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幼少期:共和国編
お買い物
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グロリアスの王位継承の義が終了した次の日。
次期国王が正式に決まったこともあり、王都の様相はまさにお祭り騒ぎ。
王国祭ほどではないにしろ他国の重鎮もよく来ており、警備の厳重さも中々の物である。
「このまま直進していればつくようですよ」
「ありがとう。エラがいなかったら店までたどり着けてたか怪しかったよ」
「今日は特に人が多いですからね。こうして手を繋いでいないとはぐれてしまいますし」
王都内でエルピスが地図を見ずに歩ける場所は食事処が多い地域か、王城までの一本道である大通りくらいの物。
商業区は大本が商人たちが店を構えた場所が同じような場所でそこから発展していったという背景があるので、他の場所に比べて区画整理が行われておらず一人で来ていたら迷うまで10分もかからないだろう。
嬉しそうに手をつなぎながら先導してくれているエラは自分が道に迷うことを確信していたエルピスが頼んだものであり、頼られたことが随分と嬉しかったのかいつになくご機嫌だ。
(大きくなったなぁエラも)
この3年間で彼女もかなり成長しており、いまでは年齢も16歳といったところ。
背は160センチ近くとそれなりに伸びており、少し幼さの残っていた顔立ちも今となっては大人らしさを感じられるものへと変わっていた。
成長した彼女の姿に時々ドキッとすることもあるエルピスだったが、それでも実際彼女に対しての認識は可愛い姪っ子のようなものである。
「着きましたよ。ここです」
エラに案内されてやってきた場所は商業区の中でも特に高額な商品を取り扱っている衣服屋だ。
木造二階建てのシックな雰囲気を携えた店舗は、庶民的な感覚を持つエルピスからしてみれば入ることすら躊躇ってしまうほどの重厚感を感じられる。
懐にある国王からの紹介状がなければ本当に入っていいのかどうか、それすらも判断しかねていたところだ。
ドキドキしながら店舗に対して足を向けると、店の外にいたおそらくは店員であろう男性がうやうやしく頭を下げてくる。
「いらっしゃいませ。エルピス・アルへオ様でいらっしゃいますね。お待ち申し上げておりました」
「あ、そ、そうです。これ紹介状です」
丁寧な店員の対応にしどろもどろしながら懐から紹介状を取ると、店員はそれを受け取り誰からの物なのかを確認しながら丁重に受け取る。
一つのしぐさを取ってみても美しさが感じられるほどに洗練されており、フランクな王族達しか相手にしてこなかったエルピスはさらに体がガチガチに固まってしまっていた。
助けを求めるようにしてエラに視線を送ってみるが彼女はこういった場所にはどうやら慣れているようで、メイドとして失礼のないような態度を取っておりエルピスとしてはさらに一人浮いてしまっている自分が恥ずかしく感じられる。
「ありがとうございます。本日はエルピス様のために、当店を貸し切りとさせていただいております。どうぞお気兼ねなくお過ごしくださいませ。では、ご案内いたします。」
「失礼します」
案内されるがままにエルピスは店の中へと入っていく。
魔道具によって適切な温度に設定された店内は非常に心地よい環境で、店内に並ぶ服はどれも一目見れば一級品であることがわかる。
「王都を出立され、他国を巡られると伺っております。そのため、こちらでいくつか必要と思われる品をリストアップさせていただきました。もし、すでにお決めになられている商品がなければ、こちらからご提案させていただきたく存じますが、いかがでしょうか?」
「で、ではそれで」
「かしこまりました。では――」
とんとん拍子に話が進んでいく様をどこか他人事のように眺めながら、エルピスは自分で判断することをとりあえず放棄して相手のペースに任せることで難を逃れる。
まず店員が提示してきたのはローブなどの外装だ。
沼地に住まう龍の体表を用いて作られており、灰褐色のその外套は外気を遮断し熱にも強い耐性があるとかどうとか。
背中には模様を刻むことができ、幻想馬の角を糸状に加工したものでアルへオ家の家紋を掘るとのこと。
1着いくらか尋ねてみると目玉が飛び出そうな金額を請求されたが、幸い王国祭で開発した魔法の費用で問題なく支払える程度ではあったので眠らせておくのも悪いだろうと首を縦に振るエルピス。
事前にグロリアスから出立に際してかかる金額を全て王国が負担するという話もあったので、格好つけないで乗っておくべきだったかななんて事を思うエルピス。
