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14: 羅武の吐き出しと満たす綺羅。
しおりを挟む泣きながら怒る俺の言葉に、綺羅が、渋々といった顔で溜め息付いて、俺を抱き締め直した。
「仕方無いな……今だけだよ、羅武…。は~ぁ…、これが惚れた弱みってヤツなのかな…。」
ぼやきながら俺の頭にキスを落とす綺羅に、惚れられた強みを感じながら、俺は綺羅の胸板に額と鼻をぐりぐり押し付けてしゃくりをあげた。
額に感じる温かな体温と微かに香る何だかお洒落な香水の香りに、心がじんわり暖かくなる。
いつぶりだろう。我が儘を許してくれる存在の心地好さに、心が少しずつ満たされていく。
「緋狼の馬鹿……。ずっと、ずっと辛かった!ずっと淋しかった!ずっと一緒に居るって約束したのに!傍に居るって、約束したのに!」
「……そうだったんだね……。」
「俺、本当に…、緋狼の事が好きだったんだ……!」
「うん。」
俺を抱き締め、背中をぎゅっとしたり、擦ったり、頬擦りしてみたりしながら聞いてくれてる綺羅の声が嬉しい。心地好い。
「緋狼といつか、前みたいに仲良く出来るって……馬鹿みたいに信じて追い掛けてたんだ。」
「うん。」
「だって、アイツ……、何にも言わなかったんだ。もう話しかけるなとも、来るなとも、嫌いだとも言わなかったんだ……。何にも言わなかったんだ……。」
「うん……。そうだったんだね……。」
そうやって、緋狼が俺と距離を取り出してから、誰にも言えなかったキモチを全部吐き出した。
いつ緋狼と出会って、どんなところが好きだったのかも延々と話続けた。
全部吐き出してスッキリしてきた俺はその後、綺羅に、いつから俺の事を好きだったのか、何処を好きになったのかを聞いた。
二年前、高校に入って暫く位の頃から俺の事を好きだったとか言われて少し驚いた。
俺のこの粘着じみた愛が欲しかったんだと。流石、口説こうとしてイキナリ監禁しちゃうヤツは求めるものも違うよな。
そして綺羅が、俺が綺羅の事をどう思ってるか知りたいって言うから、これまた俺はベラベラと喋り続けた。
口説きたくて監禁するのはヤバいと思う、とか、見た目は格好いい、髪の色と目の色が綺麗、とか。低い声が聞いてて気持ちいいとか。
何度か、同じ場所に居たのは認識してたけど、特に意識はしてなかったから、正直、ほぼ初対面に近くて、見た目の話ばかりだ。
そう言うと、眼中に無かったのは知ってると言われた。
そっか。その愛が欲しいと思われたんだっけな。
正直、綺羅の言う通り、緋狼だけを見て今まで来たから、諦めたって言っても、まだ緋狼を忘れることは難しいと思う、なんて言えば、それは当たり前だよ、と優しく頭を撫でられた。
スラッと長い白い指。でも、良く良く見ると俺より太い指してて何だかウケる。
「なぁ、綺羅……。俺も綺羅の髪、触って良い……?」
ベッドの上に布団と枕を積み上げた小山に背を預けた綺羅の胸に抱かれ、くったり体の力を抜いた俺は、顔も見ずに、優しく頭を撫でてくれてる綺羅に訊いた。体が鉛みたいに重い。
「勿論だし、大歓迎だよ、羅武。」
やった。アッシュゴールドの髪、ちょっと触ってみたかったんだ……。
そう思ったものの、俺は綺羅の髪を触ること無く、夢の中へと引き摺り込まれていった。
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