56 / 84
悪役令嬢
悪役令嬢の憂鬱
しおりを挟む
「お前との婚約は破棄する!」
バカ王子は私を指さしながらのたまわりました。
はあ、私は頭を抱えた。
これで何回目だろう。
こいつの頭を開いてみてみたい。
「忘れたのかしら。
私と結婚しないと、あなたは次の王様にはなれないの」
これは舞踏会場の誰もが知る事実である。
「えっ……」
えっ、って、本当に忘れていたようなんで始末が悪い。
こんなのでも、顔だけはいいので、言い寄ってくる女は数知れず。
その都度コロリとたぶらかされて現在に至る。
「まったく、今度は誰なの?」
「オットー伯爵の次女」
「モットー伯爵でしょ。
ほら、帰るわよ」
王子は記憶を維持できない病気なのだ。
一年前の暑い日、馬車の事故以来になる。
それ以前のことはしっかり覚えているのに、この一年のことは一時間で忘れてしまう。
..元々は聡明な王子だった。
いずれ回復するだろうという淡い期待を込め、それまではフォローできるようにと私に英才教育が受けている。
貴族家の次女・三女にはそんな理屈はどうでもいい。
王子と結婚出来れば王族の一員として迎えられるのだ。
こうして、群がるハエを追い払いながら、私は悪戦苦闘を強いられている。
私は王子を愛している。
いつか病気が治った時には、よくやったなと頭を撫でてほしい。
そのためなら悪役にだってなんにだってなってやろうじゃないの!
バカ王子は私を指さしながらのたまわりました。
はあ、私は頭を抱えた。
これで何回目だろう。
こいつの頭を開いてみてみたい。
「忘れたのかしら。
私と結婚しないと、あなたは次の王様にはなれないの」
これは舞踏会場の誰もが知る事実である。
「えっ……」
えっ、って、本当に忘れていたようなんで始末が悪い。
こんなのでも、顔だけはいいので、言い寄ってくる女は数知れず。
その都度コロリとたぶらかされて現在に至る。
「まったく、今度は誰なの?」
「オットー伯爵の次女」
「モットー伯爵でしょ。
ほら、帰るわよ」
王子は記憶を維持できない病気なのだ。
一年前の暑い日、馬車の事故以来になる。
それ以前のことはしっかり覚えているのに、この一年のことは一時間で忘れてしまう。
..元々は聡明な王子だった。
いずれ回復するだろうという淡い期待を込め、それまではフォローできるようにと私に英才教育が受けている。
貴族家の次女・三女にはそんな理屈はどうでもいい。
王子と結婚出来れば王族の一員として迎えられるのだ。
こうして、群がるハエを追い払いながら、私は悪戦苦闘を強いられている。
私は王子を愛している。
いつか病気が治った時には、よくやったなと頭を撫でてほしい。
そのためなら悪役にだってなんにだってなってやろうじゃないの!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる