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【R18】帰り道にはご注意を
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薄暗い路地裏にその店はあった。
美優がその店を見つけたのはたまたまだ。
仕事の帰り道。ちょっとむしゃくしゃしたことがあり、どこか一人でも入れそうなバーがないかと探している最中に見つけた。
ふらっと入った店は大当たりで、お酒はもちろん料理も美味しかった。なにより、店の雰囲気がいい。人目につきにくい場所にあるせいか客は少なく、他人の目を気にする必要がない。それは他の客達も同じようで各々好きなように過ごしている。
一人酒を大いに楽しみ、満足した美優は会計を済ませて帰ろうとした。
その時になってようやくマスターの顔をまじまじと見た。心の余裕が無かったせいか全く気づかなかった。
マスターはちょっと見かけないくらいのイケメンだった。おそらく三十代前半くらいだろう。
こんな場所でなければマスター目当ての女性客が殺到してもっと店は繁盛していただろうに……いやだからこそこの場所なのか。
「ありがとうございました。……お帰りの際は、くれぐれも気を付けてくださいね」
「あ、はい」
外はすでに真っ暗だ。路地裏ということもあり女性が一人で歩くのは確かに危ないかもしれない。――――今度は誰かと一緒に来た方がいいかな。
「途中までお見送りしますよ」
「え?」
外を見ていると思いがけない言葉が聞こえてきて振り向いた。マスターは美優に微笑みかけ、カウンターから出て来る。そして、店内にいる客に向かって言った。
「少々席を外します。……皆様、いい子でお留守番しておいてくださいね」
その一言に、どこからか吹き出す声が聞こえ次いで客の一人が声を上げた。
「もちろん。いい子で待ってますって! マスターも送り狼にはならないようにね!」
美優はギョッと顔を強張らせてちらりとマスターを見上げたが、マスターの表情は変わらない。――――私もマスターくらい軽く流せるようになりたいなあ。
ちらりと会社での出来事が頭を過り嘆息した。
他の客たちがにこやかに二人を送り出す中、美優は何とも言えない気持ちで頭を下げて店を出た。
どうやらマスターは明るい道に出るまで送ってくれるつもりらしい。
美優は落ち着かずに何か話題をと口を開いた。
「あの、お酒も料理もすごく美味しかったです。お店の雰囲気も落ち着いていてすごく居心地がよかったです。……今日マスターの店を見つけられてラッキーでした」
「そう言ってもらえて嬉しいです。気に入ってもらえたならよかった。……うちは、ああいう場所に店を構えているものですから新規のお客さんはなかなかいらっしゃらないんです」
そうだろうなと思い頷き返す。マスターはふと足を止めた。つられて美優も足を止め、マスターを見上げる。
「なので、もしよければまたきてくださいね」
三日月をバックに微笑みを浮かべるマスターに美優は思わず見惚れた。すぐに我に返ってコクコクと頷き返した。
いつの間にか目の前には街灯が多い大通り。美優はマスターに頭を下げると、大通りへと足を踏み出した。ちらりと振り返った時にはもうマスターは身を翻し、薄暗い路地裏を引き返すところだった。
今思い返してみれば、きっとあの時にはもう美優の心は決まっていたのだと思う。
マスターの店に通い始めてちょうど一年。
美優はある決心を胸に店の扉に手をかけた。
「いらっしゃい」
今日もマスターは優しく微笑みを浮かべて美優を迎え入れてくれる。今日は客がいないようだ。ホッと息を吐く。
そして、いつもの場所……カウンターの隅に腰を降ろした。
客が居なくても、ソコが美優の定位置だ。
美優が注文する前にマスターがサッとドリンクを出した。
他の人にも同じように出しているのかは知らないが、常連になってからマスターはこうして美優にウェルカムドリンクをサービスで提供してくれるようになった。
