悪役令嬢の天然メイドは壺といっしょに婚約者の侯爵家を壊してしまいました

「わたくしは何もしておりませんよ?」

――そう言いながら、我が家の天然メイドは壺を割りました。

そして出てきたのは、婚約者レオンハルト・フォン・グラーフェンベルク侯爵の不正帳簿。

悪役令嬢と呼ばれる公爵令嬢ヴィオレッタは、もともと気に入らない政略婚約を結ばされていただけ。 ところが、天然メイド・エルマの“うっかり”が、隠されていた横領と帳簿改ざんを白日の下にさらしてしまいます。

壺を割る。 額縁を落とす。 なぜか隠し書類が出てくる。

本人は本気で無自覚。 けれど結果は致命的。

やがて証拠は王宮へ届き、侯爵家は爵位褫奪、屋敷は封印。

転ぶのはいつも、慢心のほうでした。

「あなたはよくやってくれました」 「お給金は増えます?」 「もちろん。でも失敗による損失は引きますわよ」 「がーん!」 「冗談ですわ。もう損失を支払う相手はいませんから」

天然災害系メイド×静かな悪役令嬢の、 事故から始まる爽快婚約破棄劇。

壊れたのは壺ではなく、侯爵家でした。
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