そんなことをしている間にも店員が持ち出してくる商品に対し、無条件で首を縦に振り続けること数十分。
「――以上で全ての商品となっております」
気が付けば両手で持って帰ることも不可能なほどの量を購入したエルピスは、店員の言葉で意識を取り戻す。
店の一角に小さな山のようになってしまっている商品達。
これにいくらかかったのか考えることも怖いので、エルピスはとりあえずそれらを収納庫にすべて押し込む。
「ありがとうございました」
店員に見送られ、エルピスは店を後にする。
そうして数分歩いて、近くにあった出店の串焼き肉を頬張り、一息ついてようやく落ち着くことができた。
「……なんかすごい買い物した気がする」
「エルピス様、意外と思い切ったお買い物されるんですね」
「いや、俺も最初はこんな買うつもりなかったんだけどね」
振り返ってみればちゃんとした場所で自分がメインとして行った買い物はエルピスにとってこれが初めての事だ。
実際問題上手く乗せられて必要なのかどうかすらも分からないまま購入してしまっていたが、在庫処分として押し付けられるようなことはなく本当に必要な物だけを提示されていたのは同行してたエラが確認済みである。
さすがに国王から直々に指名されるだけあり、店としての格式や振る舞いというものは格別のものがあった。
これから様々な国の様々な店を回ることは確実なので、それを考えれば出立前に高級店がどのようなものなのか確認できたのはエルピスにとって良い経験になったことは間違いない。
「なんかどっと疲れたな。あとどこ回るんだっけ」
「食器類と馬車の調達、冒険者組合に護衛依頼を出しに行かないといけませんし国境を超えるために必要な書類を用意する必要もありますね。他にも――」
「まって、一回待って。そんなにやってたら死んじゃう」
もしエルピスが責任も立場もない人間だったなら、金だけ持ってそのままそこら辺の乗合馬車に飛び乗るか走って次の街にまで行くような行動もとれただろう。
ただ其れなりに名前も通っている上に正式に国外に出る必要があるので、やらなければいけないことや用意しなければならない物の数はとんでもなく多い。
アルへオ家にはもちろんこれらの雑務を担当している人間がいて今回もいろいろと手回しをしてくれる予定だったのだが、何をとち狂ってしまったのかエルピスは自分でやると宣言してしまったのでこんなにも大変なことになっているのだ。
「わかった、一旦こうしよう。冒険者組合と書類関係は一旦全部後回し、買い物を今日中に終わらせよう」
「別にそこまで急ぐ必要もないと思いますが……なにか用事でもあるのですか?」
「用事はないんだけど他国に行くって言った手前、なんとなく気まずさがね?」
別に一、二週間くらい準備にかかるのは普通の事。
多少手間取ったところで初めてエルピスが旅に出るのは周りも知っている事なので、気にする人間は一人も居ないだろう。
そう考えるエラだったが、主人が早く行きたいと言っている手前不躾なことは口にせずただ微笑むのみだ。
「分かりました。なら今日の内に終わらせられるよう、頑張りましょう!」
そうして意気込んだエラとエルピスは街へと繰り出していく。
二人きりで手を結び、街を歩くという状況に少しだけ頬を赤く染めるエラを他所に、エルピスは数ページに渡る購入予定の商品に頭を悩ませるのだった。
△▽△▽
時刻は夕暮れ。
グロリアスの国王就任が決まり二日目。
昼間のお祭り騒ぎは酒が入り始めた事で、さらに大きな物へと変わり夜の街を楽しく彩っていた。
そんな中で場所は変わって王城の一角。
メイド達でも選ばれた者しか入ることが許されていない区画である王族達の私室。
普段は静かなその区画は今日、いつになく大きな音が鳴り響いていた。
「――さすがにマズいって!!」
大声を出しながら今すぐにでも走り出そうとしている人物を羽交い絞めにしているのは、近衛兵として最近修練をつけ始めたばかりの男、ルークである。
第二王子が直々に取り押さえるほどだ、事態の緊急性がどれほどの物なのかは語るまでもない。
「離しなさいルーク! これは国家の一大事なのよ!」
「国を言い訳にしてやって良い事とダメなことがあるでしょ姉さん!」
「そうだよお姉ちゃん!」
アデルとルーク二人係でも止められないほどの膂力で外に出ようともがくエリーゼ。
その手には明らかに長期間外で滞在することを考えて作られただろう巨大な鞄が握られており、勘の良い二人はいまから姉がどこに突撃するつもりであるかを理解していた。
(くそぅ! 廊下に出て偶然姉ちゃん見つけたのが運の尽きか!)