これが不思議なことに、毎回同じドリンクではなく、その時の美優の気分にピッタリ合うドリンクが出てくるのだから驚きだ。
美優はグラスを手に取り、赤い液体がクルリと回るのを眺めた後、一気に煽った。
意外にアルコール度数が高かったらしく、喉の奥がカーッと熱くなる。少しだけ噎せてしまった。
マスターが慌てたように水を差し出す。
「今日はどうしたんですか?」
美優が落ち着いた頃、マスターは心配そうに尋ねた。普段ちびちびとお酒を楽しみながら飲んでいる美優らしくないと言外に含めているのだろう。
美優はその質問には答えず、空いたグラスをじっと見つめ、そして意を決して口を開いた。
「先日、噂を耳にしたんです」
「どんな噂ですか?」
マスターは美優の為に今度はアルコール度数の弱いカクテルを作りながら続きを促す。美優はマスターの顔は見ずに、鮮やかな手際でカクテルを作っている手を見つめた。
自分の中でいろんな感情が込み上げてきてざわめく。できるだけ冷静な口調を心がけようとした結果、美優の口からは硬い声が出た。
「最近この近辺で何人もの女性が行方不明になっているという噂です。しかも、その女性達には共通点があるらしいんです」
「女性達が行方不明になっているという話は私も聞きましたが、共通点があるとは知らなかったです。……ちなみに、それはいったいどんな共通点なんですか?」
「それは……」
言葉が途切れる。マスターはカクテルを作る手を止め、その先を促すようにじっと美優の顔を見つめた。
――――――――
美優はバーを出て、いつもとは逆方向の道を一人で歩いていた。マスターの見送りは断った。それだと意味がないからだ。
美優の後ろを一定の距離をあけてついてくる足音。
薄暗い路地裏のさらに奥、人工的な灯りが届かない場所。そこまでくると後ろから手が伸びてきて美優の口を塞いだ。そして、そのまま人気の全くない細い路地へと連れ込まれる。
想定していた展開だというのに、美優の心臓がありえないくらいの早鐘を打ち始める。
美優の耳に、首筋に、熱い吐息がかかった。
「本当に、いいんですか?」
疑問形ではあるものの、手は美優の口を塞いだままだ。美優は生唾を飲みながらコクリと頷き返した。
すると、口を塞いでいた手は外れ、代わりに美優の身体を這い始める。
服の裾から侵入してきた大きな手は美優の胸を掬い上げ、揉みしだく。時折、硬く尖った乳首を指先で弾き、美優の身体はそのたびにビクビクと震えた。
首筋を熱い舌が這う。そして、薄い皮膚を吸い上げた。てっきり、噛みつかれるかと思っていた美優はその行動に戸惑いながらも声を抑えるのに必死だった。人気がないとはいえ、万が一ということもありうる。
「っ……んっ!」
美優の我慢を邪魔するように、男の指先が下着の上から秘芽をグリッと押しつぶした。いきなりの強い刺激に美優は堪らず声を上げ、慌てて己の手で口を塞いだ。
けれど、さらに強い刺激を与えられる。ピンポイントで秘芽を摘まみあげクリクリと擦りあげられる。声が漏れる。
「ひっ、あっ、んんっ」
美優を責めながらも自分も興奮しているのか、荒い吐息が美優の耳に届く。普段の冷静さは全く感じられない。興奮してくれているのだと思うと子宮が疼いた。素直な身体は愛液をさらに分泌し、下着をぐっしょりと濡らしていく。
ぐしょぐしょになった下着はもはや用は無いとばかりに剥ぎ取られ、太く長い指が差し込まれる。
「っん!」
膣内をかき回しながら、秘芽を直接弄るという器用さに驚く余裕もなく美優は追い詰められていく。
クチュクチュと激しくなっていく水音。下半身はガクガクと震え始める。美優の首筋を這っていた舌が上っていき耳にむしゃぶりついた。
元々耳が弱い美優はたまらず仰け反る。膣内がもっと……とその先の快感を求めて蠢き指を締め付けた。
「もう、我慢できないっ」
切羽詰まった声に「え」と返す暇もなく、熱くて大きなものが美優の中を貫いた。
「ああっ!」
