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15: 綺羅と現代版忠犬ハチ公
しおりを挟む忠犬ハチ公の現代版はチョコラブ(擬人化)だった!!
それが、始めの頃の羅武の印象だった。
初めて見た時は、この俺、綺羅のファンか、ファンの彼氏かと思った。でも、近くに居るのにまるで俺を見ないから不思議で。
一心不乱に見つめる視線を辿れば、最近近くの公立高校で人気の子達が遊んでいた。良く見れば彼も制服が同じ。
ファンなのか、仲間に入れて欲しいのか……。
直向きに見つめる視線が、何だかラブラドール犬ぽくて。
黒ラブ、と思ったけど、もさもさの癖毛が少し赤みの焦げ茶で、最近流行りのチョコラブだな、なんて思って一人で笑う。
それでもう、興味は失せた筈だった。それなのに。
何度かそんな感じで目撃した後、ある日、少し混み合う電車で、気が付けば彼が斜め前に立っていたのだ。
お互い身長が伸びきっていない時期だったが、俺はハーフなのもあって彼より背が高く、丁度視線を落とす位置に有る、彼のスマホがどうしても視界に入って。
ふと、彼が眺めていた写真に写る人物に気が付く。
今よりもあどけない、少年なチョコラブ君と写っていたのは、女の子みたいに華奢だけど、確かにあの人気の彼だった。
確か、名前は……。ヒ……
すぃ、と画面をスワイプして、チョコラブ君が次の画像を眺める。
ラブ&ヒーロと書かれたセルフィー。
ずっと一緒にいようね!約束!と。
あ、ヒーロだっけ。
そうそう、そんな名前だったと思いながら、眺める。
遠足や校外学習での写真、2人で何処かに遊びに行ったセルフィー、誰かが撮った2人でくっついてピースしてる写真。
どうやら、2人は羅武と緋狼って言うらしい。チョコラブ君が本当にラブ君だった事に感動を覚えると共に、二人がずっと仲良しだった事を知る。
そして、その後、偶々同じだった目的地で、随分と男らしくなって楽しそうに仲間達とはしゃぐ緋狼と、それを少し淋しそうな笑みを浮かべて見つめてるチョコ羅武君。
まさに現代擬人化版忠犬ハチ公な姿に感心したり、何だかキュンとしたり不憫に思ったり、何度か見かける度に気になっていって……。
実は緋狼が、気にしてない素振りをしながら滅茶苦茶羅武を意識していて、絶対に話し掛けたりしない癖に羅武を手許に置きたがってるのに気付いた時には、俺はもう、どっぷり羅武にのめり込んでいた。
卑怯なヤツめ。羅武をあんなにも貶めて、辱しめて、傷付けて、淋しがらせて。
なのに、何故羅武からの愛を当然の様に享受してるんだ。
何故、羅武はいつまでもあんなヤツを追い掛けるんだ?
あんなヤツ捨てなよ!
あんなヤツより俺の方が羅武を大事にするのに。
俺なら羅武がくれた愛を大事にして、それ以上に沢山愛をあげるのに。
ああ、羅武のあの、盲目的な迄に一途に注いでくれる愛が欲しい。
羅武の愛が欲しい。
そうだ、決めた。羅武の愛を手に入れよう。
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