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空を飛ぶ
298. 怒られる
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「こ…こんにちは?」
「~~~~~っ こんにちはじゃね!! おどろいたじゃねーかっ」
そうだね。空から人が降ってくるとか誰が見ても驚く光景ですね。ほんとすまんとしか言いようがない。いやまさかアスが大きくなって空を飛べるようになったのかと思ったんだけど、まさかスキルでその状態を保っていただなんて気がつかなかったんだよ。
「空からやってくるなんて変わってますね」
変わってるで済ませられるんだ…やはり上に立つ人は肝が据わっていらっしゃる。だけどちょうどいい。ちらりと雪乃の方を見るとどこから手に入れてきたのかわからないが本を読みだしていた。たけに話を聞いてみるなら今がチャンスかもしれない。
「なあたけちょっと聞いていいか?」
「…何をだ?」
「雪乃ってたけとどうやって知り合ったんだ?」
さっきまでちょっと不機嫌そうにしていたたけがゆっくりと俺の方に顔を向けた。その顔は何言ってんだこいつって今にも言いたそうにしていた。
「は? どうやってって子供のころから知っているだろう??」
「いや俺は高校に上ってからたけに紹介されたんだが…響子もお前が連れてきたって言ってたぞ」
「…いや、だけど小さなころから傍にいてお姉さんみたいに…あれ? お姉さんじゃおかしいよな。言われてみれば雪乃の子供のころの姿が思い出せない…かも」
俺とたけは顔を見合わせ首を傾げる。傍で話を聞いていたルリアーナさんも何やら考え込んでいるみたいだ。
「…大賢者」
「え?」
「賢者だって魔法に長けた職業です。さらにその上にあるのが大賢者だと言われています。私は詳しくは知りませんけど、今まで大賢者の使用出来る魔法やスキルについての情報が開示されたことがありませんね」
「ルリアーナさん?」
「リョータさんが色んな魔法やスキルが使えることはわかっていますが…魔法に特化した人が相手に魔法の能力だけで勝てるのでしょうか? 何が言いたいのかといいますと、何かしら魔法でそれが当たり前だと思わされている可能性もあるということです。それに打ち勝てる力は流石にないんじゃないんですか?」
言われてみればステータスが高いだけで大してそういった魔法やスキルに対する耐性があるわけじゃない。ついこの間もはめてしまった腕輪のせいで意識がぼんやりとしていた。
「何が目的かわかりませんが…警戒したほうがいい人物ということですね」
「雪乃が…?」
「私が何かしら?」
おっと話をしていたらいつの間にか雪乃が俺の後ろに立っていた。
「というかリョータなんなのそれは…変わった遊びね」
…ああ、そういえば俺とアスはまだダークネスで繋がったままだったわ。スキルを解除してから雪乃の方に視線を向ける。
「本読んでたんじゃないのか?」
「そうよ。だけど流石に自分の名前が聞こえてきたら気になるじゃない。何話してたの?」
「あー…そう、あれだよっ 雪乃さあよくたけといるだろう? なんでなんだろうと思ってさ」
「なんでって…」
そわそわとして雪乃が落ち着きが無くなる。視線はキョロキョロとあっちこっち見てるし、手をムニムニとこねくり回している。
「…わいから」
「ん?」
ちょっと声が小さくてよく聞き取れなかった。俺は再び口を開くのを待つ。
「知らない人ばかりだと怖いでしょう!? 響子も良太も忙しそうだし、空いてるの武だけじゃないっ」
「えぇ~っ?」
そんな理由でたけと一緒にいたの? 俺だけじゃなくたけも驚いた顔をしていた。
「そんなことを聞くためにきたの? だったらさっさとやること済ませてきなさいよ!!」
「お、おうっ」
なんか知らないが雪乃に怒られて追い返されてしまった。立ち去り際にちらりと3人がいる方を見ると雪乃はたけにつかみかかっているが、それをルリアーナさんは止めようともせずただじっと雪乃を見つめていた。
