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第10章 偶然で幸運な巡り合せ
No,109 これは運命の出会い?
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【これは大学3年のお話】
いよいよその日がやって来た。
(無事会えるだろうか?)
こう言う事にはトラブルも多いと聞いて覚悟もしている。でも、手紙の印象からの春川さんには良いイメージしかない。
僕なんてぶっきらぼうな白便せんだったのに、春川さんは淡いグリーンに葉っぱのイラストの入った爽やかな便せんと封筒を使ってくれた。
今後も文通欄を利用するなら、僕も文房具屋さんに行ってちゃんとレターセットを選ばなくちゃだなと教えられた。
さあ、出掛ける準備は出来た。家でうろうろしていても無意味だから、早めに家を出る事にした。
(とにかくドキドキする。時間つぶしなんてしていられない)
待ち合わせの△△駅は僕の住んでいる○○区の代表的な駅で、うちの最寄り駅からも直ぐのところだ。
(早めに行って待ってよう。その方がわくわくして楽しいかも♪)
待ち合わせの時間より20分も早く着いた。待ち合わせの場所に向かってずんずん進む。
(あれ?)
グリーンのストライプのシャツが遠目に見える。僕はそこを目指して歩き続けた。
(もしかして春川さん?)
あ、絶対にそうだ。年格好が一致している。嬉しくなって、僕は少し早足になった。
向こうも僕に気付いたかな?
(あ……れ?)
僕の心臓が早くなる。
その人は、よく知っている人だった。
(…………ルカ、ルカなの?)
向こうも立ち尽くしたまま、呆気に取られたように僕を見ている。
(はるかわ……は・ルカ・わ?)
「ええっ?ルカ?」
そこに立っているストライプのシャツのその人は、紛れもなくルカだった。
(そうか、こう言う事が起こり得るんだ……)
そして僕は瞬時に思った。この偶然のめぐり逢いを大切にしたい!って。
僕はルカの瞳から目を離さず、出来るだけ自然を心掛けてあいさつした。
「……ルカ、おはよう」
「キノちゃん?……え?
あ、歴野さんってまさか?」
「はい、歴野です。レキノだからキノちゃん。そっちはハルカワだからルカなんだよね?何だか僕たち、発想が似ていたね?
夏生……」
ルカの顔が真っ赤になった。
「またいきなり呼び捨てか」
(あ!また怒って顔赤くなってる?)
「ごめんごめん!でも、夏生って可愛い名だね。ルカより似合ってるよ?
な・つ・き♪」
夏生は益々、耳まで真っ赤にしてそっぽを向いた。
「り、理久なんて変な名前!」
(あれ?また怒らせちゃったな。どうして僕はいつもルカってか、夏生を怒らせてばっかりいるんだろう)
駅の雑踏の中に立ち尽くす二人。夏生は今日もご機嫌ななめ。
僕は戸惑いながら夏生の顔を覗き込んだ。
「もしかして夏生って、家族や友達からナッキーって呼ばれてた?」
夏生は(え?)ってな顔をして僕の目を見た。
「な、なんでそんなこと知ってるんだよ?!」
「てか、夏生だったら愛称は大概、ナッキーじゃない?」
「……うん、まあ、子供の時からそう呼ばれてるけど……」
「そうか。だったら僕もこれからはナッキーって呼ぼうかな?」
「ええ~っ」
って、あれ?予想以上に困り顔?
僕は祈るように心で思った。
(笑って?ナッキー……)
いよいよその日がやって来た。
(無事会えるだろうか?)
こう言う事にはトラブルも多いと聞いて覚悟もしている。でも、手紙の印象からの春川さんには良いイメージしかない。
僕なんてぶっきらぼうな白便せんだったのに、春川さんは淡いグリーンに葉っぱのイラストの入った爽やかな便せんと封筒を使ってくれた。
今後も文通欄を利用するなら、僕も文房具屋さんに行ってちゃんとレターセットを選ばなくちゃだなと教えられた。
さあ、出掛ける準備は出来た。家でうろうろしていても無意味だから、早めに家を出る事にした。
(とにかくドキドキする。時間つぶしなんてしていられない)
待ち合わせの△△駅は僕の住んでいる○○区の代表的な駅で、うちの最寄り駅からも直ぐのところだ。
(早めに行って待ってよう。その方がわくわくして楽しいかも♪)
待ち合わせの時間より20分も早く着いた。待ち合わせの場所に向かってずんずん進む。
(あれ?)
グリーンのストライプのシャツが遠目に見える。僕はそこを目指して歩き続けた。
(もしかして春川さん?)
あ、絶対にそうだ。年格好が一致している。嬉しくなって、僕は少し早足になった。
向こうも僕に気付いたかな?
(あ……れ?)
僕の心臓が早くなる。
その人は、よく知っている人だった。
(…………ルカ、ルカなの?)
向こうも立ち尽くしたまま、呆気に取られたように僕を見ている。
(はるかわ……は・ルカ・わ?)
「ええっ?ルカ?」
そこに立っているストライプのシャツのその人は、紛れもなくルカだった。
(そうか、こう言う事が起こり得るんだ……)
そして僕は瞬時に思った。この偶然のめぐり逢いを大切にしたい!って。
僕はルカの瞳から目を離さず、出来るだけ自然を心掛けてあいさつした。
「……ルカ、おはよう」
「キノちゃん?……え?
あ、歴野さんってまさか?」
「はい、歴野です。レキノだからキノちゃん。そっちはハルカワだからルカなんだよね?何だか僕たち、発想が似ていたね?
夏生……」
ルカの顔が真っ赤になった。
「またいきなり呼び捨てか」
(あ!また怒って顔赤くなってる?)
「ごめんごめん!でも、夏生って可愛い名だね。ルカより似合ってるよ?
な・つ・き♪」
夏生は益々、耳まで真っ赤にしてそっぽを向いた。
「り、理久なんて変な名前!」
(あれ?また怒らせちゃったな。どうして僕はいつもルカってか、夏生を怒らせてばっかりいるんだろう)
駅の雑踏の中に立ち尽くす二人。夏生は今日もご機嫌ななめ。
僕は戸惑いながら夏生の顔を覗き込んだ。
「もしかして夏生って、家族や友達からナッキーって呼ばれてた?」
夏生は(え?)ってな顔をして僕の目を見た。
「な、なんでそんなこと知ってるんだよ?!」
「てか、夏生だったら愛称は大概、ナッキーじゃない?」
「……うん、まあ、子供の時からそう呼ばれてるけど……」
「そうか。だったら僕もこれからはナッキーって呼ぼうかな?」
「ええ~っ」
って、あれ?予想以上に困り顔?
僕は祈るように心で思った。
(笑って?ナッキー……)
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