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辺境騒乱編
時を越える者と使役されし竜姫8
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倒す事が目的じゃなかったのだが、ここまで来ると倒したくなってくる。
「ここらで喰われておしまいでもいいんだが、あいつを倒してしまってもかまわんだろう?」
「はぁ、私達は見ているしかできませんのでお任せしますが......あれに勝てるのですか?」
「そりゃ、あれくらいならな。倒した所で次がやってくるわけだが、ここで戦いを見るのも経験の内だし、見ていると良い」
姿をかき消すような速度で跳躍したティンダロスの猟犬が俺に向かって飛び掛ってくる。
4メートル程の体長をした犬が襲い掛かってくるプレッシャーは相当なものだ。
ビュンと風を切って振るわれる鍵爪が地面を抉り取る。
「GOWWWWW」
穿たれた穴を見てローゼンシア達5人は愕然とする。
地面が腐食しているのだ。ドロドロに溶けた地面がグジュグジュと泡立ち、周囲を犯して広がっていく。
ティンダロスの猟犬が触れている場所全てが同様の状態になっている。
立っている場所すらグズグズと崩れ始めている。
「GURURURURU」
「今度はこちらの番だ。抵抗すら許されない攻撃は初めてかな?」
【影の手】【重力の鎖】
突如発生した重力に捕らわれてティンダロスの猟犬が地面に縫い付けられる。
ティンダロスの猟犬自身の影から沢山の手が伸び出し全身を拘束する。
「GWOOOO!」
抵抗する事も出来ず、影の手と重力によって縫いつけられたティンダロスの猟犬はジタバタともがくが、拘束が解かれる事は無い。
【聖なる断罪】 【魔力砲】
降り注ぐ光の柱が次々とティンダロスの猟犬を貫き、穴を穿っていく。
そこへ魔力で構成した巨大な砲弾を放つ。
【魔力砲】 【魔力砲】【魔力砲】
「GUOOOOOOOO!!」
魔力砲を連打してダメージを蓄積させていくと同時に、動く力を奪っていく。
体力を奪い尽くされたおかげで、動こうともしていない。
ここで俺の脳内に電流が走る。
あれ、これってテイムしたらどうなるんだろう?
悪魔的な閃きに従った俺はこの選択を考え付いた俺を褒めて欲しい。
『ティンダロスの猟犬をテイムしました』
やってしまった......この展開を誰が予想しただろうか?誰もいないだろう。
ティンダロスの猟犬に追跡を中止するように指示すると、帰還させた。
「用意した人形が無駄になっちまったな」
「ここまで圧倒的だと何に驚けばいいのか分からなくなりますわ」
呆れる様な表情を向けるローゼンシアと、それに同意するように頷く4人。
展開した異空間を解除した俺達は、元の空間に戻ってきた。
「ケイ様、その様子ですと何か別の方法で解決したようですね」
「本体は眠ったままだから、トラブルが起きて長引いているのかと思ったよ?」
イーリスとエリスに迎えられた俺達はこれからについて相談する事にした。
アイテムボックスに人形を収納した俺達は自分の体に意識を戻すと、打ち合わせを始める。
「約束通り、5人はケイ様に従います。この度は願いを叶えて頂きありがとうございました」
「そうですね。助けてもらったのは事実ですね......ありがとうございました」
「主共々世話になった。感謝している」
「その......ありがとうなのです。感謝してやるですよ」
「本来ならば殺しあう運命にあった吾々を救って頂き、ありがとうございました」
口々に礼を言う彼女達だったが、表に出て大々的に行動をされるとそれはそれで問題なので、辺境のモンスター達を統べる存在として裏で活躍してもらう事にする。
俺の計画を彼女達に伝えると、快く同意してくれた。
「この辺境の発展を足掛かりにして、大陸全土への影響力を高めていき、いずれは全ての奴隷達を解放する」
「私が作り上げた帝国でも実現する事が出来なかった事です。ケイ様がその目標を達成した時、これまで誰も成し得なかった偉業がこの世界に大きな波を起こす事になるでしょう」
彼女達5人もかつて同様の目標を夢見て行動したらしく、その表情は希望に満ち溢れていた。
新たな戦力を手に入れた俺は更なる飛躍を確信していた。
この後、新たに辺境で暮らすモンスター達を仲間に加えていった俺達は、リザードマン、アラクネ、ドライアドといった種族を味方に付けていった。
大きなコミュニティ同士が連携して大規模な拠点の設営に移っていった。
ローゼンシア達の統率能力は素晴らしく、その実力とカリスマで信頼を勝ち取ったようだ。
