13 / 32
5日後
しおりを挟む
ビッチェさんを糾弾した一件から5日が過ぎた。この一件から以来ビッチェさんは怖い程静かだ。しかしその代わりとでも言うようにドナウドが度々私の元に現れてはビッチェを虐めるな、お前は冷酷人間だ、血も涙も無いと散々言って帰るを繰り返している。
私が一睨みすると周りからの冷たい視線も相まってすごすごと帰るのだが休み時間の度に現れるのである意味ビッチェよりもタチが悪い。
これだけ自分が愚かであると周りに見せびらかして・・・本当に馬鹿なお花畑である。
鬱陶しい事この上ないが、まぁでもその方が私には有利になる。精々馬鹿を発揮して頂こう。
後3ヶ月・・・いや、正確には2ヶ月半。卒業が目前・・・。
きっとドナウドは卒業式で私に婚約破棄を突き付けて来るだろう。今はその為に私の評判をちょっとでも落とそうとしている・・・必死だな。でもそれをしたと同時にドナウドの運命は決まる。
「私も卒業式が楽しみになってきたわ」
「あら、そうなの?」
私の独り言を拾って友人が言う。
「貴方も楽しみなの?」
「当たり前でしょ!その為に流行りの店でドレスも発注したんだから」
「へぇ、そうなの」
「へえって貴方も準備しているんでしょ?」
私は曖昧に微笑む。
「学園生活、最後まで楽しみましょうね」
帰りの馬車の中座席に座りいつものように目を閉じる。
「静かなのはここだけね」
因みに言うと1人になれるのもここだけね。まぁ御者がいるから正確には1人ではないんだけど、学園でいつも誰かと一緒にいる私にとっては馬車の中は1人と言っても過言では無い。
学園から家までは馬車で20分程・・・そろそろ着くかと思われたところで急に馬車が止まった。しばらくそのままでいたら外から御者の声。
「お嬢様申し訳ありません。何やら馬車の前に人が倒れて来まして・・・」
「あら、そうなの。その方大丈夫なの?」
「分かりません。先程から動かないので少々お側を離れさせて頂いて宜しいでしょうか?」
「ええ、構わないわ」
「すぐ戻ります」
急に倒れるなんて大丈夫なのかしら・・・。
少々気にはなるが私が出ていっても出来る事がある訳でもない、そのまま馬車の中で待機する。
・・・・・・・・・・・・。
遅いわ。あれから15分は経ってる。そう思って馬車から出ようとしたところ急に馬車が動き出す。
「戻ったの?」
私は御者に叫ぶ。
御者の男は答えない。
「おかしいわね・・・」
私は御者から気付かれないようそっと窓から顔を見る。
「知らない男・・・」
これはやられたかしらね。
どちらにせよ今は何も出来る事がない。私が騒いで馬車の操縦を失敗されても困る。
・・・多分・・・あくまで希望的観測にはなるが、私に危害を加えるつもりは無いと・・・思う。思いたい。
でも危害を加えるならすぐにでも出来る、それをしないと言うことは他に何か目的があるんだと思う。私はなるべく道を覚えておこうと窓から一生懸命景色を見ることに集中した。
お知らせです。新たにファンタジー始めました。よろしかったら読んでみて下さい。あと元、両片思いをこじらせた夫婦の話が今日完結します。こちらも合わせてお願いします。
読んで頂いてありがとうございます!ありがとうございます⸜(*ˊᵕˋ*)⸝💕✨(大事な事なので2回言いました!)
私が一睨みすると周りからの冷たい視線も相まってすごすごと帰るのだが休み時間の度に現れるのである意味ビッチェよりもタチが悪い。
これだけ自分が愚かであると周りに見せびらかして・・・本当に馬鹿なお花畑である。
鬱陶しい事この上ないが、まぁでもその方が私には有利になる。精々馬鹿を発揮して頂こう。
後3ヶ月・・・いや、正確には2ヶ月半。卒業が目前・・・。
きっとドナウドは卒業式で私に婚約破棄を突き付けて来るだろう。今はその為に私の評判をちょっとでも落とそうとしている・・・必死だな。でもそれをしたと同時にドナウドの運命は決まる。
「私も卒業式が楽しみになってきたわ」
「あら、そうなの?」
私の独り言を拾って友人が言う。
「貴方も楽しみなの?」
「当たり前でしょ!その為に流行りの店でドレスも発注したんだから」
「へぇ、そうなの」
「へえって貴方も準備しているんでしょ?」
私は曖昧に微笑む。
「学園生活、最後まで楽しみましょうね」
帰りの馬車の中座席に座りいつものように目を閉じる。
「静かなのはここだけね」
因みに言うと1人になれるのもここだけね。まぁ御者がいるから正確には1人ではないんだけど、学園でいつも誰かと一緒にいる私にとっては馬車の中は1人と言っても過言では無い。
学園から家までは馬車で20分程・・・そろそろ着くかと思われたところで急に馬車が止まった。しばらくそのままでいたら外から御者の声。
「お嬢様申し訳ありません。何やら馬車の前に人が倒れて来まして・・・」
「あら、そうなの。その方大丈夫なの?」
「分かりません。先程から動かないので少々お側を離れさせて頂いて宜しいでしょうか?」
「ええ、構わないわ」
「すぐ戻ります」
急に倒れるなんて大丈夫なのかしら・・・。
少々気にはなるが私が出ていっても出来る事がある訳でもない、そのまま馬車の中で待機する。
・・・・・・・・・・・・。
遅いわ。あれから15分は経ってる。そう思って馬車から出ようとしたところ急に馬車が動き出す。
「戻ったの?」
私は御者に叫ぶ。
御者の男は答えない。
「おかしいわね・・・」
私は御者から気付かれないようそっと窓から顔を見る。
「知らない男・・・」
これはやられたかしらね。
どちらにせよ今は何も出来る事がない。私が騒いで馬車の操縦を失敗されても困る。
・・・多分・・・あくまで希望的観測にはなるが、私に危害を加えるつもりは無いと・・・思う。思いたい。
でも危害を加えるならすぐにでも出来る、それをしないと言うことは他に何か目的があるんだと思う。私はなるべく道を覚えておこうと窓から一生懸命景色を見ることに集中した。
お知らせです。新たにファンタジー始めました。よろしかったら読んでみて下さい。あと元、両片思いをこじらせた夫婦の話が今日完結します。こちらも合わせてお願いします。
読んで頂いてありがとうございます!ありがとうございます⸜(*ˊᵕˋ*)⸝💕✨(大事な事なので2回言いました!)
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,964
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる