小さなベイビー、大きな野望

春子

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sideアルミン

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リーサが襲われた。
慌てて保健室に向かうと、そこには、まるで蜘蛛の糸が目に張り付いてるように見えた。だが、アルミンの目には更に、その糸から漏れ出す、黒くてもやもやとした何かが見えた。
回りは慌ただしく、リーサは直ぐに病院に運ばれていく。
残っていた児童は、急遽、保護者の迎えが必要になり、迎えに来た保護者から、帰宅した。
「まま。」
「アルミン!!」
コルルは、アルミンを抱き締める。リーサが襲われたと聞いたコルルの心中は、不安が広がる。
「リーサのおめめ、見えないって。」
「お医者さんが治してくれるわ。」
「リーサのおめめから黒くて、もやもやしたものが見えたの。そのもやもやがね。なんだか、とっても嫌なの。」
「黒いもやもや?」
コルルはアルミンに目を合わせる。アルミンは、ロッシュヴォークの血をより濃く、受け継いだ子。見極める力が秀でてる。
「あれが、きっと、リーサのおめめを隠してるの。」
「アルミン。あなた、それをパパに言える?」
「うん!」
直ぐに帰宅する。

ギルベルトは、姪のことを聞いており、アニマが吼えたことも知った。なんて卑劣なと腹立たしく、思っていると、息子が話し始めた。
「糸の隙間から、黒いもやもやが出てくるの。あのままだとリーサを食べちゃう。」
「アルミン。それは、煙みたいな感じか?」
「うーん。そうかな。」
アルミンが自分の目でこんな感じだと告げる。
「ガルガンズがね、体の中で、暴れてるの。そのもやもやがリーサの目から下に行こうとするとね。ガルガンズの魔力が動くの。」
「ガルガンズの魔力が?」
「うん。間違いないよ。黒いもやもやは目から動こうとしてるけど、ガルガンズが邪魔してる。だからいけないの!」
ギルベルトはもしやと仮説をたてた。
だとすれば、最悪である。
仮説があえば、それは、呪いだ。
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