9 / 11
第3章 国家編
エピソード9 動き出す世界、歩き続ける者たち
しおりを挟む
王国に名が刻まれたからといって、
すぐに何かが起きるわけではない。
――だが、空気は確実に変わった。
村の周囲で、
見慣れない足跡が増え始めていた。
「人間のものだな」
グルクが、地面を見下ろす。
「偵察だろう」
俺は影を伸ばし、森の縁をなぞった。
深くは入ってこない。
だが、隠そうともしていない。
(……様子見、か)
ドワーフの鍛冶場では、
新しい音が増えていた。
金属と金属が噛み合う音。
試作品を振るう風切り音。
「王国が動くなら、
こっちも“備え”を見せとくべきだ」
バルドゥンが、短く言う。
「攻める気はないが、
攻められても折れねえ、ってな」
ゴブリンたちは、
新しい武器を手にしても浮かれなかった。
戦いは、
もう“特別なもの”じゃない。
続くための、現実だ。
夜。
俺は村の外れで、
影を広げながら考えていた。
(……次は、人間だ)
戦いか。
交渉か。
選択肢はある。
だが、どれも重い。
その時、
影の端が、微かに揺れた。
(……生きてるな)
遠く。
だが、確かに感じる。
――アルトたちの気配。
⸻
一方その頃
――アルトたち
山道を越えた先、
小さな交易村があった。
「……助かった」
アルトは、膝に手をついて息を吐く。
装備は、まだ粗末。
だが、以前よりも無駄がない。
ミリアは、村人の子供の傷を癒していた。
「大丈夫だよ。
すぐ治るから」
光は弱い。
だが、安定している。
フェンは、地面に図を書きながら、
罠の配置を説明していた。
「ここをこうすれば、
魔物は足を取られる」
村人たちは、真剣に聞いている。
――彼らは、もう「守られる側」じゃない。
夜、三人は焚き火を囲んだ。
「……俺たち、
勇者っぽくなってきたな」
アルトの言葉に、ミリアが苦笑する。
「でも、剣も魔法も、
全然足りないよ」
「それでいい」
フェンが、静かに言う。
「ノクスの村は、
強さだけじゃなかった」
沈黙。
アルトが、剣を見つめる。
「俺さ……
あの村を守るために、
外を知るって決めたんだ」
ミリアが頷く。
「私も。
人間の世界を知らないと、
助け方も選べない」
フェンは、少し笑った。
「じゃあ――
俺たちは、影の外側から動く役だな」
三人は、杯を軽く合わせる。
誰にも言わない。
あの村のことは。
だが――
守るために、広めないという選択。
それもまた、戦いだ。
⸻
影の村では、
新しい鍛冶の火が灯り続けている。
王国は、動く。
魔物も、動く。
そして――
人間たちも、少しずつ変わっていく。
地底で生まれた魔物の王は、
まだ動かない。
だが、確実に知っている。
世界は、もう止まらない。
夜明け前。
村の外れで、見張りのゴブリンが低く声を上げた。
「……来る」
俺は、すぐに気配を広げる。
数は多くない。
五、いや――六。
だが、その“質”に覚えがあった。
(……ヴァルガの群れの、生き残りか)
柵の外、霧の中から姿を現したのは、
あの夜に戦った魔獣たちだった。
狼型、骨を纏った獣、
夜に適応した目。
だが――
殺気がない。
それどころか、歩みは遅く、
頭は低い。
ゴブリンたちがざわつく。
「王、危険だ」
「また襲ってくるかもしれない」
グルクの槍が、わずかに前へ出る。
俺は、手を上げた。
「待て」
そして、一歩、柵の外へ出る。
影を人型に整え、
敵意を完全に引っ込める。
「……話をしに来たんだろう」
魔獣たちは、驚いたように目を見開いた。
先頭にいた、灰色の毛並みの魔獣が口を開く。
「……我らは、ルゥ残群」
ヴァルガ=ルゥに従っていた者たち。
「主を失い、
森を追われた」
声は低く、かすれている。
「復讐ではないのか」
俺が問うと、
魔獣は首を振った。
「復讐は、喰う理由にならない」
その言葉に、村の空気が変わる。
――ヴァルガと、同じ考え方だ。
「我らは、弱くなった」
魔獣は続ける。
「主を失い、
群れとしての意味を失った」
一歩、前へ。
「だから――
問う」
魔獣の目が、俺を真っ直ぐ見る。
「お前は、
なぜ主を喰った?」
ゴブリンたちが、息を呑む。
俺は、少しだけ考えてから答えた。
「終わらせないためだ」
「……?」
「喰い続ける群れは、
いつか人間に潰される」
それは、魔獣たちも知っている未来。
「だが、続く場所があれば、
喰わずに生きる道が生まれる」
沈黙。
やがて、魔獣が低く唸った。
「……主と、同じ答えだ」
胸が、わずかに締め付けられる。
ヴァルガは、最後にそう言った。
「ここでは、
決まりを守る」
俺は、はっきり告げる。
「無意味な殺しは禁止。
村の中では、力は最優先じゃない」
魔獣たちが、互いを見る。
戸惑い。
だが、拒絶ではない。
「仕事はある」
俺は、続けた。
