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勇者の出生の秘密を知りました。
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爆弾発言を落とし、魔王は続けた。
『話は聞かせてもらったが。この勇者が異世界よりゼンショーを連れて来た、とのことだったな。ただの人間の身で次元移動など耐えられるものか。ましてや往復など。天界より多大なる加護のあるゼンショーならともかく、肉体が内部より崩壊して死ぬ』
そういえば、出逢った時から、テオはかなり弱っていた。
……戻って来た時は、鼻血も流していたな。
そこまでのダメージを負うほどのことだったのか。
しばらくしたら復活していたから、かなり疲労する程度で、そこまで危険なことではないと思っていた。
……さりげなく、俺が天界から加護がある、と言われた気がする。
やはり寺の生まれで、毎日拝んでいたから、御仏様に護られているのだろうか?
それはありがたい。
◆◇◆
テオは魔王から何か思い当たることはあるか、と訊かれて。
『俺は……屋敷の外に棄てられていたそうだ。身元がわかるものは何も無かったらしい』
テオはそのままその屋敷の主に引き取られた。
長男はもう成人して家を出ていたので、次男として可愛がられて育てられてきたという。
赤茶の毛は、このエリノアでは珍しいものだったが。
ルクレティアなどでは普通に見られる色なので、その辺の流れ者の子だろうと思われていたそうだ。
『子供時代は、至って普通のやんちゃな子供でしたよ』
レオナルドと国王が頷いて。
ワルターが更に続けた。
『魔力が高い以外は、変わりは無かった』
しかし魔王には、魔力の匂いでわかったらしい。
人間とは違う、異質なものだという。
『おそらく、人間との混血で。生まれた時点では魔力がなく、ただの人間だと思われ、人間界に棄てられたのだろう。だが、現在の貴様からは人間とは思えぬほどの魔力を感じるぞ。力が、目覚めかけておる。……何かあったか? 覚醒を促す出来事が』
テオはしばらく悩んで。
はっと気付いたように、こっちを見た。
『初めて、人を愛した』
な。
何を言っている。
『ふむ。伴侶を得ると、本能が目覚めるとは聞く。睦み合えば合うほど、覚醒する可能性は高い。……どうした? 顔が赤いぞゼンショー。風邪か?』
「……問題ない」
熱くなった顔を、手で覆う。
『じゃあ、いっぱい睦み合おうか!』
やけに明るい声で。
テオが、俺の手を引いた。
◆◇◆
しかし、そのカラ元気は、テオの屋敷に入るまでだった。
『……俺が半分人間じゃないって聞いて、引いた?』
だいぶ沈んでいる。
それも仕方なかろう。
突然自分が人間ではないと断言され、その生まれを知ったのだ。
テオの緑色の瞳。
よく見ると、虹彩に金色が散っている。
『俺が召喚術で死ななかったのも、いつの間にか怪我が治ってたのも。てっきり善正の側にいた影響だと思ってた……』
そういえば、迎えに来た時は傷だらけだったが。いつの間にか治っていた。
MPやHPと同様に、ちょっとした怪我くらいなら寝れば治るのかと思っていた。
しかし、巨人との戦いで、まだ療養中の者もいる。
ゲームとは違うということを失念していた。
自分に与えられた力に、まだ現実感がないからか?
ベッドに、並んで座った。
レオナルドや国王と一緒に、ワルターから剣術を教わって。
楽しい子供時代だったという。
『俺、騎士の試験でさ。魔力が桁違いなのがわかって。力も強くて。最年少で勇者になったわけ』
「そうか」
『俺を引き取ってくれた父さん母さんも大喜びでさ。頑張った成果だねって。……でも、それは、俺が人間じゃなかったからなんだな』
「努力をしない怠惰な人間に、力はつかない。腐らせるだけだ」
俯こうとするテオの唇に、自分の唇を重ねる。
「おまえはあの召喚術が、命を落とすほどの危険なものと覚悟した上で、俺を迎えに来たんだろう? 自分が死なないと、知ってたわけではないのに」
もう一度。押し付けるように。
「おまえは立派な勇者だ。正体が何であろうが、テオはテオだ」
何も変わらない。
『善正……』
鼻をつまんでやる。
「責任、とってくれるんだろう? 俺の伴侶になりたいなら、そんなしょぼい顔は二度とするな」
ファーストキスだったのだ。
きちんと責任を取ってもらわないとな。
◆◇◆
お互い、裸になって。
テオの。
こうしてまじまじと見るのは、初めてかもしれない。
ほぼ入ってる状態しか知らなかったというのも何だが。
テオの陰茎は、すでに臨戦状態で。
腹を打ちそうなほど反り返っている。
赤黒く、血管が浮いていて。先端からは透明な液体が滲み出ている。
体格も違う日本人と較べてはいけないのかもしれないが。
長さも大きさも見たことがないサイズだ。
「大きいな」
よくこんなものが入ったものだ。
裂けずに。痛みもなく。
香油をたっぷり使ったというが。不思議な感じだ。
掴んでみると、熱くて、太い。
どくどく脈打っている。生きている証。
上下に扱いてみる。
『え、ちょ、待っ……、』
「うぷ、」
びちゃっ、と口元にかかった。
「前に、容器に保存してみてはと提案したが。……やはり経口は遠慮したい」
じっくり味わいたいものではないな。
『スミマセン……』
テオは小さくなった。怒った訳ではないのだが。
『話は聞かせてもらったが。この勇者が異世界よりゼンショーを連れて来た、とのことだったな。ただの人間の身で次元移動など耐えられるものか。ましてや往復など。天界より多大なる加護のあるゼンショーならともかく、肉体が内部より崩壊して死ぬ』
そういえば、出逢った時から、テオはかなり弱っていた。
……戻って来た時は、鼻血も流していたな。
そこまでのダメージを負うほどのことだったのか。
しばらくしたら復活していたから、かなり疲労する程度で、そこまで危険なことではないと思っていた。
……さりげなく、俺が天界から加護がある、と言われた気がする。
やはり寺の生まれで、毎日拝んでいたから、御仏様に護られているのだろうか?