行為自体は初めてではないが、こんなに大きなものを受け入れるのは初めてだ。目の前がチカチカして思わず逃げ腰になる。が、グッと腰を押さえつけられた。反動で前のめりになり、壁に手を置き身体を支える。
「今更、逃がすつもりはないよっ」
宣言通り、男は美優の身体をきつく抱き締め、奥を突き上げる。ゴリゴリと中を抉り、同時に敏感な箇所も責める。美優は簡単に達してしまった。けれど、男は耐えているのか呻き声を上げるだけで、突き上げを止めない。
美優の意識が朦朧としても、強制的に与えられる快感で呼び戻され、もはや声を抑えることもできない。いったい何度イッたのだろう。もう、それすらもわからない。
「ああっ! またっ!」
「いいよっ! 俺もっ限界。でる!」
低い囁き声とともに、美優の中に熱いモノが広がっていく。ようやく、終わるのか……と思ったが男の腰は未だゆるゆると動いている。何なら男のモノは未だ硬い。
「俺がこの時をどれほど待ち望んでいたと思っているの。……まだまだ終わらないよ」
美優は驚きに目を開きながらも、再び突き上げられ嬌声を上げた。
ようやく男が満足した頃には美優は完全に気を失っていた。
男は恍惚とした表情で美優の下腹部を撫でる。たくさん注いだがそれでもまだ足りない。続きは場所を変えてからだと美優を抱きかかえた。
『髪の色、長さ、体型。女性達の共通点……全て私にも当てはまります。それなのに、私は見逃されている。何故なんでしょうか……。私なら、何をされてもかまわないのに。……例えこの先の将来を奪われたとしても、その手に触れてもらえるなら本望なのに』
恐怖でもなくただ嫉妬にまみれた瞳を向けられ、男はかろうじて保っていた理性が完全に焼き切れた音を聞いた。――――美優が望むなら俺が我慢する必要は無いよね。
「まさか、こんな奇跡みたいなことが起きるなんて。君は俺に殺されるとでも思っていたみたいだけど、そんなこと俺がするわけないのにね。君は俺の特別なんだから。ああ、そうだ。彼らにももう大丈夫だよって伝えておかないと……。さあ、帰ろっか。俺と君の家に」
美優の顔を覗き込み破顔すると、男は女性一人を抱きかかえているとは思えない軽い足取りで帰路に着いた。
美優がその店を見つけたのはたまたまだ。
仕事の帰り道。ちょっとむしゃくしゃしたことがあり、どこか一人でも入れそうなバーがないかと探している最中に見つけた。
ふらっと入った店は大当たりで、お酒はもちろん料理も美味しかった。なにより、店の雰囲気がいい。人目につきにくい場所にあるせいか客は少なく、他人の目を気にする必要がない。それは他の客達も同じようで各々好きなように過ごしている。
一人酒を大いに楽しみ、満足した美優は会計を済ませて帰ろうとした。
その時になってようやくマスターの顔をまじまじと見た。心の余裕が無かったせいか全く気づかなかった。
マスターはちょっと見かけないくらいのイケメンだった。おそらく三十代前半くらいだろう。
こんな場所でなければマスター目当ての女性客が殺到してもっと店は繁盛していただろうに……いやだからこそこの場所なのか。
「ありがとうございました。……お帰りの際は、くれぐれも気を付けてくださいね」
「あ、はい」
外はすでに真っ暗だ。路地裏ということもあり女性が一人で歩くのは確かに危ないかもしれない。――――今度は誰かと一緒に来た方がいいかな。
「途中までお見送りしますよ」
「え?」
外を見ていると思いがけない言葉が聞こえてきて振り向いた。マスターは美優に微笑みかけ、カウンターから出て来る。そして、店内にいる客に向かって言った。
「少々席を外します。……皆様、いい子でお留守番しておいてくださいね」
その一言に、どこからか吹き出す声が聞こえ次いで客の一人が声を上げた。
「もちろん。いい子で待ってますって! マスターも送り狼にはならないようにね!」
美優はギョッと顔を強張らせてちらりとマスターを見上げたが、マスターの表情は変わらない。――――私もマスターくらい軽く流せるようになりたいなあ。
ちらりと会社での出来事が頭を過り嘆息した。
