没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵

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1巻

1-2

 入学編



 レターネ神祭が終わり、レオンは正式に成人した。
 そして魔法学院入学のためにレオンが王都へと旅立つのは明日。もう既に夕方になっていたが、昨日と今日の二日間はレオンにとって、とても大変な日だった。


 まずは昨夜、珍しく酒を持ってきたドミニクと二人で飲んだ。
 最初は楽しく、成人として飲酒が認められたばかりで慣れない酒に戸惑とまどいながらも上手くやっていたのだが、次第に酔いが回ってきたドミニクが泣き出したのだ。
 ドミニクは上戸じょうごだった。普段の落ち着いた様子も父親としての威厳いげんも失ったドミニクはただただ泣きながら、レオンがいなくなるとどれだけ寂しいのか、レオンのことをどれだけ愛しているのかを延々と語った。
 そんな鬱陶うっとうしくも微笑ましい光景にレオンも瞳がうるんだ。
 飲み会は空が少し白むまで続き、そのあとレオンは少しだけ眠った。起きてからかたわらを見ると、弟のマルクスがレオンに寄り添うように寝ていた。
 今朝方大変だったのはこのマルクスで、それまで必死に我慢していたのか、弾けたように泣き出してレオンにしがみついて離れなかった。
 仕方なくレオンはマルクスを引きずったまま残っていた旅の準備をして、あとの時間をマルクスと二人で過ごした。
 泣き止んだマルクスはレオンに魔法を教えてとねだり、レオンは簡単で危なくない魔法を教えた。
 指で輪っかを作り、そこに魔力を注ぎ込み息を吹きかけるとしゃぼんの玉が出てくるという「しゃぼん」の魔法だ。
 驚くことにマルクスはこれを簡単に成功させてしまい、マルクスにも魔法の適性があることがわかった。
 ドミニクもレンネも魔法が使えるため、ハートフィリア家は全員に魔法適性があるということになる。
 しゃぼんでひとしきり遊んだあと、マルクスは魔力が切れたのか単に疲れてしまったのか、レオンの肩にもたれてスヤスヤと眠ってしまった。


 眠ったマルクスを起こさないように抱っこして、レオンはようやく家に戻ってきた。中に入ると、レンネがキッチンで料理をしているところだった。

「あら、寝ちゃったのね」

 そう言ってレンネはマルクスの頭を優しくでる。その後、同じようにレオンの頭を撫で始めた。

「母さん、僕もう大人だよ」

 されるがまま撫でられて恥ずかしそうに言うレオンに、レンネは笑いながら「私にとってはいつまでも子供だもの」と言った。
 マルクスをベッドに寝かせたあと、レオンは料理を作る母を手伝った。鳥の丸焼きと庭の畑で取れた野菜の煮物。
 どれもレオンの好物だった。
 レンネはそれらを皿に盛り付け、一緒に弁当箱にも入れていく。

「王都は遠いから、きっとお腹がくわ」

 レオンの荷物が一つ増えた。
 食事の準備ができると、帰ってきたドミニクと起きてきたマルクスも一緒に、早めの夕食を四人でなごやかに囲み、少しの間楽しく話して、レオンはベッドで眠りについた。


 ◇


 翌朝、日がまだ昇り切る前にレオンが目覚めると、既に家の前に王都へ行く馬車が来ていた。

「おはようございます。レオン・ハートフィリア様ですね? 王都までの御者ぎょしゃを務めますハイデルと申します。こちらはリッヒ」

 そう名乗り頭を下げる御者二人にレオンも頭を下げてから、馬車に荷物を詰め込んだ。

「父さん、母さん、マルクス。行ってきます」

 寂しくてあふれそうになる涙をこらえながらレオンがそう言うと、同じくらい涙を堪えている三人が頷いた。それでも四人は笑顔だった。




 王都へ向かう馬車は寝台馬車と呼ばれる特殊なものだ。
 車の中に座席と眠るための簡易的なスペースがあり、夜はそこで眠る。御者も二人が交代して運転することで、夜も走り続けることができるという。
 王都までの距離は長く、ハイデルとリッヒの話では丸三日はかかるそうだ。馬車の料金も相当なものになりそうだが、その費用や入学費、その他学院での生活でかかる費用のほとんどは魔法学院が負担する。
 それほどまでに魔法を使える者の存在は大切だということだ。
 馬車に乗って最初の数時間、レオンは家を離れた寂しさと同時に、これから始まる学院生活へのワクワクを感じていた。
 見るもの全てが新鮮に映り、ずっと窓の外を見ていても楽しかったのだが、さらに数時間つと代わり映えのしない景色に飽き飽きとしてきた。
 見えるものといえば木と、それから木と、また木と……果てしなく森が続いているのだ。
 御者の一人のリッヒは夜に備えて既に寝ているし、ハイデルもたまに話をする程度で運転に集中している。
 レオンはこのひまな時間をどうしようかと考え、魔法の練習をすることにした。といっても大きな魔法など使えるわけもないので、手から水が出る魔法と水を操る魔法を組み合わせて、水で様々な形を作って遊ぶくらいなのだが。
 レオンの記憶では魔法において大事なのは威力や規模ではなく、それをコントロールすることだった。同じ魔法でも熟練度が違えば威力が違うし、使用する魔力量も変わってくる。
 レオンが今行っているこの魔法の遊びは、魔法をコントロールする力を身につけるのにもってこいだった。
 水をまず四角形にし、次に丸、次に三角といった具合でどんどん形を変えていく。
 段々と形を複雑なものに変化させ、馬車の中から見えた小動物の姿や空想上の竜やユニコーンといった姿まで作り出した。
 ふと視線を感じてレオンが顔を上げると、寝ていたはずのリッヒが感心したようにこちらを見ていた。

「いやぁ、器用なもんですねぇ。私なんてそんな難しい形は作れませんよ」

 そう言ってリッヒも水の球を作り上げるが、球はいびつな形をしていてすぐに消えてしまう。
 寝台馬車の御者、正確には王都へ向かう学院生の乗る馬車の御者は、夜盗や獣などに襲われても撃退できるように皆魔法が使えるのだ。
 といっても本当にすごい魔法使いであれば御者という仕事はやっていないので、魔法の腕はそれほどではないのだが。
 彼らはいわゆる落ちこぼれというやつで、魔法の適性を持ち魔法学院に入学したはいいものの、そこで優秀な成績を修められず望んだ職業にはつけなかった者たちである。貴族出身の者ならば成績が振るわずとも自分の家の魔法使いとして生きていくこともできるのだが、平民出身ではそれも難しい。この時期に学院までの御者を務めているほとんどの者が平民の魔法使いであった。
 そんなリッヒには、目の前のレオンがやっていることは天才の所業に見えただろう。
 こんな遠いところまで貴族でもない人間を乗せると聞いて不思議に思っていたが、これはきっと何百年に一人というほどの逸材いつざいに違いない、とリッヒは勝手に考え、勝手に光栄に思っていた。


 日が暮れ始め、そろそろ夕食時かという頃に馬車はようやく森を抜けた。
 昼間に御者をしていたハイデルが御者席から顔を出し、夕食は馬車を止めて温かいものを作ろうかと提案した。
 昼はレンネに持たされた弁当を食べたレオンは了承し、馬車は森を抜けた先の小道で一度停車した。揺れる馬車の中でご飯を食べるのはなかなか難しく、レオンはもどかしく感じていたのだ。
 ハイデルとリッヒが手早くの用意を始め、旅用の小型鍋に具材と調味料を加えて簡単におじや風の夕食をご馳走ちそうしてくれた。この食費も魔法学院負担らしい。
 レオンは二人の手早さに驚きながら一口食べ、その美味しさに再び驚いた。
 初めての旅は退屈な時間と美味しい食事で幕を開けたのだった。


 ◇


 王都までの道のり二日目。夜の間もリッヒにより何の問題もなく進行した寝台馬車は昼になった今も順調に進んでいる。
 木ばかりだった風景も段々と平原になり、いくつかの村を通過して次第にしっかりと整備された道を走るようになった。

「もうすぐ着く商業都市リーンを抜ければ、あとは安全な街道だけですから」

 馬車を走らせながらハイデルが言った。
 商業都市リーンは王都とその他の町を繋ぐ都市で、多くの商人が行き交い交易が盛んだ。
 リーンから王都までは長く広く整備された道が敷かれていて、街道沿いにはいくつかの警備所もあり、これまでの道のりに比べ随分ずいぶんと安全になる。
 レオンは窓から体を乗り出して進行方向を見た。
 少し先に大きな外壁が見える。他にも馬車が数台同じように走っている。皆行き先はリーンのようだ。

「行程に少し余裕も出てきたんで、ちょっとくらいなら寄れますけどどうします?」

 ハイデルにそう言われ、レオンの顔が輝く。

「お願いします!」

 寝台馬車はリーンの町の門を通過して中へと入る。
 ハイデルは馬車を指定された場所に停めると中で寝ているリッヒに番を頼み、降りてきた。

「先に昼食にしましょう。そのあとで町を少し案内しますよ」

 ハイデルはこの商業都市に詳しいらしい。
 レオンは案内されるままに町の中を歩く。
 生まれてから自宅と近くの小さな町しか知らなかったレオンにとって、商業都市リーンはとても魅力的だった。
 町にある建物も住んでいる人たちの雰囲気もレオンの知るものとは違う。特に大通りを行く人々と声を張り上げる商人たち。活気あるその光景にレオンは圧倒された。
 ハイデルが案内したのは魚料理が名物の店だった。

「この近くに海はないんですけどね、ここに来る魚は鮮度も良くて美味いんですよ。商業都市だからこそできる質の良さですよ」

 ハイデルの言う通り、その店の魚料理は絶品だった。出てくる魚介の数々に今まで川魚しか食べたことのないレオンは舌を巻く。
 食事が終わるとハイデルはレオンに町を案内した。
 リーンには魔法使い用の店も多くあり、学院の関係者たちも良く通う。
 レオンは案内された店で小さい魔法の本を一冊買った。
 さすがにこういった個人的な買い物まで魔法学院が面倒を見てくれるわけではないので、これはレオンの自費だ。小さい時からコツコツと貯めていたお小遣いと、旅立ちの日に両親が持たせてくれた貴重な資金だ。無駄遣むだづかいはせず、必要なものにしか使わないと決めている。

「レオンさん、もう出ましょうか」

 そろそろ出発しなくては王都に間に合わなくなると言うハイデルの言葉を聞いて、レオンは少し名残惜なごりおしく感じたが、学院の生徒になればいつでも来られると説得された。
 馬車に戻るとリッヒは変わらずに寝ていて、特に異変はないようだった。
 レオンは馬車に乗り込み、買ってきた本を開く。
 本には「いんの違い」と短く題名が書いてある。印というレオンの記憶にはない言葉にかれて買ったものだ。
 本によれば印とは魔法の道具を作るため、魔力を文字にして道具に記すものらしい。
 魔法とは違い、一度印を記された道具は誰にでも使えるようになる。レオンの夢にも出てきたことのない情報だった。
 リーンから王都まで向かう間、レオンはこの本の隅々まで目を通して時間をつぶした。


 ◇


 レオンを乗せた寝台馬車は三日間の行程を経て今、王都の門をくぐった。
 馬車を降りたレオンはハイデルとリッヒに別れの挨拶をする。とはいえ、二人とも本来は王都で魔法使いとして仕事をしており、魔法学院の入学式があるこの時期だけ御者をしているため再び会う機会は十分にあった。
 レオンがここまでのお礼を言うと、ハイデルは魔法学院までの道程を示した地図をくれた。


 彼らと別れたあとは、その地図を頼りに魔法学院を目指したが、何故か辿り着けない。地図はとてもわかりやすく、複雑な道もない。それなのに地図の通り進んでも魔法学院は見えてこないのだ。
 最初レオンは地図が間違っているのだと思ったが、すぐにそうではないことに気がついた。周りを見回すと、同じように地図を持って頭をひねっている者たちが多かったからだ。
 それに地図に気を取られてばかりだとわからなそうだが、レオンはさっきからほとんど同じところをグルグルと回っていると気づいていた。
 建物の色や装飾がわずかに違うだけで大きさや配置はほとんど同じ。歩いても歩いても似たような建物が出てくるだけだ。
 こんなことができるのは魔法しかありえない。
 誰かが魔法によって入学生たちを妨害ぼうがいしているという結論にレオンは至った。
 では一体誰が? という疑問をレオンはとりあえずしまっておく。そんな余計なことを考えている時間はない。
 事前に送られてきていた魔法学院からの入学案内には小さく「入学を希望する者は校門を潜り受付を済ませること(時間厳守)」と書かれていた。
 指定された時間の期限は今日の日没まで。
 既に昼を過ぎて少し時間が経っているので、残された時間はあと数時間だった。
 入学案内を貰った時レオンは特に気にもしていなかったが、最悪時間を過ぎれば入学できない可能性がある。
 そのためレオンが今するべきは、この魔法をかけたのが誰なのかを突き止めることではなく、いち早くこの状況を抜け出して、魔法学院に辿り着き受付を済ませることだった。
 レオンはとりあえず使い物にならない地図をふところにしまった。
 そして目の前にある建物の壁に手をかけて「相殺そうさい」の呪文をかけた。「相殺」は相手の魔法をかえして消すという単純なものだ。
 しかし、「相殺」のあとも建物には何の変化もないように見える。

「建物じゃないんだ」

 レオンは自身の手を見つめながらつぶやく。「相殺」が発動したことは感覚でわかる。発動したのに状況が変わらないのは、魔法がかかっているのは建物ではないということだ。
 周りにいた入学生たちも段々と現状の不可解さを理解したのか皆思い思いに魔法を発動し、打開策を探っている。
 レオンは魔法がかかっているのはどこかを考えながらその状況を眺めていた。そしてあることに気がついた。
 周囲にいた迷っている人の数が減っているのだ。先程までは学生と思われる者たちが何人もいたのに、今ではその数がグッと減っている。まだ多くの人間がこの迷いの道に取り残されているようだが、残っているのはレオンと同じように大きな荷物を抱えている者ばかりになっていた。
 大きな荷物を持っているということから、残されているのが入学生であるというのは容易に想像できる。
 もしこの魔法が入学生を足止めするために、例えば町全体にかけられているのだとしたら、そこから町の人間だけを除くなんてことができるのだろうか。
 それに人数が減っているのであれば、この魔法を解いて抜け出した人がいるということだ。それなのに建物や背景に変化があったようには思えない。
 レオンの中で点と点が結びつき、線になった気がした。