それはありがたい。
◆◇◆
テオは魔王から何か思い当たることはあるか、と訊かれて。
『俺は……屋敷の外に棄てられていたそうだ。身元がわかるものは何も無かったらしい』
テオはそのままその屋敷の主に引き取られた。
長男はもう成人して家を出ていたので、次男として可愛がられて育てられてきたという。
赤茶の毛は、このエリノアでは珍しいものだったが。
ルクレティアなどでは普通に見られる色なので、その辺の流れ者の子だろうと思われていたそうだ。
『子供時代は、至って普通のやんちゃな子供でしたよ』
レオナルドと国王が頷いて。
ワルターが更に続けた。
『魔力が高い以外は、変わりは無かった』
しかし魔王には、魔力の匂いでわかったらしい。
人間とは違う、異質なものだという。
『おそらく、人間との混血で。生まれた時点では魔力がなく、ただの人間だと思われ、人間界に棄てられたのだろう。だが、現在の貴様からは人間とは思えぬほどの魔力を感じるぞ。力が、目覚めかけておる。……何かあったか? 覚醒を促す出来事が』
テオはしばらく悩んで。
はっと気付いたように、こっちを見た。
『初めて、人を愛した』
な。
何を言っている。
『ふむ。伴侶を得ると、本能が目覚めるとは聞く。睦み合えば合うほど、覚醒する可能性は高い。……どうした? 顔が赤いぞゼンショー。風邪か?』
「……問題ない」
熱くなった顔を、手で覆う。
『じゃあ、いっぱい睦み合おうか!』
やけに明るい声で。
テオが、俺の手を引いた。
◆◇◆
しかし、そのカラ元気は、テオの屋敷に入るまでだった。
『……俺が半分人間じゃないって聞いて、引いた?』
だいぶ沈んでいる。
それも仕方なかろう。
突然自分が人間ではないと断言され、その生まれを知ったのだ。
テオの緑色の瞳。
よく見ると、虹彩に金色が散っている。
『俺が召喚術で死ななかったのも、いつの間にか怪我が治ってたのも。てっきり善正の側にいた影響だと思ってた……』
そういえば、迎えに来た時は傷だらけだったが。いつの間にか治っていた。
MPやHPと同様に、ちょっとした怪我くらいなら寝れば治るのかと思っていた。
しかし、巨人との戦いで、まだ療養中の者もいる。
ゲームとは違うということを失念していた。
自分に与えられた力に、まだ現実感がないからか?
ベッドに、並んで座った。
レオナルドや国王と一緒に、ワルターから剣術を教わって。
楽しい子供時代だったという。
『俺、騎士の試験でさ。魔力が桁違いなのがわかって。力も強くて。最年少で勇者になったわけ』
「そうか」
『俺を引き取ってくれた父さん母さんも大喜びでさ。頑張った成果だねって。……でも、それは、俺が人間じゃなかったからなんだな』
「努力をしない怠惰な人間に、力はつかない。腐らせるだけだ」
俯こうとするテオの唇に、自分の唇を重ねる。
「おまえはあの召喚術が、命を落とすほどの危険なものと覚悟した上で、俺を迎えに来たんだろう? 自分が死なないと、知ってたわけではないのに」
もう一度。押し付けるように。
「おまえは立派な勇者だ。正体が何であろうが、テオはテオだ」
何も変わらない。
『善正……』
鼻をつまんでやる。
「責任、とってくれるんだろう? 俺の伴侶になりたいなら、そんなしょぼい顔は二度とするな」
ファーストキスだったのだ。
きちんと責任を取ってもらわないとな。
◆◇◆
お互い、裸になって。
テオの。
こうしてまじまじと見るのは、初めてかもしれない。
ほぼ入ってる状態しか知らなかったというのも何だが。
テオの陰茎は、すでに臨戦状態で。
腹を打ちそうなほど反り返っている。
赤黒く、血管が浮いていて。先端からは透明な液体が滲み出ている。
体格も違う日本人と較べてはいけないのかもしれないが。
長さも大きさも見たことがないサイズだ。
「大きいな」
よくこんなものが入ったものだ。
裂けずに。痛みもなく。
香油をたっぷり使ったというが。不思議な感じだ。
掴んでみると、熱くて、太い。
どくどく脈打っている。生きている証。
上下に扱いてみる。
『え、ちょ、待っ……、』
「うぷ、」
びちゃっ、と口元にかかった。
「前に、容器に保存してみてはと提案したが。……やはり経口は遠慮したい」
じっくり味わいたいものではないな。
『スミマセン……』
テオは小さくなった。怒った訳ではないのだが。
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