ルークが心の中でそう呟いてしまうのも無理はない。
エルピスが出立を告げた時、やけに姉の反応が薄いなと思っていたルークはもしかしてと思って姉の動向を監視していたのだが、そうしたら案の定これである。
親族として、姉の行動は褒められたやり方ではないが応援はしたい。
だが王族という立場が責任ある立場の人間を好き勝手にさせていけないとルークとアデルの本能に呼びかけていた。
そしてそれはつい先日、次期国王となることが決まったグロリアスにも同じことが言える。
「そこまでだよエリーゼ。あんまりエルピスさんに迷惑かけるようなことしないで」
「そうは言うけど兄さん。本当に私が着いていって迷惑になるのかしら?」
「──たとえば?」
国政、特にここ一番の判断力に関してグロリアスは天賦の才を持っていた。
戦闘など瞬間的な判断力とは違い、状況から物事を理論立てて将来のことを推察する能力がズバ抜けているのだ。
その力はもしグロリアスが第二、第三王子に生まれていたとしても国王になっていたことは確実だと周囲から思われるほどである。
だがそんなグロリアスをして油断ならないのは、エリーゼの交渉事などにおける駆け引きのうまさと情報の取り扱い方である。
有利なのは先手を取ったグロリアス、だがエリーゼは身振り手振りでこの場を己のものに仕立て上げることが出来た。
「第一は私の交渉技術、二つ目は他国情勢に詳しいこと。三つ目は宗教関連の問題事を私なら解決できる」
「……なるほど。でも別にそれらは公務を放り出してするほどの事なの? エルピスさんなら勝手に自分でなんとかできる問題でしょ?」
エルピスがもし同行していいかと聞かれたら、立場を抜きにすれば喜んで両手を上げて迎え入れるだろう。
実際問題として交渉事を担当できるのがエラくらいしかいないので、どうにかできるというグロリアスの評価はエルピスの事を少々買いかぶりすぎだと言える。
「なんとかは、できるでしょう。ただ王国にとって、アルヘオ家と仲良くしているアピールをするには兄さんじゃ弱い。男同士の友情、それは結構なことですけれど、結局誰にでも伝わる最大の証は左手の指輪よ。兄さんは国王として子を成す責務があるし、エルピスさんの恋愛対象は女性。この時点で王国にも利があるわ」
王族として切れるカードの中で最も強い結婚。
私情が多分に含まれているだろうとは思われるが、それでも結婚を表に出して話を進められるほどに覚悟を決めているのはそれだけで話が変わってくる。
互いの視線が交差し、お互いの真意がどこにあるのかを確認するような時間が一瞬経過。
少しして耐えきれなくなったようにグロリアスが言葉を発する。
「分かった、そこまで本気だとは僕も思ってなかった。ならこの話を聞いてから行くかどうか決めればいい。それでも行くって言うなら僕は応援する」
「兄さんがそこまでいうなら、余程のことなんでしょうね」
王族の中でもグロリアスが触れる情報の量は他の王族と比べ物にならない。
そんなグロリアスが自分を止めるために隠していた情報を明かすのだ、自然とエリーゼは次に出てくる言葉に対して構えを取ってしまう。
「内密な話だが、アウローラの一件に王国教会が関与している証拠が出た」
「おいおいマジかよ兄さん」
「ここだけの話だぞ。漏らせばお前らでも庇いきれない」
「なんでそんな話ここで急にするのさ!」
ルークとアデルがそれぞれいきなり国家の基盤を揺るがすような問題に巻き込まれて非難の嵐を浴びせるが、グロリアスとしては居合わせた不幸を呪ってもらうしかない。
「それはごめん、どうせあとあと二人にはする話だしいまはこの近辺には誰もいないよ。アルさんに見てもらってるし近衛も周りに控えてる」
これだけ王族が集まっているので当然の話ではあるが、重要機密を口に出しても外に一切漏れ出ないという確信があるほどにこの場所は安全で機密性が高い。
だからといって唐突に話す内容ではないのだが、そこはそれ。
グロリアスの言葉を聞いて考えが完全に止まってしまっていたエリーゼだったが、かなり間をおいて頭の中の整理が付く。
「──そう。そういうことね」
「今回の王位継承権移行で一部の教会の人間が擦り寄ってきていた。確証はないがそいつらから芋蔓式に引っ張り出して教会の泥を濯ぐ」
教会は王国と権限を別にして動く独自の組織だ。
