奪われた婚約から、奪わない国をつくりました

「お姉様の婚約は、私がいただきますわ」

そう告げられた日、すべてが奪われた。

王太子との婚約。
王妃になるはずだった未来。
築いてきた立場。

義妹に婚約を奪われ、社交界から静かに退いた公爵令嬢アイリス。

誰も幸せになれなかったその選択の後、彼女が選んだのは――争わないこと。

王宮を奪い返すのでも、復讐するのでもない。
代わりに彼女は、港町で“揺れない制度”をつくり始める。

例外なし。
遅延なし。
特別扱いなし。

ただ積み上げるだけの約束が、やがて王国を支える土台になっていく。

一方、婚約を奪った義妹と王太子は、王宮という守る側に立つことになる。

奪う物語ではなく、積み上げる物語。

王妃の冠よりも重いものとは何か。

静かに、しかし確実に重心が移っていく王国で、それぞれが選ぶ“幸せのかたち”とは――。

婚約破棄から始まる、復讐ではない逆転劇。
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