他の客たちがにこやかに二人を送り出す中、美優は何とも言えない気持ちで頭を下げて店を出た。
どうやらマスターは明るい道に出るまで送ってくれるつもりらしい。
美優は落ち着かずに何か話題をと口を開いた。
「あの、お酒も料理もすごく美味しかったです。お店の雰囲気も落ち着いていてすごく居心地がよかったです。……今日マスターの店を見つけられてラッキーでした」
「そう言ってもらえて嬉しいです。気に入ってもらえたならよかった。……うちは、ああいう場所に店を構えているものですから新規のお客さんはなかなかいらっしゃらないんです」
そうだろうなと思い頷き返す。マスターはふと足を止めた。つられて美優も足を止め、マスターを見上げる。
「なので、もしよければまたきてくださいね」
三日月をバックに微笑みを浮かべるマスターに美優は思わず見惚れた。すぐに我に返ってコクコクと頷き返した。
いつの間にか目の前には街灯が多い大通り。美優はマスターに頭を下げると、大通りへと足を踏み出した。ちらりと振り返った時にはもうマスターは身を翻し、薄暗い路地裏を引き返すところだった。
今思い返してみれば、きっとあの時にはもう美優の心は決まっていたのだと思う。
マスターの店に通い始めてちょうど一年。
美優はある決心を胸に店の扉に手をかけた。
「いらっしゃい」
今日もマスターは優しく微笑みを浮かべて美優を迎え入れてくれる。今日は客がいないようだ。ホッと息を吐く。
そして、いつもの場所……カウンターの隅に腰を降ろした。
客が居なくても、ソコが美優の定位置だ。
美優が注文する前にマスターがサッとドリンクを出した。
他の人にも同じように出しているのかは知らないが、常連になってからマスターはこうして美優にウェルカムドリンクをサービスで提供してくれるようになった。
これが不思議なことに、毎回同じドリンクではなく、その時の美優の気分にピッタリ合うドリンクが出てくるのだから驚きだ。
美優はグラスを手に取り、赤い液体がクルリと回るのを眺めた後、一気に煽った。
意外にアルコール度数が高かったらしく、喉の奥がカーッと熱くなる。少しだけ噎せてしまった。
マスターが慌てたように水を差し出す。
「今日はどうしたんですか?」
美優が落ち着いた頃、マスターは心配そうに尋ねた。普段ちびちびとお酒を楽しみながら飲んでいる美優らしくないと言外に含めているのだろう。
美優はその質問には答えず、空いたグラスをじっと見つめ、そして意を決して口を開いた。
「先日、噂を耳にしたんです」
「どんな噂ですか?」
マスターは美優の為に今度はアルコール度数の弱いカクテルを作りながら続きを促す。美優はマスターの顔は見ずに、鮮やかな手際でカクテルを作っている手を見つめた。
自分の中でいろんな感情が込み上げてきてざわめく。できるだけ冷静な口調を心がけようとした結果、美優の口からは硬い声が出た。
「最近この近辺で何人もの女性が行方不明になっているという噂です。しかも、その女性達には共通点があるらしいんです」
「女性達が行方不明になっているという話は私も聞きましたが、共通点があるとは知らなかったです。……ちなみに、それはいったいどんな共通点なんですか?」
「それは……」
言葉が途切れる。マスターはカクテルを作る手を止め、その先を促すようにじっと美優の顔を見つめた。
――――――――
美優はバーを出て、いつもとは逆方向の道を一人で歩いていた。マスターの見送りは断った。それだと意味がないからだ。
美優の後ろを一定の距離をあけてついてくる足音。
薄暗い路地裏のさらに奥、人工的な灯りが届かない場所。そこまでくると後ろから手が伸びてきて美優の口を塞いだ。そして、そのまま人気の全くない細い路地へと連れ込まれる。
想定していた展開だというのに、美優の心臓がありえないくらいの早鐘を打ち始める。
美優の耳に、首筋に、熱い吐息がかかった。
「本当に、いいんですか?」
疑問形ではあるものの、手は美優の口を塞いだままだ。美優は生唾を飲みながらコクリと頷き返した。
すると、口を塞いでいた手は外れ、代わりに美優の身体を這い始める。
服の裾から侵入してきた大きな手は美優の胸を掬い上げ、揉みしだく。時折、硬く尖った乳首を指先で弾き、美優の身体はそのたびにビクビクと震えた。
首筋を熱い舌が這う。そして、薄い皮膚を吸い上げた。てっきり、噛みつかれるかと思っていた美優はその行動に戸惑いながらも声を抑えるのに必死だった。人気がないとはいえ、万が一ということもありうる。
「っ……んっ!」
美優の我慢を邪魔するように、男の指先が下着の上から秘芽をグリッと押しつぶした。いきなりの強い刺激に美優は堪らず声を上げ、慌てて己の手で口を塞いだ。
けれど、さらに強い刺激を与えられる。ピンポイントで秘芽を摘まみあげクリクリと擦りあげられる。声が漏れる。
「ひっ、あっ、んんっ」
美優を責めながらも自分も興奮しているのか、荒い吐息が美優の耳に届く。普段の冷静さは全く感じられない。興奮してくれているのだと思うと子宮が疼いた。素直な身体は愛液をさらに分泌し、下着をぐっしょりと濡らしていく。
ぐしょぐしょになった下着はもはや用は無いとばかりに剥ぎ取られ、太く長い指が差し込まれる。
「っん!」
膣内をかき回しながら、秘芽を直接弄るという器用さに驚く余裕もなく美優は追い詰められていく。
クチュクチュと激しくなっていく水音。下半身はガクガクと震え始める。美優の首筋を這っていた舌が上っていき耳にむしゃぶりついた。
元々耳が弱い美優はたまらず仰け反る。膣内がもっと……とその先の快感を求めて蠢き指を締め付けた。
「もう、我慢できないっ」
切羽詰まった声に「え」と返す暇もなく、熱くて大きなものが美優の中を貫いた。
「ああっ!」
行為自体は初めてではないが、こんなに大きなものを受け入れるのは初めてだ。目の前がチカチカして思わず逃げ腰になる。が、グッと腰を押さえつけられた。反動で前のめりになり、壁に手を置き身体を支える。
「今更、逃がすつもりはないよっ」
宣言通り、男は美優の身体をきつく抱き締め、奥を突き上げる。ゴリゴリと中を抉り、同時に敏感な箇所も責める。美優は簡単に達してしまった。けれど、男は耐えているのか呻き声を上げるだけで、突き上げを止めない。
美優の意識が朦朧としても、強制的に与えられる快感で呼び戻され、もはや声を抑えることもできない。いったい何度イッたのだろう。もう、それすらもわからない。
「ああっ! またっ!」
「いいよっ! 俺もっ限界。でる!」
低い囁き声とともに、美優の中に熱いモノが広がっていく。ようやく、終わるのか……と思ったが男の腰は未だゆるゆると動いている。何なら男のモノは未だ硬い。
「俺がこの時をどれほど待ち望んでいたと思っているの。……まだまだ終わらないよ」
美優は驚きに目を開きながらも、再び突き上げられ嬌声を上げた。
ようやく男が満足した頃には美優は完全に気を失っていた。
男は恍惚とした表情で美優の下腹部を撫でる。たくさん注いだがそれでもまだ足りない。続きは場所を変えてからだと美優を抱きかかえた。
『髪の色、長さ、体型。女性達の共通点……全て私にも当てはまります。それなのに、私は見逃されている。何故なんでしょうか……。私なら、何をされてもかまわないのに。……例えこの先の将来を奪われたとしても、その手に触れてもらえるなら本望なのに』
恐怖でもなくただ嫉妬にまみれた瞳を向けられ、男はかろうじて保っていた理性が完全に焼き切れた音を聞いた。――――美優が望むなら俺が我慢する必要は無いよね。
「まさか、こんな奇跡みたいなことが起きるなんて。君は俺に殺されるとでも思っていたみたいだけど、そんなこと俺がするわけないのにね。君は俺の特別なんだから。ああ、そうだ。彼らにももう大丈夫だよって伝えておかないと……。さあ、帰ろっか。俺と君の家に」
美優の顔を覗き込み破顔すると、男は女性一人を抱きかかえているとは思えない軽い足取りで帰路に着いた。
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