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「勿論この国に住みたいという意志を反対するつもりは無い、むしろこの国を選んでくれた事を感謝しよう。…しかし何故、パメラリア嬢はこの国を選んだのた?リステリアはとても住みやすいいい国だとザイールから聞いている、ましてやそなたは公爵令嬢…いくら婚約破棄されて居ずらくなったとはいえ国を出る必要は無かったのでは?」
それは陛下からの最もな問い掛けだった。
隣のザイールも何やらこちらをじっと見ている視線を感じる。
「まぁ、普通の婚約破棄ならそうだったのかもしれませんが……お相手がリステリアの第1王子ですので国にはとても居ずらいのです」
聖女の事はまだ明かせない私は取り敢えず1番無難でそれらしい理由を話してみる。
「えっ?」
すると私のその言葉にザイールがとても驚いた様子を見せる。
「パメラリアの相手ってあの王子なのかい?」
「ええ、そう。ザイールの言うあの王子が第1王子ならばそうよ………そんなに意外だったかしら?」
「えっ、いや、だって私もリステリアに留学していて王子と会う事も少なく無かったけれどあの王子とパメラリアが一緒にいる所を見た事が無いんだけど」
「………そうだった?」
私は分からないと言うようにそっぽを向きながらザイールにそう言った。
「………そうだよ。ホントに1度もパメラリアが王子と一緒にいる所を見た事が無い」
まぁそれは正にその通りでぶっちゃけて言うならば好きでもなんでもない、むしろ嫌いな婚約者にわざわざ会いに行くほど私も暇では無いと言うだけの事であの王子は王子でどうやら事実の愛(笑)で結ばれた相手と交流するのに忙しかったのだろうし……。
「まぁそれも仕方ないと思うわ。だってあの王子は真実の愛を貫く相手を見つけたようだから」
「………………は?」
いや、凄い間があったなあ。
分かる分かる全然理解出来ないわよねぇ。
そりゃザイールもはぁ?何それ?美味しいの?みたいな顔になるわよねぇ。
「だからあの王子は王命で仕方なーく婚約者になってあげていた私に向かって真実の愛を見つけたから婚約破棄しろと言って来たのよ」
「………………………その王子大丈夫なのか?」
「さぁ?頭はおかしいんじゃないの?それでも腐っても王族なんだから周りが問題無いと言えば問題無くなるんじゃないの?」
何だか奇妙な空気が私とザイールの間に流れ始めたその時その場に場違いとも思える豪快な笑い声が聞こえた。
「あっはっはっはっはっ!」
私とザイールはこの声の主を見る。
「そんなに可笑しいですか?」
それはもうあまりにも可笑しそうに笑う陛下を見てそんな言葉が口を付いた。
「自国の王子、ましてや元婚約者に向かって頭がおかしいと言う令嬢には会った事が無いのでな」
そう言った陛下はまたそれはそれは可笑しそうに笑った。
「父上笑いすぎですよ」
ザイールはそう言ったけれど私は笑われる位が丁度いいと思っている。
あんなどうでもいい婚約者の事で気を使われるのも心外だし私があんなのから婚約破棄されて悲しんでいると思われる事は屈辱でしかない。
「笑い話にして下さってありがたいですわ」
私は心の底からそう言った。
それは陛下からの最もな問い掛けだった。
隣のザイールも何やらこちらをじっと見ている視線を感じる。
「まぁ、普通の婚約破棄ならそうだったのかもしれませんが……お相手がリステリアの第1王子ですので国にはとても居ずらいのです」
聖女の事はまだ明かせない私は取り敢えず1番無難でそれらしい理由を話してみる。
「えっ?」
すると私のその言葉にザイールがとても驚いた様子を見せる。
「パメラリアの相手ってあの王子なのかい?」
「ええ、そう。ザイールの言うあの王子が第1王子ならばそうよ………そんなに意外だったかしら?」
「えっ、いや、だって私もリステリアに留学していて王子と会う事も少なく無かったけれどあの王子とパメラリアが一緒にいる所を見た事が無いんだけど」
「………そうだった?」
私は分からないと言うようにそっぽを向きながらザイールにそう言った。
「………そうだよ。ホントに1度もパメラリアが王子と一緒にいる所を見た事が無い」
まぁそれは正にその通りでぶっちゃけて言うならば好きでもなんでもない、むしろ嫌いな婚約者にわざわざ会いに行くほど私も暇では無いと言うだけの事であの王子は王子でどうやら事実の愛(笑)で結ばれた相手と交流するのに忙しかったのだろうし……。
「まぁそれも仕方ないと思うわ。だってあの王子は真実の愛を貫く相手を見つけたようだから」
「………………は?」
いや、凄い間があったなあ。
分かる分かる全然理解出来ないわよねぇ。
そりゃザイールもはぁ?何それ?美味しいの?みたいな顔になるわよねぇ。
「だからあの王子は王命で仕方なーく婚約者になってあげていた私に向かって真実の愛を見つけたから婚約破棄しろと言って来たのよ」
「………………………その王子大丈夫なのか?」
「さぁ?頭はおかしいんじゃないの?それでも腐っても王族なんだから周りが問題無いと言えば問題無くなるんじゃないの?」
何だか奇妙な空気が私とザイールの間に流れ始めたその時その場に場違いとも思える豪快な笑い声が聞こえた。
「あっはっはっはっはっ!」
私とザイールはこの声の主を見る。
「そんなに可笑しいですか?」
それはもうあまりにも可笑しそうに笑う陛下を見てそんな言葉が口を付いた。
「自国の王子、ましてや元婚約者に向かって頭がおかしいと言う令嬢には会った事が無いのでな」
そう言った陛下はまたそれはそれは可笑しそうに笑った。
「父上笑いすぎですよ」
ザイールはそう言ったけれど私は笑われる位が丁度いいと思っている。
あんなどうでもいい婚約者の事で気を使われるのも心外だし私があんなのから婚約破棄されて悲しんでいると思われる事は屈辱でしかない。
「笑い話にして下さってありがたいですわ」
私は心の底からそう言った。
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