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5月ー3
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今年も結歌の誕生日が訪れて……
例の如く、5月に贈られた本を開いた。
対抗しちゃいましたっ!と渡されたその本は、花束の写真詩集で。
その花束達は、キミの笑顔みたいに鮮やかだった。
写真の隣には、出会えた事やあなたのおかげだという感謝の詩が綴られいて……
切なくなるほど、ズキリとするほど、幾度となく共感してきた。
そして見返しのメッセージには……
当時、目頭が熱くなるほど胸を打たれて。
幸せを感じながら、キミとの未来に心を突き動かされてたのに。
今となってはこの胸を、どうしょうもなく遣る瀬ない思いで締め付けられる。
《ありがとうのしるしに、メッセージ本を贈ります。
感動の誕生日をありがとう。
何もかもが嬉しすぎて、心の中は嬉し涙のどしゃぶりですっ。←カツオ醤油さんの名言を引用しました(笑)
改めて、たくさんの幸せをありがとね。
最っ高のラブレターも感激でした。
キザなんて言っちゃったけど、ほんとはもう本気でキュン死しちゃいそうでした!
クレープ美味しかったね。
カフェごっこも楽しかったね。
でもそんな食べ物の胃袋だけじゃなく……
道哉の愛の胃袋はちゃんと満たされてますか?
その容量は大きいですかっ?
安心して下さい!
私の愛情は、何回満腹にさせてもお釣りが来るはずですっ。
愛情ハングリーにはさせません。
失くした分まで、いっぱいいっぱい注ぎます。
そして消化されて、道哉の頑張るエネルギーになりたいです。
道哉の愛も、私のエネルギーになってるよっ。
このWエネルギーで~~?
2人の夢に向かって頑張ろーね!》
「結歌っ……
誕生日、おめでとう」
キミは今、どこでどんな今日を過ごしてる?
どんな夢を描いてる?
その笑顔は曇ってないかな。
少しは俺の事も、思い出したりしてるかな。
もし思い出してくれてるなら……
ー愛情ハングリーにはさせません!ー
もうペコペコだから、早く戻って来いよ。
なんて、あの時キミを拒絶しといて勝手だよな……
マリちゃんには、同窓会って名目で結歌の実家に探りを入れてもらってるけど。
相変わらず居場所は掴めなくて……
こう何年も姿をくらませてるなんて、もう戻って来ないつもりなのか?
それとも、戻れない理由が他にあるのか?
もしくは、何処かで幸せに暮らしてるのか……
こうやってキミに辿り着けないまま、少しずつ思い出せない事も増えてって……
例えば、俺のラブレターをキザだって笑ったキミに何て言葉を返したのかも。
その後の記憶も曖昧で、他の思い出と被ったり。
鮮やかだった思い出は、じわじわと色褪せて。
モノクロの時間は、想いを奪う事は出来なくても……
思い出をさらってく。
何度もメッセージ本を読み返したり、必死に記憶を辿っても……
抗えない。
あんなに忘れたかったのに、今は忘れないように頑張ってるなんて……
なんなんだろうな。
たまにキミの名前を叫びたくなる。
届く筈もないのに、ただ無性に。
あと何カ月、何年……
いったいどれだけ、こんな日々が繰り返されるんだろうっ……
なぁ結歌……
俺はとっくに、必要ない?
例の如く、5月に贈られた本を開いた。
対抗しちゃいましたっ!と渡されたその本は、花束の写真詩集で。
その花束達は、キミの笑顔みたいに鮮やかだった。
写真の隣には、出会えた事やあなたのおかげだという感謝の詩が綴られいて……
切なくなるほど、ズキリとするほど、幾度となく共感してきた。
そして見返しのメッセージには……
当時、目頭が熱くなるほど胸を打たれて。
幸せを感じながら、キミとの未来に心を突き動かされてたのに。
今となってはこの胸を、どうしょうもなく遣る瀬ない思いで締め付けられる。
《ありがとうのしるしに、メッセージ本を贈ります。
感動の誕生日をありがとう。
何もかもが嬉しすぎて、心の中は嬉し涙のどしゃぶりですっ。←カツオ醤油さんの名言を引用しました(笑)
改めて、たくさんの幸せをありがとね。
最っ高のラブレターも感激でした。
キザなんて言っちゃったけど、ほんとはもう本気でキュン死しちゃいそうでした!
クレープ美味しかったね。
カフェごっこも楽しかったね。
でもそんな食べ物の胃袋だけじゃなく……
道哉の愛の胃袋はちゃんと満たされてますか?
その容量は大きいですかっ?
安心して下さい!
私の愛情は、何回満腹にさせてもお釣りが来るはずですっ。
愛情ハングリーにはさせません。
失くした分まで、いっぱいいっぱい注ぎます。
そして消化されて、道哉の頑張るエネルギーになりたいです。
道哉の愛も、私のエネルギーになってるよっ。
このWエネルギーで~~?
2人の夢に向かって頑張ろーね!》
「結歌っ……
誕生日、おめでとう」
キミは今、どこでどんな今日を過ごしてる?
どんな夢を描いてる?
その笑顔は曇ってないかな。
少しは俺の事も、思い出したりしてるかな。
もし思い出してくれてるなら……
ー愛情ハングリーにはさせません!ー
もうペコペコだから、早く戻って来いよ。
なんて、あの時キミを拒絶しといて勝手だよな……
マリちゃんには、同窓会って名目で結歌の実家に探りを入れてもらってるけど。
相変わらず居場所は掴めなくて……
こう何年も姿をくらませてるなんて、もう戻って来ないつもりなのか?
それとも、戻れない理由が他にあるのか?
もしくは、何処かで幸せに暮らしてるのか……
こうやってキミに辿り着けないまま、少しずつ思い出せない事も増えてって……
例えば、俺のラブレターをキザだって笑ったキミに何て言葉を返したのかも。
その後の記憶も曖昧で、他の思い出と被ったり。
鮮やかだった思い出は、じわじわと色褪せて。
モノクロの時間は、想いを奪う事は出来なくても……
思い出をさらってく。
何度もメッセージ本を読み返したり、必死に記憶を辿っても……
抗えない。
あんなに忘れたかったのに、今は忘れないように頑張ってるなんて……
なんなんだろうな。
たまにキミの名前を叫びたくなる。
届く筈もないのに、ただ無性に。
あと何カ月、何年……
いったいどれだけ、こんな日々が繰り返されるんだろうっ……
なぁ結歌……
俺はとっくに、必要ない?
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