43 / 54
王宮 リサside
しおりを挟む
初めて来る王宮。
煌びやかでとっても素敵な場所だった。
男爵家なんて比にならない。
ここにいるとあたしは本物のお姫様になったような気がした。
「リサ。この部屋を使うといい。」
エイドリアン様はあたしに部屋を用意してくれた。
「わぁ~!とっても嬉しいですっ!ありがとうございますエイドリアン様っ!」
私は大げさに喜んでみせた。
こうすれば大体の男の人はあたしに好感を抱く。
あたしは王都に行ってたくさんの貴族令息と関わるようになってから彼らがどのような女性を好むのかを理解するようになった。
まず貴族令息の婚約者の大体は貴族令嬢だ。
貴族令嬢というのは淑女教育がされていて滅多に笑うことはないし、はしゃぐこともない。
だからこそあたしのような貴族令嬢とは真逆な女の子は新鮮で好かれる。
貴族の令嬢は婚約者からプレゼントを贈られても「ありがとうございます。」と微笑むだけ。
しかしあたしは違う。
大げさに喜び、感動したように見せるのだ。
そうすることでもっとこの子に何かあげたいと男性は思うようになる。
あとは表情をクルクル変えることだ。
貴族令嬢は表情を変えない教育をされている。
高位貴族であればあるほどその教育は厳しいものとなる。
だからあたしは貴族令息の前では表情をクルクル変えてみせた。
そんなことをしていると大体の貴族令息はあたしに惚れ込んでくれた。
それであたしはここまで成り上がった。
あたしはエイドリアン様と結婚するんだ。
そして王妃になる。
この国で最も高貴な女性になるのよ!
この時のあたしは自分が王妃になれると信じて疑わなかった。
それからエイドリアン様はあたしを溺愛した。
あたしが欲しいと言ったものは何でも買ってくれるし、行きたいと言ったところはどこでも連れて行ってくれた。
あぁ、最高だわ―
これこそがあたしの望んでいた生活よ!
さすが王家という感じで、男爵家と比べ物にならないほどドレスや宝石を買ってくれた。
あたしが着飾るとエイドリアン様は頬を染めて褒めてくれるし、王宮にいた執事や男性の文官もあたしの可愛らしい容姿に惚れ込んでいるようだった。
その時にあたしはエイドリアン様の弟である第二王子のシャルル様と王宮の廊下で偶然出会った。
エイドリアン様よりかは劣るが、シャルル様もかなり美しい部類に入る。
何よりこの人はエイドリアン様よりも優秀らしい。
シャルル様は将来有望間違いなしの男だった。
あたしはシャルル様のそこに魅力を感じ、今まで貴族令息やエイドリアン様に接するときと同じように話しかけた。
「初めましてッ!シャルル様!あたし、リサって言います!エイドリアン様とは親しくさせていただいています!」
あたしは精一杯愛想を振りまいた。
しかしシャルル様はエイドリアン様のようにあたしに対して頬を染めたりはしなかった。
それどころか、ひどい言葉を投げかけてきたのだ。
「お前が兄上が寵愛していると噂の平民女か?随分とマナーがなっていないな。王宮へ上がるならもう少しマナーや礼儀を身に着けてからにしたらどうだ?それでは兄上の名に傷がつくぞ。」
シャルル様は冷たい声で言い放った。
「なっ・・・!」
男性にこんなにキツく言われたのは初めてだった。
何よこいつ!腹立つわね!
あたしは目の前にいる第二王子に怒りを覚えた。
こいつ・・・あたしが王妃になったら処刑してやる!
あたしはそれ以来第二王子を嫌悪するようになった。
王宮に住んでからしばらく経った時、エイドリアン様は完全にあたしにメロメロになっていた。
「リサ。」
そう言って頬を染め、優しく微笑んでくれる。
もうエイドリアン様はあたしのものってかんじ?
しかし問題があった。
それが、エイドリアン様には婚約者がいたことだ。
ローラン公爵家の令嬢でエレンという名前の女性らしい。
ローラン公爵家といえば勉強嫌いのあたしでも知ってるほどの家門だ。
エイドリアン様はそのご令嬢との婚約を白紙にすると言ってくれた。
嬉しかった。
あたしはついに貴族最高位の公爵令嬢に勝ったのだ。
そしてエイドリアン様はあたしと一緒にいる時に婚約者であるエレン様を王宮に呼び寄せ婚約解消を告げた。
その時のエレン様の絶望した顔は面白かったわ!
