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第2章

ずっと前から好きだった③★

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「カリーナっ……!?」

 カリーナがリンドを引き寄せ唇を重ねた。
 リンドはその事実を飲み込むまでに、しばらくかかった。

「あっ! 私ったら一体何を……申し訳ありませ……んんっ」

 ハッと我に返り唇を慌てて離そうとしたカリーナであったが、リンドの両手に頭を押さえつけられ、再び唇を重ねられた。

 噛み付く様な激しい口づけは、アレックスのそれとは大きく異なり、まるで獣の様だ。
 だがカリーナにはそれが懐かしい。
 リンドはカリーナに息継ぐ隙も与えず、自らの舌を激しく絡ませる。
 溢れかえる二人の唾液で口元が光る。

「んっ……」

 カリーナは唇を甘噛みされ、舌を激しく吸われ、頭がおかしくなりそうなほどであった。

「はぁ……っカリーナっ……」

 リンドも無我夢中で口付けを交わす。
 ずっと夢見ていたカリーナが目の前にいる。
 もう途中で離したりはしない。

「カリーナ、愛している……」

 リンドはカリーナの耳元で愛を囁くと、ペロリとカリーナの唇を舐めた。
 激しく吸われた唇は、ぽってりと真っ赤に腫れ上がり、ひどく魅惑的だ。

「なんと美しい……一年会わないうちに、さらに美しい女性になったな……」

 リンドはカリーナの長い黒髪をかきあげると、首筋に口付けた。

「んっ……」

 カリーナは反射的に目を瞑る。

「カリーナ……っカリーナ!」

 リンドは抑えきれなくなり、カリーナを抱き抱えると寝台まで連れて行き、ゆっくりとシーツの上に降ろした。

「あっ……リンド様、いけませんわ……」

 カリーナの脳裏に急にアレックスの顔が浮かぶ。
 このままではリンドと一線を超えてしまうだろう。
 そうなればもちろん、純潔を求める王家に嫁ぐことはできない。

 何より、アレックスに顔向けができない。
 自分から口付けておいて、何を今更という気もするが、あの行動にはカリーナ自身も驚いていた。

 (もう永遠に会えなくなるのだと思ったら、勝手に体が動いていたわ……)

 つまり、カリーナもまだリンドに少なからず未練があるのだ。
 人生で初めての燃えるような恋は、まだ心の奥深くで微かに残っていたのかもしれない。

「……すまない。ずっと恋焦がれていた。お前が以前のように俺のことを好きだとは思っていないのは、わかっている。だが受け入れてくれ……」

 リンドが苦しそうにそう呟く。
 カリーナはリンドの頬にそっと自身の手のひらを添えた。

「リンド様……」

 潤んだエメラルドの瞳が、カリーナを強く見つめる。

「愛している」

 リンドはカリーナを強く抱きしめ、ゆっくりと横たえる。
 カリーナはそれまで抵抗していた体の力を抜き、リンドの思いを受け入れた。
 そしてそれは、実はカリーナの願いでもあるのだということに気付いたのだった。

 
 カリーナの抵抗が無くなったことがわかると、リンドは腫れ物に触るかの様に、そっとカリーナのドレスと下着を下ろす。
 リンドは言葉が出なかった。
 顕になったのは、リンドの記憶より遥かに美しく扇状的な身体であったのだ。

 滑らかな曲線を描く体のラインは、1年前のそれよりもより一層大人の女性へと変化していた。
 空気に触れてツンと上を向いた薄桃色の頂が、リンドを誘う。

「カリーナ、なんと美しい……」

「あ……リンド様……その様に見ては恥ずかしいですわ……」

「この様に美しい体、見ないのは勿体ない」

 リンドはカリーナの首筋から胸元まで、口付けを落とす。

「ふふっくすぐったいですわ」

 カリーナは身をよじろうとするが、リンドの強い力で押さえつけられて動けない。
 その時、チクリとした鈍い痛みがカリーナを襲った。

「んっ痛っ……」

 リンドはカリーナの胸元に、印をつけていた。

「もうお前を二度と手放したくない」

 リンドの強い独占欲である。
 カリーナは嬉しかった。
 いつもどこか遠くを見ているような、全てが他人事の様な様子であったリンドが、ここまで自分の感情を曝け出すのは初めてだ。

「リンド様……嬉しい……」

 カリーナの目に涙が浮かぶ。

「泣くでない……私はお前の涙には弱いのだ」

 リンドはそう言ってカリーナの涙を拭うとそっと唇を重ね、そのまま手を降ろし柔らかな二つの膨らみへと到達した。

「きっとアレックスにも触れられたであろうな……」

 リンドは眉を下げる。

「……いや、すまない。何もかも俺が悪かったのに……」

「リンド様、こっちを見てください」

 カリーナは両手でリンドの顔を包み、自分の方に向けた。

「私は今あなた様だけを見ています」

 そう言ってカリーナは微笑む。

「カリーナ……っ」

 
 カリーナとリンドはお互いを求め合っていた。

「なんと可愛らしい……食べてしまいたい」

 リンドはカリーナの頂をギュッと指で摘む。
 その瞬間ビリビリとした刺激がカリーナを襲い、カリーナは仰け反ってしまう。

「あっ……!」

「感じてくれているのか。もっともっと感じて、俺だけでいっぱいになってくれ……カリーナ……愛しい人……」

 リンドは薄桃色の頂を口に含み、激しく吸い上げた。もう片方の膨らみを手で揉みしだく。

 「あっ! そんな激しくされては……はぁ……」

 カリーナが感嘆のため息を漏らす。
 舌で頂を転がしながら、もう片方の手で膨らみを揉みしだく。たちまち頂は真っ赤に腫れ上がる。

「あっいけませんっ……」

 カリーナはグッタリとするが、リンドは許してはくれない。

「達してしまったのかカリーナ。だがまだこれからだ」

 リンドはカリーナの頭を撫でると、そっと秘部へと手を伸ばす。
 そこは既に濡れていた。
 茂みを掻き分けていくと、一粒の蕾がその存在を主張している。

 「ここが苦しそうだ。楽にしてあげよう」

 リンドはそう言って秘部に指を1本ずつ挿入する。
 湿り気を帯びたそこは、ヌルヌルと指を受け入れ、更に蜜をこぼしている。
 ゆっくり指を出し入れすると、カリーナの敏感なところに擦れて刺激が増す。

「あっやめてくださいませ、おかしくなってしまう……」

 カリーナは足を閉じようと身をよじるが、リンドはそれを許さず指を2本に増やした。
 

「カリーナ、顔を見せてくれ。刺激で身体が辛いだろうが、すまない。まだまだお前を離してやることはできない」  

 リンドはそう言って、カリーナの体に口付けを落としていく。

「んっリンド様……」

 カリーナはそろりそろりと手を顔から離してリンドに従った。

「カリーナ……お前が欲しい。お前を俺のものにする許しをくれ……」

 いつの間にか衣服を脱ぎ捨てていたリンドのそこは、恐ろしいほどの欲望を孕んでいた。

「リンド様……」

 一線を超えてしまったら、もう二度と元には戻れない。
 カリーナも、もう城にはいられない。

 (……それでも、リンド様が欲しい)

 自然とそう思った自分にカリーナは驚いたが、腑に落ちた気がした。
 カリーナは全てを捨てる覚悟を決めた。
 人生で唯一の身を焦がすような恋に、全てを捧げる覚悟を。

「私を、あなたのものにしてください。リンド様……」

 
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