「森の警戒、夜の巡回、
人間が近づいた時の“抑止”」
ゴブリンでは担いきれない役割。
「その代わり、
居場所と、食事を与える」
灰色の魔獣は、しばらく黙っていた。
そして――
頭を下げた。
「……従う」
その瞬間、
村にいた誰もが言葉を失った。
敵だった魔獣が、
自ら膝を折る。
それは、力による服従ではない。
選択だった。
⸻
その日から、
村の夜は変わった。
森の外周を、
魔獣たちが静かに巡る。
ゴブリンの子供たちは、
最初こそ怯えていたが、
やがて慣れた。
「……番犬みたいだな」
「犬よりでかいけどな」
笑い声が、戻る。
グルクが、俺の隣で言った。
「王……
敵を受け入れるのは、
難しい決断だ」
「簡単な方を選ぶと、
続かない」
俺は、そう答えた。
夜、焚き火の前で、
魔獣の一体が静かに言った。
「……ヴァルガが、
最後に言っていた」
「何をだ」
「“喰われるなら、
選べる者に喰われたい”と」
俺は、影を揺らす。
「……悪い趣味だな」
だが――
否定はしなかった。
こうして、
影の村にはまた一つ、
異なる牙が加わった。
ゴブリン。
人間。
ドワーフ。
意思ある魔獣。
どれも、本来なら
共に生きられない存在。
それでも――
ここでは、続いている。
そして、森の外では。
人間の斥候が、
新たな報告を書き留めていた。
「影の村、
魔獣をも従える兆候あり」
世界は、確実に知り始めている。
それが“村”ではなく、
“国”になりつつあることを。
すぐに何かが起きるわけではない。
――だが、空気は確実に変わった。
村の周囲で、
見慣れない足跡が増え始めていた。
「人間のものだな」
グルクが、地面を見下ろす。
「偵察だろう」
俺は影を伸ばし、森の縁をなぞった。
深くは入ってこない。
だが、隠そうともしていない。
(……様子見、か)
ドワーフの鍛冶場では、
新しい音が増えていた。
金属と金属が噛み合う音。
試作品を振るう風切り音。
「王国が動くなら、
こっちも“備え”を見せとくべきだ」
バルドゥンが、短く言う。
「攻める気はないが、
攻められても折れねえ、ってな」
ゴブリンたちは、
新しい武器を手にしても浮かれなかった。
戦いは、
もう“特別なもの”じゃない。
続くための、現実だ。
夜。
俺は村の外れで、
影を広げながら考えていた。
(……次は、人間だ)
戦いか。
交渉か。
選択肢はある。
だが、どれも重い。
その時、
影の端が、微かに揺れた。
(……生きてるな)
遠く。
だが、確かに感じる。
――アルトたちの気配。
⸻
一方その頃
――アルトたち
山道を越えた先、
小さな交易村があった。
「……助かった」
アルトは、膝に手をついて息を吐く。
装備は、まだ粗末。
だが、以前よりも無駄がない。
ミリアは、村人の子供の傷を癒していた。
「大丈夫だよ。
すぐ治るから」
光は弱い。
だが、安定している。
フェンは、地面に図を書きながら、
罠の配置を説明していた。
「ここをこうすれば、
魔物は足を取られる」
村人たちは、真剣に聞いている。
――彼らは、もう「守られる側」じゃない。
夜、三人は焚き火を囲んだ。
「……俺たち、
勇者っぽくなってきたな」
アルトの言葉に、ミリアが苦笑する。
「でも、剣も魔法も、
全然足りないよ」
「それでいい」
フェンが、静かに言う。
「ノクスの村は、
強さだけじゃなかった」
沈黙。
アルトが、剣を見つめる。
「俺さ……
あの村を守るために、
外を知るって決めたんだ」
ミリアが頷く。
「私も。
人間の世界を知らないと、
助け方も選べない」
フェンは、少し笑った。
「じゃあ――
俺たちは、影の外側から動く役だな」
三人は、杯を軽く合わせる。
誰にも言わない。
あの村のことは。
だが――
守るために、広めないという選択。
それもまた、戦いだ。
⸻
影の村では、
新しい鍛冶の火が灯り続けている。
王国は、動く。
魔物も、動く。
そして――
人間たちも、少しずつ変わっていく。
地底で生まれた魔物の王は、
まだ動かない。
だが、確実に知っている。
世界は、もう止まらない。
夜明け前。
村の外れで、見張りのゴブリンが低く声を上げた。
「……来る」
俺は、すぐに気配を広げる。
数は多くない。
五、いや――六。
だが、その“質”に覚えがあった。
(……ヴァルガの群れの、生き残りか)
柵の外、霧の中から姿を現したのは、
あの夜に戦った魔獣たちだった。
狼型、骨を纏った獣、
夜に適応した目。
だが――
殺気がない。
それどころか、歩みは遅く、
頭は低い。
ゴブリンたちがざわつく。
「王、危険だ」
「また襲ってくるかもしれない」
グルクの槍が、わずかに前へ出る。
俺は、手を上げた。
「待て」
そして、一歩、柵の外へ出る。
影を人型に整え、
