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137. ビックリ仰天

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 女騎士アナ·アナシアの回想は終わり、本題に戻る事にする。

 時は戻り、アレンと姫は、サンアリに紹介してもらい、遂に、『鉄血の乙女』と対面を果たした。

「『鉄血の乙女』の皆様、こちらが『犬の肉球』団長のアレン殿です!」
 と、サンアリが、『鉄血の乙女』を紹介してくれる。

『鉄血の乙女』の皆さんは、何故 俺が、話しをしたいのか謎のようだが、サンアリの紹介なので、温かく迎えてくれた。

「アナです。お初にお目にかかります」

「エーサクです」

「ビー子だよ!」

「クモくも!」

『鉄血の乙女』の皆さんが、怖い見た目と違い、とても礼儀正しく挨拶してきたので、俺も礼儀正しく挨拶する。

「アレンです! 『犬の肉球』の幼少組の団長をやらせて貰ってます!」

「ガブリエル·ゴトウ·ツェペシュなのです。
 マスターの性奴隷になる事を目指しているのです!」

 姫の発言に、アナさんとエーサクさんの顔が引き攣る。

「そうなんだ~」

 ビー子さんだけは、何の疑いも無く納得してくれたようだ。
 しかし、姫のせいで、いきなり気まずくなってしまった。

「……」

 暫く気まず過ぎて、言葉を発する事ができないでいると、
「え……アレン殿が、何か、『鉄血の乙女』の皆さんに、聞きたい事があるんでしたよね!」
 と、サンアリが、俺達に見兼ねて、助け舟を出してくれた。

 しかし、どう切り出すか……

 あまりに、雰囲気が悪すぎて、メリルの事を切り出すタイミングが分からない。
 タイミングどころか、まだ何も話してないし……

 これは、正攻法で話すしかないか。
 もし、メリルの事を教えてくれなかったら、『全知全能君』に頼むだけだしな。

「単刀直入に聞きます。メリルに会わせて下さい!」

 俺は90度のお辞儀をして、『鉄血の乙女』の皆さんに、お願いする。

『鉄血の乙女』の皆さんが、固まる。

 まさか俺の口から、メリルの話が出てくるとは思わなかったのだろう。

『鉄血の乙女』の皆さんが、円になりヒソヒソ話を始める。

『どういう事? メリル師匠の事を聞いてくるのは、ガブリエル様じゃなかったの?』

『メリル様は、姫様が、自分の事を聞いて来た場合、居場所を教えても良いと言ってたけど、何で『犬の肉球』のアレン君が、メリル様の事を聞いてくるんだろ?』

『姫ちゃんは、アレンちゃんの性奴隷だからじゃないのぉ~』

『ていうか、ガブリエル様とアレン君って、どんな関係なのよ?』

『力関係でいうと、どうやらアレン君の方が上のようですけど……』

『そしたら、メリル師匠の事は話したほうがいいよね。
 言わなかったら、さっきの『ドックファイト』みたいに、潰されちゃうわ!』

『だけど、メリル様は、ガブリエル様以外には、絶対に居場所を教えてはならないと、言ってましたよ……』

『姫ちゃんに、聞いてみればいいんだよぉ~』

『ウ~ン……確かに……』

『エー君、聞いてみてよ!』

『ぼ……僕が聞くんですか?』

『だって、エー君は、私の主君でしょ!
 相手は『漆黒の森』の女王様なのよ!
 ここは、どう考えてもエー君の出番だよ!』

『ご主人様、がんばれぇ~』

『がんばるクモ!』

 どうやら、話は纏まったようだ。
 近くにいるので、ダダ漏れだけど……

「あの……ガブリエル様……」

「姫で良い。妾の考えはマスターと同じゃ!
 メリルの元に、案内せよ!」

 エーサクさんの話を被せるように、姫が、『漆黒の森』の女王バージョンの話し方で、命令する。

「「「御意!」」」

『鉄血の乙女』の皆さんが、平服しながら返事をした。
 どうやら、姫の【魅了】スキルが、効いているようである。

「で、メリルはどこにいるんだ?」
 俺も、姫に乗っかって、少しだけ偉そうな態度で聞いてみる。

「メリル師匠は、世界樹のダンジョンにおります!」
 ブリジアにデコピンされてた、女騎士のアナさんが答える。
 どうやらメリルは、世界樹のダンジョンという所に居るようだ。

「エーサクさん、もしかして悪魔族なので【影渡り】スキルが使えるますか?」
 俺は鑑定スキルで確認済みなのだが、知らない素振りで、エーサクさんに確認する。

「持ってます」

「そのスキルで、メリルの影に渡れますか?」

「一応、渡れますけど、緊急の時しか、渡る事を許可されてません」

「そしたら、姫がメリルに会いにくるとでも言って、【影渡り】スキルで、今からメリルの所に行って下さい」

「行く事は出来ますけど、それからどうするんですか?」

「その後、僕達が、エーサクさんの影を使って、メリルの元に行きますから!」

「エッ! 何でアレン君達が、僕の影を使えるんですか?」

 エーサクさんは、ビックリしているようだ。

「既に、エーサクさん達は、姫の【魅了】によって、俺達の支配下に入ってますからね」

「そ……そうなんですか……
 同じような事を、一度、センコーさんにやられているので驚きませんよ……」

 センコーが、誰か知らないが、飲み込みが早いのは良い事だ。

「マスター! センコーはサンアリの甥っ子なのです!」

 俺の心を読んで、姫が、センコーについて教えてくれる。

「フーン。甥っ子という事は、マンコーの娘か息子?」

「娘なのです!」

「そうか、マンコーの娘で、センコーか……まあ、兎に角、エーサクさん、メリルの所に行って下さい。
 その時、くれぐれも、姫だけが会いに行くと言って下さいよ!
 決して、僕の事は黙っていて下さい!
 もし言ったら、分かってますね?」

 姫が、その場で禍々しく赤黒い闘気を発する。

「分かってますよ! 姫様は、メリルさんより、ゴトウ族で立場が上なんですよね!
 メリルさんも、『姫様の命令は、私より上!』と、言ってたので、ちゃんと従いますよ!」

 エーサクは、冷や汗を流しながら、一生懸命話をした。

「よろしい。では、アナさんとクモさんは、【影渡り】スキルを持ってないようなので、特別に『鉄血の乙女』だけで使える
【影渡り】スキルを与えましょう!」

「そ……そんな事可能なのですか!」

 アナさんとエーサクさんが、ビックリ仰天して、驚いている。

「マスターなら、可能なのです!」

 何故か姫が、鼻高々で、400年前より たわわになった形の良い胸を、エッヘンと、反らしたのであった。
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