「~~~~~っ こんにちはじゃね!! おどろいたじゃねーかっ」
そうだね。空から人が降ってくるとか誰が見ても驚く光景ですね。ほんとすまんとしか言いようがない。いやまさかアスが大きくなって空を飛べるようになったのかと思ったんだけど、まさかスキルでその状態を保っていただなんて気がつかなかったんだよ。
「空からやってくるなんて変わってますね」
変わってるで済ませられるんだ…やはり上に立つ人は肝が据わっていらっしゃる。だけどちょうどいい。ちらりと雪乃の方を見るとどこから手に入れてきたのかわからないが本を読みだしていた。たけに話を聞いてみるなら今がチャンスかもしれない。
「なあたけちょっと聞いていいか?」
「…何をだ?」
「雪乃ってたけとどうやって知り合ったんだ?」
さっきまでちょっと不機嫌そうにしていたたけがゆっくりと俺の方に顔を向けた。その顔は何言ってんだこいつって今にも言いたそうにしていた。
「は? どうやってって子供のころから知っているだろう??」
「いや俺は高校に上ってからたけに紹介されたんだが…響子もお前が連れてきたって言ってたぞ」
「…いや、だけど小さなころから傍にいてお姉さんみたいに…あれ? お姉さんじゃおかしいよな。言われてみれば雪乃の子供のころの姿が思い出せない…かも」
俺とたけは顔を見合わせ首を傾げる。傍で話を聞いていたルリアーナさんも何やら考え込んでいるみたいだ。
「…大賢者」
「え?」
「賢者だって魔法に長けた職業です。さらにその上にあるのが大賢者だと言われています。私は詳しくは知りませんけど、今まで大賢者の使用出来る魔法やスキルについての情報が開示されたことがありませんね」
「ルリアーナさん?」
「リョータさんが色んな魔法やスキルが使えることはわかっていますが…魔法に特化した人が相手に魔法の能力だけで勝てるのでしょうか? 何が言いたいのかといいますと、何かしら魔法でそれが当たり前だと思わされている可能性もあるということです。それに打ち勝てる力は流石にないんじゃないんですか?」
言われてみればステータスが高いだけで大してそういった魔法やスキルに対する耐性があるわけじゃない。ついこの間もはめてしまった腕輪のせいで意識がぼんやりとしていた。
「何が目的かわかりませんが…警戒したほうがいい人物ということですね」
「雪乃が…?」
「私が何かしら?」
おっと話をしていたらいつの間にか雪乃が俺の後ろに立っていた。
「というかリョータなんなのそれは…変わった遊びね」
…ああ、そういえば俺とアスはまだダークネスで繋がったままだったわ。スキルを解除してから雪乃の方に視線を向ける。
「本読んでたんじゃないのか?」
「そうよ。だけど流石に自分の名前が聞こえてきたら気になるじゃない。何話してたの?」
「あー…そう、あれだよっ 雪乃さあよくたけといるだろう? なんでなんだろうと思ってさ」
「なんでって…」
そわそわとして雪乃が落ち着きが無くなる。視線はキョロキョロとあっちこっち見てるし、手をムニムニとこねくり回している。
「…わいから」
「ん?」
ちょっと声が小さくてよく聞き取れなかった。俺は再び口を開くのを待つ。
「知らない人ばかりだと怖いでしょう!? 響子も良太も忙しそうだし、空いてるの武だけじゃないっ」
「えぇ~っ?」
そんな理由でたけと一緒にいたの? 俺だけじゃなくたけも驚いた顔をしていた。
「そんなことを聞くためにきたの? だったらさっさとやること済ませてきなさいよ!!」
「お、おうっ」
なんか知らないが雪乃に怒られて追い返されてしまった。立ち去り際にちらりと3人がいる方を見ると雪乃はたけにつかみかかっているが、それをルリアーナさんは止めようともせずただじっと雪乃を見つめていた。
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