大元は王政とは別に王国に存在しない神を願う一部の勢力が集まり細々と始まった偶像崇拝は、気がつけば王政をひっくり返す可能性があるほどの力を持っていた。
王権を振るい教会を解体すれば国民からの反対は必死、故に王国にとって害意のある者達はこぞって教会に取り入ったのだ。
いまや教会は王国にとって癌そのものであり、いずれどこかで王政をひっくり返そうとする教会をなんとかするのがエリーゼの目標だった。
そして今回、教会に明確な弱点が発生する。
いつもは可能な限り王族を排除し、自分たちだけで活動していた教会側が今回グロリアスに擦り寄ってきたのはアウローラの一件がそれだけ教会にとってまずい出来事だったに他ならない。
第一に法国の神がお気に入りとしている法皇の後継を救っていること。
第二にその襲撃事件に教会の人間が関わっていたことだ。
すでに当事者は不幸な事故に遭ってこの世にいないとのことだが、王政だけでなく実在する神に喧嘩を売ってしまった教会の立場は設立以来最悪と言って良い。
「そうなったら教会の頂点の座を私が掠め取れるということね」
「そう言うこと。エリーゼが望んでいたポスト、その最上位のものが手に入る。王国は教会を飲み込み正式に国教を樹立することで更なる躍進を遂げることが出来る」
国家にとっても自分にとってもこれ以上ない最高のチャンス。
エリーゼにとってどちらもまたとないチャンスではあるが、いまの自分の気持ちとこの国を発展させていきたいという王族としての金地を冷静に天秤にかけ、エリーゼは自分の心がどちらに傾いているかを冷静に判断する。
「…………そう。分かったわ、分かった」
その長い沈黙からの言葉は、エリーゼがこの国に残ることを言外に示していた。
女性としての喜びと、王族としての喜び、どちらを選択するべきなのか王族として産まれたときに既に決まってしまっている。
「………………素直に背中を押して行ってこいって言ってやれなくてゴメン」
「いいのよ。兄さんは悪くないし、ルークとアデルも迷惑かけたわね」
「全然良いよ、気にしないで」
「家族だもん! これくらい平気!」
どうやら一先ず丸く収まったと安堵する二人。
姉にとっては少々わだかまりが残る結果にはなったかもしれないが、教会の統治も姉が幼いころから話していた夢の話なので他の王族にそこまで重たい空気はない。
そんな中、ふとエリーゼが思い出したように再び大きな爆弾を投下する。
「それにしても。そうなってくると少しまずいことがあるわね」
「なんかあったっけ?」
エリーゼの言葉にまだ何かあるのかと言いたげなグロリアス。
だがこればっかりはエリーゼ自身も予想していなかったことなので仕方がないといえば仕方がないのかもしれない。
「アウローラにエルピスと抜け駆けして外に出るって挑発の手紙送ったから、いま頃死ぬ気でこっちにきてるくらいね」
アウローラは現在王都にいない。
理由としては緊急性の高い法国の人間との会合が急遽組まれたからであり、現在王国の人があまりいない地方でひっそりと会議を開いているのだ。
王位継承とかぶった時期にアウローラが呼び出されたこともあり3年前の事を思い出してひやりとしたが、法国が相手である事と近衛を護衛として連れていくことを条件に彼女は会議に参加した。
そんな大忙しのアウローラにわざわざ手紙を送ったことが理解できず、グロリアスは頭の上に疑問符を浮かべる。
「──えっ? なんでそんな事を?」
「女同士の戦いだもの、仕方ないわよね。それじゃあ私教会に行ってくるから、後のことは任せたわ兄さん」
「おい! 僕だって暇じゃないんだぞっ!!!」
ハメられたと理解したグロリアスは、王族としてではなく一人の兄として妹からの嫌がらせに抗議の意味も込めて叫ぶ。
だがこれ以上巻き込まれてはかなわないと他の面々は既に気が付けば離散しており、グロリアスは人の居なくなった廊下で一人なんとも言えない状況で現実逃避気味に天井を眺めるのだった。
次期国王が正式に決まったこともあり、王都の様相はまさにお祭り騒ぎ。
王国祭ほどではないにしろ他国の重鎮もよく来ており、警備の厳重さも中々の物である。
「このまま直進していればつくようですよ」
「ありがとう。エラがいなかったら店までたどり着けてたか怪しかったよ」
