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魔界編
番外.アレスの叫び
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「はぁあああ~~~!!!!????」
朝からスワ様や叔父上の姿が見えない、と報告を受けつつも、二人ならばどこか食材探しがてら散歩でもしているんじゃないか、なんて軽く考えていた自分を呪いたくなったのは、執務室に入って大量の書類を目にした瞬間だ。
「ど……どういう事!?」
昨日までの、およそ五倍。机の上は、もう書類にサインする場所すらないくらいに所狭しと山積みにされている。
その中で、お茶をする用のテーブルに書置きがあるのを見つけ、それを見た瞬間に意識を失いそうになった。
要約すると、スワ様と叔父上は旅に出ると言う事だった。そして国王として頑張れと。
いやいやいや、まだまだ後処理残ってるしね!?スワ様が立案したものもあるんだからね!?
そんな事を叫びたくなったが、聖獣や魔王を従えているスワ様が逃げるとなったら、その足取りは噂話を辿って追いかけても、余程長期滞在していない限りに、その場所にはもう居ないという事になる。
「アレス国王陛下!」
「何それ嫌味!?」
宰相がバタバタと足音を立てながら執務室へ来たかと思ったら、ノックもなしに開口一番、そんな事を口にしてきた。
「フェリックス殿下とスワ様の御意向なので決定で良いかと。朝一で目にした書類の山を見たら、もう考えるのも嫌になりました」
「それ……僕の机の上を見ても言えるの?」
「流される方が楽な時もありますよ」
「ねぇ……流されるしかない時なの理解してても、心が拒んでるんだけど……」
そんな言い合いをしていれば、またドタバタと複数の足音が聞こえたかと思ったら、オトやアキ含め、各団長とその子息達だった為に、とりあえず話し合いの場を設ける事にした。
「さすが叔父上、ぬかりがなさすぎる……」
各々が貰った叔父上からの文書を要約すると、瘴気はキラが吸え。法案は異世界人二人居るから何とかなるだろ。王位継承権順で行けば僕が次の国王だ。賢王になるなら側近達と一丸になってそれくらいしろ。という何とも鬼畜な話だった。
「……掃除機扱い……?」
「ニートと女子高生に何を期待してるの……」
アキとオトが何やら意味の分からない言葉を口にしているが、もうそんな事を気にしている余裕なんてない。しいて言うならば……
「……二人を……捕まえる方法は……」
ポツリと呟いた僕の言葉に、周囲はただただ無言になるだけで、それが全てを物語っていた。
結局、新しく役職に就いた大臣達が手早く動き、全て流れるがままに国王という玉座につく事になった僕はこう言いたい。
……未だに婚約者すら居ないんだけど?独身の国王って前代未聞なのでは?後継ぎ出来なかったらどうしてくれる!!…………と
朝からスワ様や叔父上の姿が見えない、と報告を受けつつも、二人ならばどこか食材探しがてら散歩でもしているんじゃないか、なんて軽く考えていた自分を呪いたくなったのは、執務室に入って大量の書類を目にした瞬間だ。
「ど……どういう事!?」
昨日までの、およそ五倍。机の上は、もう書類にサインする場所すらないくらいに所狭しと山積みにされている。
その中で、お茶をする用のテーブルに書置きがあるのを見つけ、それを見た瞬間に意識を失いそうになった。
要約すると、スワ様と叔父上は旅に出ると言う事だった。そして国王として頑張れと。
いやいやいや、まだまだ後処理残ってるしね!?スワ様が立案したものもあるんだからね!?
そんな事を叫びたくなったが、聖獣や魔王を従えているスワ様が逃げるとなったら、その足取りは噂話を辿って追いかけても、余程長期滞在していない限りに、その場所にはもう居ないという事になる。
「アレス国王陛下!」
「何それ嫌味!?」
宰相がバタバタと足音を立てながら執務室へ来たかと思ったら、ノックもなしに開口一番、そんな事を口にしてきた。
「フェリックス殿下とスワ様の御意向なので決定で良いかと。朝一で目にした書類の山を見たら、もう考えるのも嫌になりました」
「それ……僕の机の上を見ても言えるの?」
「流される方が楽な時もありますよ」
「ねぇ……流されるしかない時なの理解してても、心が拒んでるんだけど……」
そんな言い合いをしていれば、またドタバタと複数の足音が聞こえたかと思ったら、オトやアキ含め、各団長とその子息達だった為に、とりあえず話し合いの場を設ける事にした。
「さすが叔父上、ぬかりがなさすぎる……」
各々が貰った叔父上からの文書を要約すると、瘴気はキラが吸え。法案は異世界人二人居るから何とかなるだろ。王位継承権順で行けば僕が次の国王だ。賢王になるなら側近達と一丸になってそれくらいしろ。という何とも鬼畜な話だった。
「……掃除機扱い……?」
「ニートと女子高生に何を期待してるの……」
アキとオトが何やら意味の分からない言葉を口にしているが、もうそんな事を気にしている余裕なんてない。しいて言うならば……
「……二人を……捕まえる方法は……」
ポツリと呟いた僕の言葉に、周囲はただただ無言になるだけで、それが全てを物語っていた。
結局、新しく役職に就いた大臣達が手早く動き、全て流れるがままに国王という玉座につく事になった僕はこう言いたい。
……未だに婚約者すら居ないんだけど?独身の国王って前代未聞なのでは?後継ぎ出来なかったらどうしてくれる!!…………と
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