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【媚薬】から目醒めたら
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「フィン、これはどういうことだ!?」
フィンさんはせせら笑い、小馬鹿にしたように話し始めた。
「思ったより来るのが早かったな、アレク」
「·····」
「よほどこの餌が魅力的と見える」
アレクはフィンさんの言葉に答える様子はなく、怒りがフツフツと湧き上がっているように見える。
「ティア·フローレンスを早く解放しろ!」
アレクは荒々しく怒鳴るけれど、フィンさんは更に私の右手を捻り上げる。
額には嫌な汗が滲み、だんだん目が霞んでくる。
「なあアレク、俺の質問に答えろよ。それに、そう簡単に解放すると思うな」
「くっ!」
「【媚薬】を飲んだ感想は?」
「······【媚薬】?なんのことだ」
「お前、生徒会室で紅茶を飲んだだろ?その時に【媚薬】を盛ったんだよ。【媚薬】の効果でこの女のことが好きでたまらなかったはずだ。どう?自覚はあるんだろう?」
「······そういうことか······僕は知らずに【媚薬】を飲まされていたのか」
そう言うとアレクはしばらく考え込み、胸元に手を当てた。
「あれは夢ではなく現実だったということか。なるほど、やっと繋がった」
アレクはひどく安堵したような顔をしてこちらを見た。
「それで?お前の気持ちを言ってみろよ」
アレクはその顔に不敵な笑みを浮かべた。
「礼を言う、フィン。お前には感謝しなければいけない」
「はあ?感謝って、お前何言ってんの」
「【媚薬】を飲まなければ、ティア·フローレンスとまともに話すことさえできなかったんだから。その点から見れば【媚薬】を盛られて良かったと言える。それにあの【媚薬】は最高で、ティア·フローレンスが非常に美しく、女神のように見えるんだ。いや、目醒めてもその美しさは全く変わらなかった。というよりも、更に美しくてその可愛らしさは筆舌に尽くし難く······」
うわあぁぁ!
何言ってんの、アレク!いや、生徒会長。
お願いだから、もうやめてーー!
削られる、精神が何かに蝕まれてゆく。
恥ずかしいを通り越して、魂が抜けそうである。
フィンさんは呆れ果てて、「バカらしいからもうイイ」と言い、アレクの話を途中で遮った。
アレクはまだまだ話し足りないようで、「ティア·フローレンスの事なら永遠に話していられるというのに」と、とんでもないことを口走り、残念そうに腕を組んだ。
フィンさんはせせら笑い、小馬鹿にしたように話し始めた。
「思ったより来るのが早かったな、アレク」
「·····」
「よほどこの餌が魅力的と見える」
アレクはフィンさんの言葉に答える様子はなく、怒りがフツフツと湧き上がっているように見える。
「ティア·フローレンスを早く解放しろ!」
アレクは荒々しく怒鳴るけれど、フィンさんは更に私の右手を捻り上げる。
額には嫌な汗が滲み、だんだん目が霞んでくる。
「なあアレク、俺の質問に答えろよ。それに、そう簡単に解放すると思うな」
「くっ!」
「【媚薬】を飲んだ感想は?」
「······【媚薬】?なんのことだ」
「お前、生徒会室で紅茶を飲んだだろ?その時に【媚薬】を盛ったんだよ。【媚薬】の効果でこの女のことが好きでたまらなかったはずだ。どう?自覚はあるんだろう?」
「······そういうことか······僕は知らずに【媚薬】を飲まされていたのか」
そう言うとアレクはしばらく考え込み、胸元に手を当てた。
「あれは夢ではなく現実だったということか。なるほど、やっと繋がった」
アレクはひどく安堵したような顔をしてこちらを見た。
「それで?お前の気持ちを言ってみろよ」
アレクはその顔に不敵な笑みを浮かべた。
「礼を言う、フィン。お前には感謝しなければいけない」
「はあ?感謝って、お前何言ってんの」
「【媚薬】を飲まなければ、ティア·フローレンスとまともに話すことさえできなかったんだから。その点から見れば【媚薬】を盛られて良かったと言える。それにあの【媚薬】は最高で、ティア·フローレンスが非常に美しく、女神のように見えるんだ。いや、目醒めてもその美しさは全く変わらなかった。というよりも、更に美しくてその可愛らしさは筆舌に尽くし難く······」
うわあぁぁ!
何言ってんの、アレク!いや、生徒会長。
お願いだから、もうやめてーー!
削られる、精神が何かに蝕まれてゆく。
恥ずかしいを通り越して、魂が抜けそうである。
フィンさんは呆れ果てて、「バカらしいからもうイイ」と言い、アレクの話を途中で遮った。
アレクはまだまだ話し足りないようで、「ティア·フローレンスの事なら永遠に話していられるというのに」と、とんでもないことを口走り、残念そうに腕を組んだ。
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