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目を覚ますと屋敷の自分のベッドだった。
「私・・・学園にいたはず・・・何故ここに?」
目が覚めてベッドの上でそう呟くと部屋の中にアンナが入って来た。
「お、お嬢様!」
そう言って私に駆け寄って来る。
「本当に本当に良かったです!」
私の側で涙を流しながらアンナがそう言う。
「・・・どうしたのアンナ、大袈裟ね」
「!何が大袈裟ですか!学園に行っているはずのお嬢様が倒れたと連絡を貰ってどれだけ心配したか!」
「?倒れた?」
「はい!そうですよ!っと先に御家族様達にお嬢様が目を覚まされたとご連絡してきます!じっと安静になさって下さいね!絶対ですよ!」
そう言ってアンナは慌ただしく部屋を出ていく。
・・・倒れた?私が?
あの日は確か・・・朝から私の好きな物ばかりの朝食で・・・とても嬉しい気持ちで学園に向かって・・・・・・。そう学園に向かった・・・けど・・・・・・。
その後は?・・・・・・分からない・・・学園に着いたかどうかも分からない・・・。
その日私は本当に学園に行ったの?
私はその日の事を何も覚えていなかった。
倒れた日からまる2日眠っていたらしい・・・。
アンナに呼ばれ駆けつけた家族からはとても心配された。
どうした?何があった?と聞かれたが覚えていない事を話せる訳もなくただただ記憶が定かでないと言う他無かった。
兎に角目が覚めて良かったと泣きながら喜ばれ何にせよ暫くは安静にときつく言われて今またベッドで横になっている。
倒れた日の記憶は無かったがそれ以前の記憶はある。だから殿下があの少女と会っていた事は私の頭からは消えて居ない、お茶会を断った事も・・・。
私が倒れた後、殿下から何の連絡も無いとお兄様が怒り狂っていた事からも分かる通り私がまる2日眠っていた間にお見舞いにも現れなかったらしい。
殿下はお忙しいですからと言った私の頭をお兄様がいつものように撫ででくれた。
翌日殿下からの手紙を持ってグレン様が屋敷に現れる。
殿下の様子等聞きたかったが手紙だけ置いてそそくさと帰られたらしい。
手紙を開く。
エミリア
倒れたと聞いた、暫くお茶会や王妃教育等城に来るものは中止する。
必要があればこちらから連絡する。
ルシード
簡潔な要件だけの手紙・・・体調を気遣う言葉も無い。今まで幾度となく貰った手紙とは全く違う手紙に思わず鼻の奥がツンとする。
「婚約破棄」
少女が言っていた言葉が今になって私に重くのしかかる。どこかでそんな事無いと思って居たけれど・・・もしかしたらこのまま婚約破棄されてしまうかもしれない・・・。
今まで信じていた物が崩れ落ちていくような感覚・・・目の前が真っ暗になるようだった。
「私・・・学園にいたはず・・・何故ここに?」
目が覚めてベッドの上でそう呟くと部屋の中にアンナが入って来た。
「お、お嬢様!」
そう言って私に駆け寄って来る。
「本当に本当に良かったです!」
私の側で涙を流しながらアンナがそう言う。
「・・・どうしたのアンナ、大袈裟ね」
「!何が大袈裟ですか!学園に行っているはずのお嬢様が倒れたと連絡を貰ってどれだけ心配したか!」
「?倒れた?」
「はい!そうですよ!っと先に御家族様達にお嬢様が目を覚まされたとご連絡してきます!じっと安静になさって下さいね!絶対ですよ!」
そう言ってアンナは慌ただしく部屋を出ていく。
・・・倒れた?私が?
あの日は確か・・・朝から私の好きな物ばかりの朝食で・・・とても嬉しい気持ちで学園に向かって・・・・・・。そう学園に向かった・・・けど・・・・・・。
その後は?・・・・・・分からない・・・学園に着いたかどうかも分からない・・・。
その日私は本当に学園に行ったの?
私はその日の事を何も覚えていなかった。
倒れた日からまる2日眠っていたらしい・・・。
アンナに呼ばれ駆けつけた家族からはとても心配された。
どうした?何があった?と聞かれたが覚えていない事を話せる訳もなくただただ記憶が定かでないと言う他無かった。
兎に角目が覚めて良かったと泣きながら喜ばれ何にせよ暫くは安静にときつく言われて今またベッドで横になっている。
倒れた日の記憶は無かったがそれ以前の記憶はある。だから殿下があの少女と会っていた事は私の頭からは消えて居ない、お茶会を断った事も・・・。
私が倒れた後、殿下から何の連絡も無いとお兄様が怒り狂っていた事からも分かる通り私がまる2日眠っていた間にお見舞いにも現れなかったらしい。
殿下はお忙しいですからと言った私の頭をお兄様がいつものように撫ででくれた。
翌日殿下からの手紙を持ってグレン様が屋敷に現れる。
殿下の様子等聞きたかったが手紙だけ置いてそそくさと帰られたらしい。
手紙を開く。
エミリア
倒れたと聞いた、暫くお茶会や王妃教育等城に来るものは中止する。
必要があればこちらから連絡する。
ルシード
簡潔な要件だけの手紙・・・体調を気遣う言葉も無い。今まで幾度となく貰った手紙とは全く違う手紙に思わず鼻の奥がツンとする。
「婚約破棄」
少女が言っていた言葉が今になって私に重くのしかかる。どこかでそんな事無いと思って居たけれど・・・もしかしたらこのまま婚約破棄されてしまうかもしれない・・・。
今まで信じていた物が崩れ落ちていくような感覚・・・目の前が真っ暗になるようだった。
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