きっと本気でエイドリアン様のこと好きだったんでしょうね。
まあエイドリアン様は無能だけど顔と地位だけは一級品だし?
後で聞いた話だけどエイドリアン様とエレン様は婚約者候補として何年も一緒にいたらしいわ。
これだけエイドリアン様に尽くしてきたのに、最後は捨てられちゃうだなんて可哀そう~。
この時のあたしは完全にエレン様のことを見下していた。
しかし、ある日を境に異変が起き始めた。
あたしが部屋でくつろいでいると、突然矢が飛んできたのだ。
「キャアッ!」
何なの?
何で矢が・・・?
誰かがあたしの命を狙っているの・・・?
思い当たる人物は一人しかいない。
きっとあの女よ・・・!
エレン・ローラン
あの女しかありえない!
エイドリアン様があたしを選んだことを根に持ってこんなことをしてきたんだわ・・・!
なんて陰湿な女!
あんたがエイドリアン様に選ばれなかったのは魅力が無かったからでしょうに!
あたしはエイドリアン様に泣きついた。
きっとエレン様がこんなことをしたのだろうと。
そうしたらエイドリアン様は怒ってローラン公爵家へ抗議に行くと言ってくれた。
暗殺者を雇ったのがエレン様であるという証拠はなかったが、もし間違ってたとしてもエイドリアン様が勝手にやったことだと言えばいいだろう。
エイドリアン様は王子なんだし!
公爵家の令嬢を冤罪で罵倒したくらいでは罪に問われないだろう。
この時のあたしはそう思っていた。
しかし、ローラン公爵家から帰ってきたエイドリアン様の様子が何だか変だった。
抗議に行く前のような怒りは一切感じられなかったし、どこか穏やかな顔をしていた。
何なのかしら・・・?
そう思っていたら、エイドリアン様が突然とんでもないことを言いだした。
王太子の座を下りて平民になるから、僕と結婚してくれと。
あたしはその時冗談じゃないと思った。
せっかく手に入れたこの悠々自適な暮らしを手放すの?
王太子じゃないあんたに興味なんてないのよ!
あたしは怒りに任せ、エイドリアン様を罵倒した。
エイドリアン様はショックを受けたような顔をしていたが、気にしなかった。
そしてあたしは荷物をまとめて王宮を出て行った。
王宮での暮らしは最高だったが、あれが夫では将来苦労の連続だろう。
私はそう思い、エイドリアン様を見限ることにした。
大丈夫、私は美しいのだから。
この先男なんていくらでも見つかるはずだ。
この時の私はそう信じて疑わなかった―
煌びやかでとっても素敵な場所だった。
男爵家なんて比にならない。
ここにいるとあたしは本物のお姫様になったような気がした。
「リサ。この部屋を使うといい。」
エイドリアン様はあたしに部屋を用意してくれた。
「わぁ~!とっても嬉しいですっ!ありがとうございますエイドリアン様っ!」
私は大げさに喜んでみせた。
こうすれば大体の男の人はあたしに好感を抱く。
あたしは王都に行ってたくさんの貴族令息と関わるようになってから彼らがどのような女性を好むのかを理解するようになった。
まず貴族令息の婚約者の大体は貴族令嬢だ。
貴族令嬢というのは淑女教育がされていて滅多に笑うことはないし、はしゃぐこともない。
だからこそあたしのような貴族令嬢とは真逆な女の子は新鮮で好かれる。
貴族の令嬢は婚約者からプレゼントを贈られても「ありがとうございます。」と微笑むだけ。
しかしあたしは違う。
大げさに喜び、感動したように見せるのだ。
そうすることでもっとこの子に何かあげたいと男性は思うようになる。
あとは表情をクルクル変えることだ。
貴族令嬢は表情を変えない教育をされている。
高位貴族であればあるほどその教育は厳しいものとなる。
だからあたしは貴族令息の前では表情をクルクル変えてみせた。
そんなことをしていると大体の貴族令息はあたしに惚れ込んでくれた。
それであたしはここまで成り上がった。
あたしはエイドリアン様と結婚するんだ。
そして王妃になる。
この国で最も高貴な女性になるのよ!
この時のあたしは自分が王妃になれると信じて疑わなかった。
それからエイドリアン様はあたしを溺愛した。
あたしが欲しいと言ったものは何でも買ってくれるし、行きたいと言ったところはどこでも連れて行ってくれた。
あぁ、最高だわ―
これこそがあたしの望んでいた生活よ!
さすが王家という感じで、男爵家と比べ物にならないほどドレスや宝石を買ってくれた。
あたしが着飾るとエイドリアン様は頬を染めて褒めてくれるし、王宮にいた執事や男性の文官もあたしの可愛らしい容姿に惚れ込んでいるようだった。
その時にあたしはエイドリアン様の弟である第二王子のシャルル様と王宮の廊下で偶然出会った。
エイドリアン様よりかは劣るが、シャルル様もかなり美しい部類に入る。
何よりこの人はエイドリアン様よりも優秀らしい。
シャルル様は将来有望間違いなしの男だった。
あたしはシャルル様のそこに魅力を感じ、今まで貴族令息やエイドリアン様に接するときと同じように話しかけた。
「初めましてッ!シャルル様!あたし、リサって言います!エイドリアン様とは親しくさせていただいています!」
あたしは精一杯愛想を振りまいた。
しかしシャルル様はエイドリアン様のようにあたしに対して頬を染めたりはしなかった。
それどころか、ひどい言葉を投げかけてきたのだ。
「お前が兄上が寵愛していると噂の平民女か?随分とマナーがなっていないな。王宮へ上がるならもう少しマナーや礼儀を身に着けてからにしたらどうだ?それでは兄上の名に傷がつくぞ。」
シャルル様は冷たい声で言い放った。
「なっ・・・!」
男性にこんなにキツく言われたのは初めてだった。
何よこいつ!腹立つわね!
あたしは目の前にいる第二王子に怒りを覚えた。
こいつ・・・あたしが王妃になったら処刑してやる!
あたしはそれ以来第二王子を嫌悪するようになった。
王宮に住んでからしばらく経った時、エイドリアン様は完全にあたしにメロメロになっていた。
「リサ。」
そう言って頬を染め、優しく微笑んでくれる。
もうエイドリアン様はあたしのものってかんじ?
しかし問題があった。
それが、エイドリアン様には婚約者がいたことだ。
ローラン公爵家の令嬢でエレンという名前の女性らしい。
ローラン公爵家といえば勉強嫌いのあたしでも知ってるほどの家門だ。
エイドリアン様はそのご令嬢との婚約を白紙にすると言ってくれた。
嬉しかった。
あたしはついに貴族最高位の公爵令嬢に勝ったのだ。
そしてエイドリアン様はあたしと一緒にいる時に婚約者であるエレン様を王宮に呼び寄せ婚約解消を告げた。
その時のエレン様の絶望した顔は面白かったわ!
きっと本気でエイドリアン様のこと好きだったんでしょうね。
まあエイドリアン様は無能だけど顔と地位だけは一級品だし?
後で聞いた話だけどエイドリアン様とエレン様は婚約者候補として何年も一緒にいたらしいわ。
これだけエイドリアン様に尽くしてきたのに、最後は捨てられちゃうだなんて可哀そう~。
この時のあたしは完全にエレン様のことを見下していた。
しかし、ある日を境に異変が起き始めた。
あたしが部屋でくつろいでいると、突然矢が飛んできたのだ。
「キャアッ!」
何なの?
何で矢が・・・?
誰かがあたしの命を狙っているの・・・?
思い当たる人物は一人しかいない。
きっとあの女よ・・・!
エレン・ローラン
あの女しかありえない!
エイドリアン様があたしを選んだことを根に持ってこんなことをしてきたんだわ・・・!
なんて陰湿な女!
あんたがエイドリアン様に選ばれなかったのは魅力が無かったからでしょうに!
あたしはエイドリアン様に泣きついた。
きっとエレン様がこんなことをしたのだろうと。
そうしたらエイドリアン様は怒ってローラン公爵家へ抗議に行くと言ってくれた。
暗殺者を雇ったのがエレン様であるという証拠はなかったが、もし間違ってたとしてもエイドリアン様が勝手にやったことだと言えばいいだろう。
エイドリアン様は王子なんだし!
公爵家の令嬢を冤罪で罵倒したくらいでは罪に問われないだろう。
この時のあたしはそう思っていた。
しかし、ローラン公爵家から帰ってきたエイドリアン様の様子が何だか変だった。
抗議に行く前のような怒りは一切感じられなかったし、どこか穏やかな顔をしていた。
何なのかしら・・・?
そう思っていたら、エイドリアン様が突然とんでもないことを言いだした。
王太子の座を下りて平民になるから、僕と結婚してくれと。
あたしはその時冗談じゃないと思った。
せっかく手に入れたこの悠々自適な暮らしを手放すの?
王太子じゃないあんたに興味なんてないのよ!
あたしは怒りに任せ、エイドリアン様を罵倒した。
エイドリアン様はショックを受けたような顔をしていたが、気にしなかった。
そしてあたしは荷物をまとめて王宮を出て行った。
王宮での暮らしは最高だったが、あれが夫では将来苦労の連続だろう。
私はそう思い、エイドリアン様を見限ることにした。
大丈夫、私は美しいのだから。
この先男なんていくらでも見つかるはずだ。
この時の私はそう信じて疑わなかった―
181
あなたにおすすめの小説
婚約者の私を見捨てたあなた、もう二度と関わらないので安心して下さい
神崎 ルナ
恋愛
第三王女ロクサーヌには婚約者がいた。騎士団でも有望株のナイシス・ガラット侯爵令息。その美貌もあって人気がある彼との婚約が決められたのは幼いとき。彼には他に優先する幼なじみがいたが、政略結婚だからある程度は仕方ない、と思っていた。だが、王宮が魔導師に襲われ、魔術により天井の一部がロクサーヌへ落ちてきたとき、彼が真っ先に助けに行ったのは幼馴染だという女性だった。その後もロクサーヌのことは見えていないのか、完全にスルーして彼女を抱きかかえて去って行くナイシス。
嘘でしょう。
その後ロクサーヌは一月、目が覚めなかった。
そして目覚めたとき、おとなしやかと言われていたロクサーヌの姿はどこにもなかった。
「ガラット侯爵令息とは婚約破棄? 当然でしょう。それとね私、力が欲しいの」
もう誰かが護ってくれるなんて思わない。
ロクサーヌは力をつけてひとりで生きていこうと誓った。
だがそこへクスコ辺境伯がロクサーヌへ求婚する。
「ぜひ辺境へ来て欲しい」
※時代考証がゆるゆるですm(__)m ご注意くださいm(__)m
総合・恋愛ランキング1位(2025.8.4)hotランキング1位(2025.8.5)になりましたΣ(・ω・ノ)ノ ありがとうございます<(_ _)>
【完結】伯爵令嬢は婚約を終わりにしたい〜次期公爵の幸せのために婚約破棄されることを目指して悪女になったら、なぜか溺愛されてしまったようです〜
よどら文鳥
恋愛
伯爵令嬢のミリアナは、次期公爵レインハルトと婚約関係である。
二人は特に問題もなく、順調に親睦を深めていった。
だがある日。
王女のシャーリャはミリアナに対して、「二人の婚約を解消してほしい、レインハルトは本当は私を愛しているの」と促した。
ミリアナは最初こそ信じなかったが王女が帰った後、レインハルトとの会話で王女のことを愛していることが判明した。
レインハルトの幸せをなによりも優先して考えているミリアナは、自分自身が嫌われて婚約破棄を宣告してもらえばいいという決断をする。
ミリアナはレインハルトの前では悪女になりきることを決意。
もともとミリアナは破天荒で活発な性格である。
そのため、悪女になりきるとはいっても、むしろあまり変わっていないことにもミリアナは気がついていない。
だが、悪女になって様々な作戦でレインハルトから嫌われるような行動をするが、なぜか全て感謝されてしまう。
それどころか、レインハルトからの愛情がどんどんと深くなっていき……?
※前回の作品同様、投稿前日に思いついて書いてみた作品なので、先のプロットや展開は未定です。今作も、完結までは書くつもりです。
※第一話のキャラがざまぁされそうな感じはありますが、今回はざまぁがメインの作品ではありません。もしかしたら、このキャラも更生していい子になっちゃったりする可能性もあります。(このあたり、現時点ではどうするか展開考えていないです)
『二流』と言われて婚約破棄されたので、ざまぁしてやります!