敵意を完全に引っ込める。
「……話をしに来たんだろう」
魔獣たちは、驚いたように目を見開いた。
先頭にいた、灰色の毛並みの魔獣が口を開く。
「……我らは、ルゥ残群」
ヴァルガ=ルゥに従っていた者たち。
「主を失い、
森を追われた」
声は低く、かすれている。
「復讐ではないのか」
俺が問うと、
魔獣は首を振った。
「復讐は、喰う理由にならない」
その言葉に、村の空気が変わる。
――ヴァルガと、同じ考え方だ。
「我らは、弱くなった」
魔獣は続ける。
「主を失い、
群れとしての意味を失った」
一歩、前へ。
「だから――
問う」
魔獣の目が、俺を真っ直ぐ見る。
「お前は、
なぜ主を喰った?」
ゴブリンたちが、息を呑む。
俺は、少しだけ考えてから答えた。
「終わらせないためだ」
「……?」
「喰い続ける群れは、
いつか人間に潰される」
それは、魔獣たちも知っている未来。
「だが、続く場所があれば、
喰わずに生きる道が生まれる」
沈黙。
やがて、魔獣が低く唸った。
「……主と、同じ答えだ」
胸が、わずかに締め付けられる。
ヴァルガは、最後にそう言った。
「ここでは、
決まりを守る」
俺は、はっきり告げる。
「無意味な殺しは禁止。
村の中では、力は最優先じゃない」
魔獣たちが、互いを見る。
戸惑い。
だが、拒絶ではない。
「仕事はある」
俺は、続けた。
「森の警戒、夜の巡回、
人間が近づいた時の“抑止”」
ゴブリンでは担いきれない役割。
「その代わり、
居場所と、食事を与える」
灰色の魔獣は、しばらく黙っていた。
そして――
頭を下げた。
「……従う」
その瞬間、
村にいた誰もが言葉を失った。
敵だった魔獣が、
自ら膝を折る。
それは、力による服従ではない。
選択だった。
⸻
その日から、
村の夜は変わった。
森の外周を、
魔獣たちが静かに巡る。
ゴブリンの子供たちは、
最初こそ怯えていたが、
やがて慣れた。
「……番犬みたいだな」
「犬よりでかいけどな」
笑い声が、戻る。
グルクが、俺の隣で言った。
「王……
敵を受け入れるのは、
難しい決断だ」
「簡単な方を選ぶと、
続かない」
俺は、そう答えた。
夜、焚き火の前で、
魔獣の一体が静かに言った。
「……ヴァルガが、
最後に言っていた」
「何をだ」
「“喰われるなら、
選べる者に喰われたい”と」
俺は、影を揺らす。
「……悪い趣味だな」
だが――
否定はしなかった。
こうして、
影の村にはまた一つ、
異なる牙が加わった。
ゴブリン。
人間。
ドワーフ。
意思ある魔獣。
どれも、本来なら
共に生きられない存在。
それでも――
ここでは、続いている。
そして、森の外では。
人間の斥候が、
新たな報告を書き留めていた。
「影の村、
魔獣をも従える兆候あり」
世界は、確実に知り始めている。
それが“村”ではなく、
“国”になりつつあることを。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす
蒼月よる
ファンタジー
七日後、この港に神罰が落ちる。
追放された元観測士イオナだけが、その事実を知っていた。
しかも災害は自然現象ではない——誰かが、意図的に引き起こそうとしている。
港の上層部はすでに手を打っていた。「下層区画を緩衝被害区として切り捨てる」秘密契約。被害を最小限に見せかけ、体制を守る冷徹な計画だ。
イオナは元護送隊長ガルム、荷運び組合長メラとともに動き出す。
犯人を暴き、証拠を公開し、住民を逃がし、工廠を止める——すべてを七日で。
被害を「選ぶ」管理か、全員を「残す」運用か。
追放観測士の、七日間の港湾カウントダウン・サスペンス。
この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。
・世界観・設定の管理補助
・プロット段階の壁打ち
・作者による執筆後の校正
勝手にしろと言われたので、勝手にさせていただきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
子爵家の私は自分よりも身分の高い婚約者に、いつもいいように顎でこき使われていた。ある日、突然婚約者に呼び出されて一方的に婚約破棄を告げられてしまう。二人の婚約は家同士が決めたこと。当然受け入れられるはずもないので拒絶すると「婚約破棄は絶対する。後のことなどしるものか。お前の方で勝手にしろ」と言い切られてしまう。
いいでしょう……そこまで言うのなら、勝手にさせていただきます。
ただし、後のことはどうなっても知りませんよ?
* 他サイトでも投稿
* ショートショートです。あっさり終わります
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる