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16: 綺羅は捨て羅武を保護したい。
しおりを挟む調べればどんどん羅武が愛しくなって、緋狼が許せなくなってくる。
高校では、いつも羅武が休み時間に緋狼に会いに来るのに、緋狼は知らん顔。
最初はちょくちょく、羅武は話し掛けたりもしてたらしいけど、緋狼は聞こえない振り。居ない者扱い。
段々話し掛けるのも諦めて、それでも羅武は休み時間には必ず、緋狼の教室前に来る。何その捨て羅武。今すぐ拾いに行きたい。
何かSNSやってるかと探したら、トゥイータをやってるみたいだった。
探せば羅武の垢は直ぐに見つかった。緋狼の呟きに必ずいいねとリプを送ってたから。
複垢で監視。緋狼に会いに行く羅武に、俺も何度も会いに行った。
一度落としたイヤホンを拾って話し掛けたけど、丁寧にお礼を言われてそれで終わり。全く眼中に無かった。正に忠犬、正にチョコラブ。初めて聞けた声は思ったよりは低く、でも艶のある、正に中・大型犬みたいな穏やかで可愛い声だった。
綺羅って、あの声で優しく、甘く呼ばれたい。
トゥイータのアイコンは、何年も前に緋狼とクリスマスに贈り合ったらしいマフラーをしたセルフィーで、まるで、捨て羅武じゃないと一生懸命首輪をアピールしてるみたいだった。
俺ならどんな首輪をプレゼントするかな。
ビタン?グッタ?ヘルメス??似合うならどんなに高いブランドでも良い。あんなゴワゴワの安物じゃないもっと素敵なのをあげる。羅武が、あの緋狼と一緒に写ってたセルフィーみたいな笑顔で俺のプレゼント喜んでくれるなら、どんなに高くても良いよ。
気が付けば、俺のクローゼットに、羅武に似合うと思って買った物が増えていく。
緋狼は、他のファンにはリプやイイネをそこそこ返すのに、羅武にだけは絶対に返さなくて、そのせいでファンの中には、羅武に冷たい態度を取るヤツもいて。
そういうことがある度に、羅武は少しずつ距離を取って緋狼を見つめる様になって、今に至るらしい。
淡々と書かれた報告の文字の向こうに、羅武が傷付き、迷いつつも、緋狼への想いを捨てきれないでいる姿が垣間見える。
元々2人は家が隣同士で、幼稚園から小・中と同じ幼馴染みらしい。
緋狼の背が伸びて、イケメンと持て囃される前は2人は自他共に認めるニコイチだった。
それなのに、緋狼は持て囃され出した途端に一方的に距離を取り出し……。
最初はそんな緋狼の態度に他の子達も驚いてたけど、どんどん有名になって垢抜けていく緋狼に、それも仕方無いかなって雰囲気になって、羅武だけが自分の立ち位置を決めれずに、緋狼を追い掛けて……。付き纏うように。
そらそうだろう。
登下校のタイミングを合わせても、嫌がる素振りは見せないし、話し掛けないだけで来るなとは言われない。
寧ろ、靴紐結び直してた時なんか、歩調を落として待ってた節がある。
羅武が駅で道聞かれた時なんか、急に自販機でジュース買って、折角来た電車を見送ってる。
直ぐに逸らされるけど目だってちょくちょく合ってる。
トゥイータだってブロックもされない。朝5時半にイイネを押せば、まるでモーニングコールしてるみたいにその通知が窓越しに洩れ聞こえてくる。
羅武が付き纏ってるんじゃない。緋狼が、突き放しつつ離さないんだ。
こんなの、狡いだろ、緋狼。
お前に話し掛けるのも、お前から離れるのも許さない、なんて、何様なんだよ。
可哀想に。傷付いたよね。混乱したよね。疲れたよね。自分を責めたんじゃない?可哀想な羅武。君は悪くないよ、緋狼が狡いだけだよ。
探偵さんの報告に、羅武達と元クラスメイトな俺のファンの子の話。
その全てが、俺に羅武を奪えと囁いた。
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