気持ちにもなるだろう。
なぜそこにいるのかはわからないが、ひとまで黒き女神状態を解除しておく。
「ほほう、それなりの数がいるな若きプレイヤーたちよ!!んんぅ?そこの者は見たことがあるような…まさか、我が息子か!!」
「ああ、こりゃもう間違いないか。父さんか…」
アルケディア・オンラインのプレイヤーのアバターは多少現実とは異なる部分があるはずだが…それでもすぐに見抜いた時点で、父なのは確定しただろう。
青葉巌。父にして熱血漢にして筋肉男にして…うん、要は暑苦しい人である。
「あー、ハルさんのお父さんか…え?マジで?なんか、似ていない気がするんだけど」
「女神の姿になれる男の父親は優男のようなイメージをしていたが、こんな筋肉ダルマが親に?」
「わかるわかる、初対面の人は確実にそんなイメージを持つよね」
中三病さんとドクターリリエルが鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたが、しっかりわかっているミーちゃんはうんうんとうなずきながらそうつぶやく。
「ふはははは!まさかここで息子に会えるとは、この父、歓喜!!おっと、まだ息子に教えていなかったな。ここでの父のプレイヤーは、『マッスルバーン』!!筋肉神の加護を授かりし、筋肉の伝道者として、正しき筋肉を広めているのだぁぁ!!」
むきぃっとポーズを取りながらそう口にする父、マッスルバーン。
こう見えていくつかのジムを経営していたりと、しっかりと筋肉以外のこともやっているのだが…いかんせん、筋肉ダルマ過ぎて暑苦しい。
「いやいや、そこはどうでもいいとして、何でここにいるの!?母さんやトーカと一緒じゃないの!?」
「二人とも今、プチ旅行中でログインしていないからな!!ここには、ある目的でやってきただけだぁ!!」
「となると、やっぱりレイドボスに対抗できる惑星破壊ミサイルを狙って…」
「違う!!この古代都市、『マッスルシティ』に眠る伝説のダンベルを探しに来たのだ!!」
「「「「…ミサイルじゃなくて、ダンベル?」」」」
マッスルバーン曰く、どうやらここに来たのはミサイルが目的ではなく、別クエストに存在しているアイテムを狙ってのことらしい。
こういう古代都市群には謎解き要素の迷路があったりするのだが、そういうものを父は苦手としており…そこで、無理やりどうにかして進むために、自力で地中を掘り進みまくって、いままで探索していたようだ。
しかしながら、あのシードたちの変異したモンスター、デボスミサイラーが地上に出ようと動いたことで、地下の崩落が起きたらしく、埋もれてしまった。
それでも根性で掘り進み、地上へ帰還したところだったようである。
【デッボミサァァッ!!】
「って、そうだった!!まだあいつがいたんだった!!こっちに気が付いちゃった!!」
大声過ぎる会話ゆえに気が付き、咆哮をあげるデボスミサイラー。
放置するなと言いたげでかつ、すぐさまこちらを潰す気満々で動き始める。
「見れば見るほど惜しいな、あのモンスターは。あれだけの筋肉の足、正しき道を歩めるはずだが、悪しき道へ落ちたようで…筋肉を悪用するとは許せぬ!!息子とその友達たちよ、何か事情があって戦いづらいと見た。ここは、このマッスルバーンに任せよ!!」
僕らの消耗具合を見ただけで察したのか、改めてデボスミサイラーに向き直るマッスルバーン。
「はぁぁぁぁ!!相手が巨大であれば、こちらもそれに応じた力で答えようぞ!!『筋肉大解放』!!」
ごごごごごっと音を立て、見る見る間にマッスルバーンの肉体が筋肉で膨張し、大きくなっていく。
「さぁ、敵も味方もめをかっぽじてよーくみよ!!これぞ、剛力、怪力、万力!!筋肉の神に加護を受けしものが、筋肉を捧げるために鍛え上げた筋肉の力よ!!ビィィィッグマッスルモォォォォド!!」
膨張した筋肉が鎧のようになり、身にまとわりつく。
その姿はまるでスーパーロボットのような存在感を醸しつつも、その中身は全て筋肉という異質な姿。
あまりの変貌ぶりにあっけにとられるが、ここで一つ、気になったところもあった。
「え?加護?筋肉の神になるスキルとかじゃなくて?」
「ふはははっ!!甘い、甘いぞ息子よ!!筋肉の神になるスキルは、確かに存在している。だがしかし、神、すなわちその力は頂点の立場にあり、その座にある筋肉では向上が見込みづらくなる!!ゆえに、神の座を得ずに、神を超えし筋肉を捧げるために、加護の程度で抑えているのだぁぁぁ!!」
まさかの筋肉神ではないパターンの、巨大筋肉ダルマ。
しかし、ある意味納得がいく説明のような…いや、神を超える筋肉ってそもそも何なのか。
「真面目に考えないほうが良いってやつか…」
とにもかくにも、ここはおとなしく傍観と守りに徹したほうが良いだろう。
巨大ミサイル植物化け物と筋肉の化け物の対決。
これはこれで、どんな対戦だとツッコミを入れたくなるのを我慢するのであった…
「筋肉の力で巨大化か…一体、どれほどの鍛錬をハルさんの父親は積んでいるのか」
「あの人、寝込んでいても筋トレ一筋だからなぁ…」
…この状況下では頼もしくもあるが、身内としては何とも言えない複雑な気持ちにもなるだろう。
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