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今日学園に行くと何だか異様な雰囲気だった。
すれ違う人達が皆私を見ている。
一昨日は大丈夫だったのに・・・。
人の目が気になって俯き加減に歩いていると目の前の人とぶつかってしまう。
「ご、ごめんなさ・・・!」
顔を上げるとそこにはピンクブロンドの髪の少女・・・そしてその隣には・・・殿下が居た。
「す、すみませ」
私が慌てて謝ろうとしたその瞬間ピンクブロンドの少女は急に泣き出した。
「酷いですわ!私が殿下の隣を歩いているだけで邪魔だとぶつかって来るなんて!」
えっ?私そんな事していない・・・。
「いえ!私そんな事・・・」
そう言おうとするとまた少女が遮るように騒ぎ出す。
「殿下は偶然出会っ私に挨拶をして下さっていただけです!それなのに殿下の婚約者は私だから話もしないでなんて・・・エミリア様酷いです・・・」
・・・だからそんな事・・・言って無いのに・・・。私は途方に暮れてしまい思わず助けを求めるように殿下を見た。
すると殿下はチラリと私を見ただけで
「もういいから行こう」
と泣いているピンクブロンドの少女を連れて行ってしまった。
私は去って行く2人の背中を見送るしか出来なかった。
教室に向かう。私が扉を開けた途端クラスの全員がこっちを見ているんじゃないかと言うほどの視線を感じる。
いたたまれなくて足早に自分の席に向かう。
「エミリア様あの少女を虐めているらしいですわ」
「そうみたいですね、殿下の婚約者だからと威張り散らしているらしいですわよ」
「でも、さっき殿下に無視されてましたわよ」
「いい気味ですわ」
クラスメイトの心無い噂話が聞こえて来る。どうなっているの?一昨日まではこんな事無かったのに・・・。皆私が殿下の婚約者の立場を振りかざしあの少女を虐めていると思っている。
どうしてなの?何で急にこんな事になっているの?
訳が分からず視線を彷徨わせるとシェイラが目に入る。
「シェイラ!」
私はシェイラの席に向かう。
「シェイラ!皆変なの!私があの少女を虐めているなんて!」
私がそう言うとシェイラは机を叩き立ち上がる。
「・・・エミリア、貴方がそんな事する人だったなんて」
そう言って私に憎々しげな目を向けてくる。そんな・・・シェイラまで!
「私はそんな事していないわ!」
どうにか分かって欲しくて私はシェイラの手を握る。
パシン!
するとその手を叩き落とされた。
「・・・シェイラ・・・」
「そんな顔をしても無駄よ!貴方のやっていた悪い事はみんな知っているのよ」
そう言われた私の周りには冷たい目のクラスメイトが立っていた。
私はもう我慢出来ず教室から走って逃げる様に外に出た。
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして!
学園の裏の森まで走った所で私は遂に転んでしまう。
「痛い・・・」
そしてそのままボロボロと泣き出した。
「いい気味ね」
泣く私にそんな声が聞こえて来る。
顔を上げるとそこにはピンクブロンドの少女・・・。
「どれだけ善人ぶって暮らしていても貴方は所詮悪役令嬢なの、この運命には逆らえないわ。この世界はヒロインである私の世界なのよ。だからルシードも私の物なの。ふふふっ」
悪魔のように笑う少女・・・この少女は何?
どろりと黒いものに絡め取られるように私は意識を手放した。
まるで闇の中に落ちていくよう・・・。
すれ違う人達が皆私を見ている。
一昨日は大丈夫だったのに・・・。
人の目が気になって俯き加減に歩いていると目の前の人とぶつかってしまう。
「ご、ごめんなさ・・・!」
顔を上げるとそこにはピンクブロンドの髪の少女・・・そしてその隣には・・・殿下が居た。
「す、すみませ」
私が慌てて謝ろうとしたその瞬間ピンクブロンドの少女は急に泣き出した。
「酷いですわ!私が殿下の隣を歩いているだけで邪魔だとぶつかって来るなんて!」
えっ?私そんな事していない・・・。
「いえ!私そんな事・・・」
そう言おうとするとまた少女が遮るように騒ぎ出す。
「殿下は偶然出会っ私に挨拶をして下さっていただけです!それなのに殿下の婚約者は私だから話もしないでなんて・・・エミリア様酷いです・・・」
・・・だからそんな事・・・言って無いのに・・・。私は途方に暮れてしまい思わず助けを求めるように殿下を見た。
すると殿下はチラリと私を見ただけで
「もういいから行こう」
と泣いているピンクブロンドの少女を連れて行ってしまった。
私は去って行く2人の背中を見送るしか出来なかった。
教室に向かう。私が扉を開けた途端クラスの全員がこっちを見ているんじゃないかと言うほどの視線を感じる。
いたたまれなくて足早に自分の席に向かう。
「エミリア様あの少女を虐めているらしいですわ」
「そうみたいですね、殿下の婚約者だからと威張り散らしているらしいですわよ」
「でも、さっき殿下に無視されてましたわよ」
「いい気味ですわ」
クラスメイトの心無い噂話が聞こえて来る。どうなっているの?一昨日まではこんな事無かったのに・・・。皆私が殿下の婚約者の立場を振りかざしあの少女を虐めていると思っている。
どうしてなの?何で急にこんな事になっているの?
訳が分からず視線を彷徨わせるとシェイラが目に入る。
「シェイラ!」
私はシェイラの席に向かう。
「シェイラ!皆変なの!私があの少女を虐めているなんて!」
私がそう言うとシェイラは机を叩き立ち上がる。
「・・・エミリア、貴方がそんな事する人だったなんて」
そう言って私に憎々しげな目を向けてくる。そんな・・・シェイラまで!
「私はそんな事していないわ!」
どうにか分かって欲しくて私はシェイラの手を握る。
パシン!
するとその手を叩き落とされた。
「・・・シェイラ・・・」
「そんな顔をしても無駄よ!貴方のやっていた悪い事はみんな知っているのよ」
そう言われた私の周りには冷たい目のクラスメイトが立っていた。
私はもう我慢出来ず教室から走って逃げる様に外に出た。
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして!
学園の裏の森まで走った所で私は遂に転んでしまう。
「痛い・・・」
そしてそのままボロボロと泣き出した。
「いい気味ね」
泣く私にそんな声が聞こえて来る。
顔を上げるとそこにはピンクブロンドの少女・・・。
「どれだけ善人ぶって暮らしていても貴方は所詮悪役令嬢なの、この運命には逆らえないわ。この世界はヒロインである私の世界なのよ。だからルシードも私の物なの。ふふふっ」
悪魔のように笑う少女・・・この少女は何?
どろりと黒いものに絡め取られるように私は意識を手放した。
まるで闇の中に落ちていくよう・・・。
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