志熊みゅう
恋愛
「どうして君は何をやらせても『二流』なんだ!」
皇太子レイモン殿下に、公衆の面前で婚約破棄された侯爵令嬢ソフィ。皇妃の命で地味な装いに徹し、妃教育にすべてを捧げた五年間は、あっさり否定された。それでも、ソフィはくじけない。婚約破棄をきっかけに、学生生活を楽しむと決めた彼女は、一気にイメチェン、大好きだったヴァイオリンを再開し、成績も急上昇!気づけばファンクラブまでできて、学生たちの注目の的に。
そして、音楽を通して親しくなった隣国の留学生・ジョルジュの正体は、なんと……?
『二流』と蔑まれた令嬢が、“恋”と“努力”で見返す爽快逆転ストーリー!
冷遇する婚約者に、冷たさをそのままお返しします。
ねむたん
恋愛
貴族の娘、ミーシャは婚約者ヴィクターの冷酷な仕打ちによって自信と感情を失い、無感情な仮面を被ることで自分を守るようになった。エステラ家の屋敷と庭園の中で静かに過ごす彼女の心には、怒りも悲しみも埋もれたまま、何も感じない日々が続いていた。
事なかれ主義の両親の影響で、エステラ家の警備はガバガバですw
お前との婚約は、ここで破棄する!
ねむたん
恋愛
「公爵令嬢レティシア・フォン・エーデルシュタイン! お前との婚約は、ここで破棄する!」
華やかな舞踏会の中心で、第三王子アレクシス・ローゼンベルクがそう高らかに宣言した。
一瞬の静寂の後、会場がどよめく。
私は心の中でため息をついた。
【完結】王妃はもうここにいられません
なか
恋愛
「受け入れろ、ラツィア。側妃となって僕をこれからも支えてくれればいいだろう?」
長年王妃として支え続け、貴方の立場を守ってきた。
だけど国王であり、私の伴侶であるクドスは、私ではない女性を王妃とする。
私––ラツィアは、貴方を心から愛していた。
だからずっと、支えてきたのだ。
貴方に被せられた汚名も、寝る間も惜しんで捧げてきた苦労も全て無視をして……
もう振り向いてくれない貴方のため、人生を捧げていたのに。
「君は王妃に相応しくはない」と一蹴して、貴方は私を捨てる。
胸を穿つ悲しみ、耐え切れぬ悔しさ。
周囲の貴族は私を嘲笑している中で……私は思い出す。
自らの前世と、感覚を。
「うそでしょ…………」
取り戻した感覚が、全力でクドスを拒否する。
ある強烈な苦痛が……前世の感覚によって感じるのだ。
「むしろ、廃妃にしてください!」
長年の愛さえ潰えて、耐え切れず、そう言ってしまう程に…………
◇◇◇
強く、前世の知識を活かして成り上がっていく女性の物語です。
ぜひ読んでくださると嬉しいです!
捨てられたなら 〜婚約破棄された私に出来ること〜
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
長年の婚約者だった王太子殿下から婚約破棄を言い渡されたクリスティン。
彼女は婚約破棄を受け入れ、周りも処理に動き出します。
さて、どうなりますでしょうか……
別作品のボツネタ救済です(ヒロインの名前と設定のみ)。
突然のポイント数増加に驚いています。HOTランキングですか?
自分には縁のないものだと思っていたのでびっくりしました。
私の拙い作品をたくさんの方に読んでいただけて嬉しいです。
それに伴い、たくさんの方から感想をいただくようになりました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただけたらと思いますので、中にはいただいたコメントを非公開とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきますし、削除はいたしません。
7/16 最終部がわかりにくいとのご指摘をいただき、訂正しました。
※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。
【完結】婚約破棄はしたいけれど傍にいてほしいなんて言われましても、私は貴方の母親ではありません
すだもみぢ
恋愛
「彼女は私のことを好きなんだって。だから君とは婚約解消しようと思う」
他の女性に言い寄られて舞い上がり、10年続いた婚約を一方的に解消してきた王太子。
今まで婚約者だと思うからこそ、彼のフォローもアドバイスもしていたけれど、まだそれを当たり前のように求めてくる彼に驚けば。
「君とは結婚しないけれど、ずっと私の側にいて助けてくれるんだろう?」
貴方は私を母親だとでも思っているのでしょうか。正直気持ち悪いんですけれど。
王妃様も「あの子のためを思って我慢して」としか言わないし。
あんな男となんてもう結婚したくないから我慢するのも嫌だし、非難されるのもイヤ。なんとかうまいこと立ち回って幸せになるんだから!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる