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Hiiho

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★ナカタカナのストーカー日記

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♡カナのイケメン追っかけレポ♡


という名の私のストーカー日記。

大学一キュートでカッコよくてクールな速水 架くん。それが私の王子様。化石にしか興味が湧かなかった私が、初めて興味を持てた生身の人間。


高校生の時に彼を見かけて、その瞬間落雷に遭ったような衝撃を受けた。
あまりにも大胆に周囲の目を引く外見。それなのに周りのもの全てを拒絶しているかのような排他的な印象。

彼は虹色に輝くアンモライトのよう・・・。

高貴で美しくて、触れることを許されないような特別感。
私は夢中でスマホのカメラレンズを彼に向けていた。




そしてこっそりとネット上で彼の事を呟き始め、彼の顔が見たいと言うフォロワー様が現れ調子に乗って公開してみたところ、数名しかいなかったフォロワーが一気に何百倍に・・・!

一般人の美少年。ただそれだけなのに、彼の知らないところで彼のファンが増える。それが堪らなく嬉しかった。発掘したのはこの私、中田カナ。有頂天になった。



ある日、彼の友人だという人からメッセージが届いて、いつも彼と一緒にいる保護者のような男の子だとすぐに分かった。

「あんたがしてることは犯罪」

そのひとことに震え上がる私。けれど

「架は ほっといていいって言ってる。写真撮るのは構わない。でも架の半径5メートル以内に近付くのは禁止。ルールを守って節度ある行動を」

と、何故かお許し(?)が出る。


架、くん・・・


まるで博物館に展示されているオパール化したプリオザウルスの化石のよう・・・。
見ててもいいの?近付かなければ、触らなければ見ててもいいの?有り難き幸せ・・・♡




あらゆる情報網を駆使し彼の希望する大学に理学部がある事を知った私は同じ大学へ。

良かった。架くんが私より優秀じゃ無くて・・・。元々の志望校より偏差値が低かったから、受験勉強に充てていた時間も架くんを愛でる時間に使えたし。




そんなこんなでハッピーライフを送っていた私。あの腹黒DK神谷に捕まるまでは・・・


学部の違う架くんは別棟。時間があれば情報学部棟へ猛ダッシュで向かい、神谷に言いつけられた架くんの監視・・・誰かが架くんに近付けば即報告。
以前は人を寄せ付けなかった架くんが交友関係を広げて行くに連れ、私の仕事量は増える一方(涙)。

だけど神谷は架くんと親しくて、私のコレクションには無い架くんの貴重な写真を提供してくれる。
収集癖がある私には、断る理由などありはしない。
そしてやっぱり架くんをストーキングするのは楽しい♡




大学卒業後は在宅で仕事をするという架くん・・・。

終わった。

私の追っかけ人生が幕を閉じ、架くんで満たされていた心は空っぽのスッカスカ・・・。就職した化石ショップで大好きな化石に囲まれて幸せ、のはずなのに・・・。

架くんの事をつぶやくのもやめアカウントを削除し、彼のファンクラブは空中分解。
私は生気を失ったも同然で何とか日々を過ごすのが精一杯だった。




1年後────

「おいストーカー。新たなミッションだ」

大学を卒業してから全く音沙汰の無かった腹黒DK神谷からの突然の連絡。


架くんが北陸某所の旅館でフロント業務をしている、彼がお客様に必要以上に言い寄られたりしないか監視しながらフロント向かいの売店で働け、というような内容。


ほ、北陸!?  無理よ・・・、いくらなんでも移住は・・・。だって私にはこの子達(化石)が、ここから巣立って(買われて)行くのを見届けるという使命が・・・!

はっ!!  架くんもいつか誰かに・・・!?


今じゃ彼の幼馴染み兼保護者の佐野くんも傍にいないだろうし、私が架くんの事を見守らなくて誰が見守るっていうのよ!!
架くんが立派に嫁ぐ姿を見る、それが私の使命じゃない!!


たとえ彼のパートナーがあの腹黒神谷だとしても、私が見付けた架くんというアンモライトをずっと見守って行く、それが私の生き甲斐よ!

待ってて架くん!カナは今ゆきます────・・・



ということで移住しました。
今日も愛しの架くんがお仕事を頑張っている姿を見守っています。

時々お客様に言い寄られて困っている架くん。報告を入れるとフロントへ飛んで来て様子を伺っている神谷。
だけど架くんに一番言い寄っているのは腹黒神谷、お前だよ!少しは遠慮しろ!
でも嫌がってる割に、恥ずかしそうな嬉しそうな表情の架くん可愛い・・・♡


カナは今日も幸せです。ありがとう神谷。




(注)架はカナの存在を認知していません。



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