「今日は特に人が多いですからね。こうして手を繋いでいないとはぐれてしまいますし」
王都内でエルピスが地図を見ずに歩ける場所は食事処が多い地域か、王城までの一本道である大通りくらいの物。
商業区は大本が商人たちが店を構えた場所が同じような場所でそこから発展していったという背景があるので、他の場所に比べて区画整理が行われておらず一人で来ていたら迷うまで10分もかからないだろう。
嬉しそうに手をつなぎながら先導してくれているエラは自分が道に迷うことを確信していたエルピスが頼んだものであり、頼られたことが随分と嬉しかったのかいつになくご機嫌だ。
(大きくなったなぁエラも)
この3年間で彼女もかなり成長しており、いまでは年齢も16歳といったところ。
背は160センチ近くとそれなりに伸びており、少し幼さの残っていた顔立ちも今となっては大人らしさを感じられるものへと変わっていた。
成長した彼女の姿に時々ドキッとすることもあるエルピスだったが、それでも実際彼女に対しての認識は可愛い姪っ子のようなものである。
「着きましたよ。ここです」
エラに案内されてやってきた場所は商業区の中でも特に高額な商品を取り扱っている衣服屋だ。
木造二階建てのシックな雰囲気を携えた店舗は、庶民的な感覚を持つエルピスからしてみれば入ることすら躊躇ってしまうほどの重厚感を感じられる。
懐にある国王からの紹介状がなければ本当に入っていいのかどうか、それすらも判断しかねていたところだ。
ドキドキしながら店舗に対して足を向けると、店の外にいたおそらくは店員であろう男性がうやうやしく頭を下げてくる。
「いらっしゃいませ。エルピス・アルへオ様でいらっしゃいますね。お待ち申し上げておりました」
「あ、そ、そうです。これ紹介状です」
丁寧な店員の対応にしどろもどろしながら懐から紹介状を取ると、店員はそれを受け取り誰からの物なのかを確認しながら丁重に受け取る。
一つのしぐさを取ってみても美しさが感じられるほどに洗練されており、フランクな王族達しか相手にしてこなかったエルピスはさらに体がガチガチに固まってしまっていた。
助けを求めるようにしてエラに視線を送ってみるが彼女はこういった場所にはどうやら慣れているようで、メイドとして失礼のないような態度を取っておりエルピスとしてはさらに一人浮いてしまっている自分が恥ずかしく感じられる。
「ありがとうございます。本日はエルピス様のために、当店を貸し切りとさせていただいております。どうぞお気兼ねなくお過ごしくださいませ。では、ご案内いたします。」
「失礼します」
案内されるがままにエルピスは店の中へと入っていく。
魔道具によって適切な温度に設定された店内は非常に心地よい環境で、店内に並ぶ服はどれも一目見れば一級品であることがわかる。
「王都を出立され、他国を巡られると伺っております。そのため、こちらでいくつか必要と思われる品をリストアップさせていただきました。もし、すでにお決めになられている商品がなければ、こちらからご提案させていただきたく存じますが、いかがでしょうか?」
「で、ではそれで」
「かしこまりました。では――」
とんとん拍子に話が進んでいく様をどこか他人事のように眺めながら、エルピスは自分で判断することをとりあえず放棄して相手のペースに任せることで難を逃れる。
まず店員が提示してきたのはローブなどの外装だ。
沼地に住まう龍の体表を用いて作られており、灰褐色のその外套は外気を遮断し熱にも強い耐性があるとかどうとか。
背中には模様を刻むことができ、幻想馬の角を糸状に加工したものでアルへオ家の家紋を掘るとのこと。
1着いくらか尋ねてみると目玉が飛び出そうな金額を請求されたが、幸い王国祭で開発した魔法の費用で問題なく支払える程度ではあったので眠らせておくのも悪いだろうと首を縦に振るエルピス。
事前にグロリアスから出立に際してかかる金額を全て王国が負担するという話もあったので、格好つけないで乗っておくべきだったかななんて事を思うエルピス。
そんなことをしている間にも店員が持ち出してくる商品に対し、無条件で首を縦に振り続けること数十分。
「――以上で全ての商品となっております」
気が付けば両手で持って帰ることも不可能なほどの量を購入したエルピスは、店員の言葉で意識を取り戻す。
店の一角に小さな山のようになってしまっている商品達。
これにいくらかかったのか考えることも怖いので、エルピスはとりあえずそれらを収納庫にすべて押し込む。
「ありがとうございました」
店員に見送られ、エルピスは店を後にする。
そうして数分歩いて、近くにあった出店の串焼き肉を頬張り、一息ついてようやく落ち着くことができた。
「……なんかすごい買い物した気がする」
「エルピス様、意外と思い切ったお買い物されるんですね」
「いや、俺も最初はこんな買うつもりなかったんだけどね」
振り返ってみればちゃんとした場所で自分がメインとして行った買い物はエルピスにとってこれが初めての事だ。
実際問題上手く乗せられて必要なのかどうかすらも分からないまま購入してしまっていたが、在庫処分として押し付けられるようなことはなく本当に必要な物だけを提示されていたのは同行してたエラが確認済みである。
さすがに国王から直々に指名されるだけあり、店としての格式や振る舞いというものは格別のものがあった。
これから様々な国の様々な店を回ることは確実なので、それを考えれば出立前に高級店がどのようなものなのか確認できたのはエルピスにとって良い経験になったことは間違いない。
「なんかどっと疲れたな。あとどこ回るんだっけ」
「食器類と馬車の調達、冒険者組合に護衛依頼を出しに行かないといけませんし国境を超えるために必要な書類を用意する必要もありますね。他にも――」
「まって、一回待って。そんなにやってたら死んじゃう」
もしエルピスが責任も立場もない人間だったなら、金だけ持ってそのままそこら辺の乗合馬車に飛び乗るか走って次の街にまで行くような行動もとれただろう。
ただ其れなりに名前も通っている上に正式に国外に出る必要があるので、やらなければいけないことや用意しなければならない物の数はとんでもなく多い。
アルへオ家にはもちろんこれらの雑務を担当している人間がいて今回もいろいろと手回しをしてくれる予定だったのだが、何をとち狂ってしまったのかエルピスは自分でやると宣言してしまったのでこんなにも大変なことになっているのだ。
「わかった、一旦こうしよう。冒険者組合と書類関係は一旦全部後回し、買い物を今日中に終わらせよう」
「別にそこまで急ぐ必要もないと思いますが……なにか用事でもあるのですか?」
「用事はないんだけど他国に行くって言った手前、なんとなく気まずさがね?」
別に一、二週間くらい準備にかかるのは普通の事。
多少手間取ったところで初めてエルピスが旅に出るのは周りも知っている事なので、気にする人間は一人も居ないだろう。
そう考えるエラだったが、主人が早く行きたいと言っている手前不躾なことは口にせずただ微笑むのみだ。
「分かりました。なら今日の内に終わらせられるよう、頑張りましょう!」
そうして意気込んだエラとエルピスは街へと繰り出していく。
二人きりで手を結び、街を歩くという状況に少しだけ頬を赤く染めるエラを他所に、エルピスは数ページに渡る購入予定の商品に頭を悩ませるのだった。
△▽△▽
時刻は夕暮れ。
グロリアスの国王就任が決まり二日目。
昼間のお祭り騒ぎは酒が入り始めた事で、さらに大きな物へと変わり夜の街を楽しく彩っていた。
そんな中で場所は変わって王城の一角。
メイド達でも選ばれた者しか入ることが許されていない区画である王族達の私室。
普段は静かなその区画は今日、いつになく大きな音が鳴り響いていた。
「――さすがにマズいって!!」
大声を出しながら今すぐにでも走り出そうとしている人物を羽交い絞めにしているのは、近衛兵として最近修練をつけ始めたばかりの男、ルークである。
第二王子が直々に取り押さえるほどだ、事態の緊急性がどれほどの物なのかは語るまでもない。
「離しなさいルーク! これは国家の一大事なのよ!」
「国を言い訳にしてやって良い事とダメなことがあるでしょ姉さん!」
「そうだよお姉ちゃん!」
アデルとルーク二人係でも止められないほどの膂力で外に出ようともがくエリーゼ。
その手には明らかに長期間外で滞在することを考えて作られただろう巨大な鞄が握られており、勘の良い二人はいまから姉がどこに突撃するつもりであるかを理解していた。
(くそぅ! 廊下に出て偶然姉ちゃん見つけたのが運の尽きか!)
ルークが心の中でそう呟いてしまうのも無理はない。
エルピスが出立を告げた時、やけに姉の反応が薄いなと思っていたルークはもしかしてと思って姉の動向を監視していたのだが、そうしたら案の定これである。
親族として、姉の行動は褒められたやり方ではないが応援はしたい。
だが王族という立場が責任ある立場の人間を好き勝手にさせていけないとルークとアデルの本能に呼びかけていた。
そしてそれはつい先日、次期国王となることが決まったグロリアスにも同じことが言える。
「そこまでだよエリーゼ。あんまりエルピスさんに迷惑かけるようなことしないで」
「そうは言うけど兄さん。本当に私が着いていって迷惑になるのかしら?」
「──たとえば?」
国政、特にここ一番の判断力に関してグロリアスは天賦の才を持っていた。
戦闘など瞬間的な判断力とは違い、状況から物事を理論立てて将来のことを推察する能力がズバ抜けているのだ。
その力はもしグロリアスが第二、第三王子に生まれていたとしても国王になっていたことは確実だと周囲から思われるほどである。
だがそんなグロリアスをして油断ならないのは、エリーゼの交渉事などにおける駆け引きのうまさと情報の取り扱い方である。
有利なのは先手を取ったグロリアス、だがエリーゼは身振り手振りでこの場を己のものに仕立て上げることが出来た。
「第一は私の交渉技術、二つ目は他国情勢に詳しいこと。三つ目は宗教関連の問題事を私なら解決できる」
「……なるほど。でも別にそれらは公務を放り出してするほどの事なの? エルピスさんなら勝手に自分でなんとかできる問題でしょ?」
エルピスがもし同行していいかと聞かれたら、立場を抜きにすれば喜んで両手を上げて迎え入れるだろう。
実際問題として交渉事を担当できるのがエラくらいしかいないので、どうにかできるというグロリアスの評価はエルピスの事を少々買いかぶりすぎだと言える。
「なんとかは、できるでしょう。ただ王国にとって、アルヘオ家と仲良くしているアピールをするには兄さんじゃ弱い。男同士の友情、それは結構なことですけれど、結局誰にでも伝わる最大の証は左手の指輪よ。兄さんは国王として子を成す責務があるし、エルピスさんの恋愛対象は女性。この時点で王国にも利があるわ」
王族として切れるカードの中で最も強い結婚。
私情が多分に含まれているだろうとは思われるが、それでも結婚を表に出して話を進められるほどに覚悟を決めているのはそれだけで話が変わってくる。
互いの視線が交差し、お互いの真意がどこにあるのかを確認するような時間が一瞬経過。
少しして耐えきれなくなったようにグロリアスが言葉を発する。
「分かった、そこまで本気だとは僕も思ってなかった。ならこの話を聞いてから行くかどうか決めればいい。それでも行くって言うなら僕は応援する」
「兄さんがそこまでいうなら、余程のことなんでしょうね」
王族の中でもグロリアスが触れる情報の量は他の王族と比べ物にならない。
そんなグロリアスが自分を止めるために隠していた情報を明かすのだ、自然とエリーゼは次に出てくる言葉に対して構えを取ってしまう。
「内密な話だが、アウローラの一件に王国教会が関与している証拠が出た」
「おいおいマジかよ兄さん」
「ここだけの話だぞ。漏らせばお前らでも庇いきれない」
「なんでそんな話ここで急にするのさ!」
ルークとアデルがそれぞれいきなり国家の基盤を揺るがすような問題に巻き込まれて非難の嵐を浴びせるが、グロリアスとしては居合わせた不幸を呪ってもらうしかない。
「それはごめん、どうせあとあと二人にはする話だしいまはこの近辺には誰もいないよ。アルさんに見てもらってるし近衛も周りに控えてる」
これだけ王族が集まっているので当然の話ではあるが、重要機密を口に出しても外に一切漏れ出ないという確信があるほどにこの場所は安全で機密性が高い。
だからといって唐突に話す内容ではないのだが、そこはそれ。
グロリアスの言葉を聞いて考えが完全に止まってしまっていたエリーゼだったが、かなり間をおいて頭の中の整理が付く。
「──そう。そういうことね」
「今回の王位継承権移行で一部の教会の人間が擦り寄ってきていた。確証はないがそいつらから芋蔓式に引っ張り出して教会の泥を濯ぐ」
教会は王国と権限を別にして動く独自の組織だ。
大元は王政とは別に王国に存在しない神を願う一部の勢力が集まり細々と始まった偶像崇拝は、気がつけば王政をひっくり返す可能性があるほどの力を持っていた。
王権を振るい教会を解体すれば国民からの反対は必死、故に王国にとって害意のある者達はこぞって教会に取り入ったのだ。
いまや教会は王国にとって癌そのものであり、いずれどこかで王政をひっくり返そうとする教会をなんとかするのがエリーゼの目標だった。
そして今回、教会に明確な弱点が発生する。
いつもは可能な限り王族を排除し、自分たちだけで活動していた教会側が今回グロリアスに擦り寄ってきたのはアウローラの一件がそれだけ教会にとってまずい出来事だったに他ならない。
第一に法国の神がお気に入りとしている法皇の後継を救っていること。
第二にその襲撃事件に教会の人間が関わっていたことだ。
すでに当事者は不幸な事故に遭ってこの世にいないとのことだが、王政だけでなく実在する神に喧嘩を売ってしまった教会の立場は設立以来最悪と言って良い。
「そうなったら教会の頂点の座を私が掠め取れるということね」
「そう言うこと。エリーゼが望んでいたポスト、その最上位のものが手に入る。王国は教会を飲み込み正式に国教を樹立することで更なる躍進を遂げることが出来る」
国家にとっても自分にとってもこれ以上ない最高のチャンス。
エリーゼにとってどちらもまたとないチャンスではあるが、いまの自分の気持ちとこの国を発展させていきたいという王族としての金地を冷静に天秤にかけ、エリーゼは自分の心がどちらに傾いているかを冷静に判断する。
「…………そう。分かったわ、分かった」
その長い沈黙からの言葉は、エリーゼがこの国に残ることを言外に示していた。
女性としての喜びと、王族としての喜び、どちらを選択するべきなのか王族として産まれたときに既に決まってしまっている。
「………………素直に背中を押して行ってこいって言ってやれなくてゴメン」
「いいのよ。兄さんは悪くないし、ルークとアデルも迷惑かけたわね」
「全然良いよ、気にしないで」
「家族だもん! これくらい平気!」
どうやら一先ず丸く収まったと安堵する二人。
姉にとっては少々わだかまりが残る結果にはなったかもしれないが、教会の統治も姉が幼いころから話していた夢の話なので他の王族にそこまで重たい空気はない。
そんな中、ふとエリーゼが思い出したように再び大きな爆弾を投下する。
「それにしても。そうなってくると少しまずいことがあるわね」
「なんかあったっけ?」
エリーゼの言葉にまだ何かあるのかと言いたげなグロリアス。
だがこればっかりはエリーゼ自身も予想していなかったことなので仕方がないといえば仕方がないのかもしれない。
「アウローラにエルピスと抜け駆けして外に出るって挑発の手紙送ったから、いま頃死ぬ気でこっちにきてるくらいね」
アウローラは現在王都にいない。
理由としては緊急性の高い法国の人間との会合が急遽組まれたからであり、現在王国の人があまりいない地方でひっそりと会議を開いているのだ。
王位継承とかぶった時期にアウローラが呼び出されたこともあり3年前の事を思い出してひやりとしたが、法国が相手である事と近衛を護衛として連れていくことを条件に彼女は会議に参加した。
そんな大忙しのアウローラにわざわざ手紙を送ったことが理解できず、グロリアスは頭の上に疑問符を浮かべる。
「──えっ? なんでそんな事を?」
「女同士の戦いだもの、仕方ないわよね。それじゃあ私教会に行ってくるから、後のことは任せたわ兄さん」
「おい! 僕だって暇じゃないんだぞっ!!!」
ハメられたと理解したグロリアスは、王族としてではなく一人の兄として妹からの嫌がらせに抗議の意味も込めて叫ぶ。
だがこれ以上巻き込まれてはかなわないと他の面々は既に気が付けば離散しており、グロリアスは人の居なくなった廊下で一人なんとも言えない状況で現実逃避気味に天井を眺めるのだった。
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