 ◇


「レオン・ハートフィリア、入学おめでとう」

 そう言って熱いハグをしてくるその男性教師に、レオンは少したじろいだ。
 数分前、レオンは無事、魔法学院に辿り着くことができた。
 魔法がかかっていたのは建物でも場所でもなく、レオン自身だったのだ。
 そのことに気がついたレオンは自分自身に「相殺」の魔法をかけた。するとそれまでの景色が一瞬にして切り替わり、今いるこの場所に立っていた。
 目の前には筋骨隆々きんこつりゅうりゅう坊主頭ぼうずあたまの熱血教師、グラントがいた。その後ろには学院の教師陣が拍手で迎えている。
 どうやらこれは、魔法学院への入学試験だったらしい。
 王都に辿り着いた入学生たちに「幻影げんえい」の魔法をかけ、魔法学院に辿り着けるかどうかを試していたのである。
 魔法をかけたのは恐らくハイデルで、彼に渡された地図が魔法の引き金になったのだと、レオンは考えていた。
 その証拠に懐にしまったはずの地図はどこにもない。
 レオンは迷っている人の人数が減っていることに気づき、抜け出すことができたがあれはおそらく学院からのヒントだったのであろう。入学生の中に既に学院で学んでいる上級生を何人か潜り込ませていて、彼らに先に魔法を解かせることで使われている魔法の特性に気づかせたのである。

「さぁさぁハートフィリア。君はアインツだ。教室に行きなさい」

 グラントに言われてレオンは学院の敷地を進む。案内役の二年生がレオンに入学試験について教えてくれる。
 その二年生によれば、この入学試験はどうやらクラス分けも兼ねているらしく、着いた順にアインツ、ツヴァイ、ドライと割り振られていくようだ。
 アインツということは、レオンは入学生の中で割と早く魔法学院に辿り着いたということだ。
 もちろんそれだけで魔法の実力が高いというわけではないが、魔法学院ではこういった魔法に関連した突発的な試験がよく行われる。そしてその試験の順位は教師陣が採点のベースとし、評価に繋がるのだそうだ。
 案内された教室に入ると、既に三人の生徒がいた。
 二人は男子生徒で一人が女子。
 男子生徒二人は明らかにレオンを無視し、女子生徒もチラリとレオンを見たがすぐに顔を伏せてしまった。
 レオンは空いている椅子に座る。
 隣にいた男子生徒がチッと舌打ちをした。黒い髪をかきあげ、するどい目つきでレオンをにらむ少年は吐き捨てるように言う。

「おい、平民。もっと離れて座れ」

 その言葉を聞いて、レオンは彼が貴族家の人間であることに気づく。
 同時に意外に思った。貴族についてあまり詳しいわけではなかったが、こういった粗野そやな言葉遣いをするとは思っていなかったのだ。
 少年の名前はダレン・ロアス。王都に住む貴族の息子である。

「黒板には自由に座れとあるけど、ここはもう誰かが座っているのかい?」

 レオンが質問するとダレンはガタンッと大きな音を立てて立ち上がり、レオンの胸ぐらをつかんだ。
 身長はレオンとそんなに変わらないが、眼光のせいか十分威圧感がある。

「平民が貴族様に盾突たてつくんじゃねぇよ」

 レオンは自分の胸ぐらを掴む手をはらけることもせず、ただ少年を見ていた。どうするのが正解かを考えていたのだ。
 魔法学院の規則では平民も貴族もここでだけは関係なく、上下関係はない。当然この少年に反論することはできる。
 しかし、一歩学院を出れば身分差は当然あるのだ。ここで買ったうらみを学院の外で晴らされるかもしれない。
 レオンが悩んでいると、残っていたもう一人の男子生徒が仲裁した。

「ダレン、その発言は魔法学院では通用しない。それに君の言葉遣いは下劣げれつだ」

 レオンよりも少し長い金髪。大きく綺麗きれいな色の碧眼へきがん。絵画から飛び出してきたのかと思えるほど美形の少年にとがめられ、ダレンは引き下がった。

「君もここではそういったことは考えなくていい。ダレンは学院の外でさを晴らすような器の小さい男ではないからね」

 レオンは心を読まれたのかと思った。
 驚くレオンの表情を見て少年は笑う。

「君は考えていることが顔に出過ぎだな。僕はヒースクリフ・デュエン。ヒースと呼んでくれ」

 デュエンと聞いてレオンはさらに驚いた。
 世事にうといレオンでも知っている。デュエンはこの国の国王の名前だ。


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