ここから辺境の開拓は倍以上の速度へ加速していく事になる。
こちらでの動きは彼女達へ任せて、俺は王都での行動を開始する事にした。
「ここらで喰われておしまいでもいいんだが、あいつを倒してしまってもかまわんだろう?」
「はぁ、私達は見ているしかできませんのでお任せしますが......あれに勝てるのですか?」
「そりゃ、あれくらいならな。倒した所で次がやってくるわけだが、ここで戦いを見るのも経験の内だし、見ていると良い」
姿をかき消すような速度で跳躍したティンダロスの猟犬が俺に向かって飛び掛ってくる。
4メートル程の体長をした犬が襲い掛かってくるプレッシャーは相当なものだ。
ビュンと風を切って振るわれる鍵爪が地面を抉り取る。
「GOWWWWW」
穿たれた穴を見てローゼンシア達5人は愕然とする。
地面が腐食しているのだ。ドロドロに溶けた地面がグジュグジュと泡立ち、周囲を犯して広がっていく。
ティンダロスの猟犬が触れている場所全てが同様の状態になっている。
立っている場所すらグズグズと崩れ始めている。
「GURURURURU」
「今度はこちらの番だ。抵抗すら許されない攻撃は初めてかな?」
【影の手】【重力の鎖】
突如発生した重力に捕らわれてティンダロスの猟犬が地面に縫い付けられる。
ティンダロスの猟犬自身の影から沢山の手が伸び出し全身を拘束する。
「GWOOOO!」
抵抗する事も出来ず、影の手と重力によって縫いつけられたティンダロスの猟犬はジタバタともがくが、拘束が解かれる事は無い。
【聖なる断罪】 【魔力砲】
降り注ぐ光の柱が次々とティンダロスの猟犬を貫き、穴を穿っていく。
そこへ魔力で構成した巨大な砲弾を放つ。
【魔力砲】 【魔力砲】【魔力砲】
「GUOOOOOOOO!!」
魔力砲を連打してダメージを蓄積させていくと同時に、動く力を奪っていく。
体力を奪い尽くされたおかげで、動こうともしていない。
ここで俺の脳内に電流が走る。
あれ、これってテイムしたらどうなるんだろう?
悪魔的な閃きに従った俺はこの選択を考え付いた俺を褒めて欲しい。
『ティンダロスの猟犬をテイムしました』
やってしまった......この展開を誰が予想しただろうか?誰もいないだろう。
ティンダロスの猟犬に追跡を中止するように指示すると、帰還させた。
「用意した人形が無駄になっちまったな」
「ここまで圧倒的だと何に驚けばいいのか分からなくなりますわ」
呆れる様な表情を向けるローゼンシアと、それに同意するように頷く4人。
展開した異空間を解除した俺達は、元の空間に戻ってきた。
「ケイ様、その様子ですと何か別の方法で解決したようですね」
「本体は眠ったままだから、トラブルが起きて長引いているのかと思ったよ?」
イーリスとエリスに迎えられた俺達はこれからについて相談する事にした。
アイテムボックスに人形を収納した俺達は自分の体に意識を戻すと、打ち合わせを始める。
「約束通り、5人はケイ様に従います。この度は願いを叶えて頂きありがとうございました」
「そうですね。助けてもらったのは事実ですね......ありがとうございました」
「主共々世話になった。感謝している」
「その......ありがとうなのです。感謝してやるですよ」
「本来ならば殺しあう運命にあった吾々を救って頂き、ありがとうございました」
口々に礼を言う彼女達だったが、表に出て大々的に行動をされるとそれはそれで問題なので、辺境のモンスター達を統べる存在として裏で活躍してもらう事にする。
俺の計画を彼女達に伝えると、快く同意してくれた。
「この辺境の発展を足掛かりにして、大陸全土への影響力を高めていき、いずれは全ての奴隷達を解放する」
「私が作り上げた帝国でも実現する事が出来なかった事です。ケイ様がその目標を達成した時、これまで誰も成し得なかった偉業がこの世界に大きな波を起こす事になるでしょう」
彼女達5人もかつて同様の目標を夢見て行動したらしく、その表情は希望に満ち溢れていた。
新たな戦力を手に入れた俺は更なる飛躍を確信していた。
この後、新たに辺境で暮らすモンスター達を仲間に加えていった俺達は、リザードマン、アラクネ、ドライアドといった種族を味方に付けていった。
大きなコミュニティ同士が連携して大規模な拠点の設営に移っていった。
ローゼンシア達の統率能力は素晴らしく、その実力とカリスマで信頼を勝ち取ったようだ。
ここから辺境の開拓は倍以上の速度へ加速していく事になる。
こちらでの動きは彼女達へ任せて、俺は王都での行動を開始する事にした。
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