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21: 満腹羅武は昼寝する。
しおりを挟む「……ふぅ。旨かった……ごちそーさまでしたっ。」
腹が満たされた幸せを噛み締めながら手を合わせて御馳走様をする。
そんな俺を綺羅は驚愕と称賛の入り交じった目で見ながら、会計をしに行った。
俺の分は俺が払うつもりだったのに、と思ったが、俺の財布処か荷物も服も綺羅がどっかやったまんまだった。
ま、綺羅が監禁して勝手に俺をこんな雪国に連れてきたんだしな、遠慮無く奢られとこう。うんうん…………ん?
「……は? ナンだコレ……はぁ??」
ドア付近で綺羅を待ちながら、一人うんうんと納得して、ふと、目の前の鏡張りの壁を見て、俺は目を疑った。
「羅武ー♡お待たせ♪…ん?羅…」「おい!ナンだよコレぇ!」
俺はニコニコ顔で来た綺羅を思いっきり睨んで、そのデカイ肩をギリギリと掴んだ。
何故なら、いつの間にか首輪にまるっとしたフォルムの骨型でLOVE♡とくりぬかれたドッグタグがくっついてたからだ。ピアスにも片方、それの小型版がぶら下がってる。
言っておくが、俺が見せられた時、あの小物の中にこんなふざけたものは入ってなかった。俺に首輪やピアスを着ける際に、隠してたこれらを着けたんだろう。
「あ、バレたかぁ。」
「お前……俺を一体何だと思ってんだ?!」「え、可愛い羅武たんだけど。」
俺の怒りの言葉に食い気味に返されて思わず閉口する。
ナンか、コイツの羅武って呼び方、時々ペットみたいに聞こえるんだよな……。
納得のいかない顔してる俺の肩を抱いて車まで誘導しつつ、綺羅がニコニコ笑う。
「だーーいじょーぶだって♪皆、そーゆーファッションだと思ってたからさぁ。それに、又暫く車だし、次に外出る時はマフラーとかするから目立たないよ♪」
ホントかよ……。と思いつつ、助手席に乗り込む。
まぁ、何だかんだで黙って受け入れてしまう辺り、俺ってば相当綺羅を好きになっちまってるんだろーな。ぁぁぁ、ダメだなぁ、チョロすぎやしないか?俺。
「……はぁ。……そーいや、綺羅って幾つなんだ?」
溜め息一つ吐いて、俺はふと、綺羅のこと何にも知らないのに気付いた。ので、聞いてみよう。
「…ん?俺は羅武と同いの18歳だよー?」
「ぇ!?め、免許は…??」
ニコニコと言う綺羅にビックリして聞き返す。
「やだなぁ、安心してよ。これでも4月生まれだし、それに中学迄は一年の半分カルフォルニアに住んでたから車には乗り慣れてるんだよ。」
向こうは15歳でとれるからね、と言ってウインクする綺羅は、何だか大人だった。
そんで、綺羅は運転しながら色々話してくれた。
薄々感じてたけど、やっぱり今日は大晦日で、俺の記憶と日数が合わないと思ってたら、捕まってから賭けを持ち掛けられた日迄、2日ほど俺を眠らせるか半覚醒位にして一緒に過ごしてたらしい。クリスマスは俺と穏やかに過ごしたかったんだそうだ。まぁ、起こしたら、監禁されてるから普通怒るもんな。俺も怒ってた。てか、おかしいだろ。好きなら普通に口説けよ。
そんでもって、監禁されてた場所は隣県の端の山の麓の過疎で格安な土地で、俺を監禁する為に秘密基地が欲しいと親に言い、小遣いで買って中古のプレハブハウスを設置したんだとか。規格が違い過ぎて、ヤバイだろ、としか言えない。
そんでもって、俺は今、イブに急遽キャンセルが出たリゾートバイトの求人を知り、取るものも取り敢えずバスに乗って信州のペンションに泊まり込み、そこで知り合った綺羅のコテージの管理バイトと綺羅の趣味のカメラの助手(有料)をしてるらしい。へーーーぇ。
返してもらったスマホを見たら、あれ?俺こんなこと打ったっけ?と思うくらい俺が打ったとしか思えない文章でうちのママさんとやり取りしてた。これは流石のママさんも騙されるヤツ。ビビる。コイツ何者……?
なんて、思いながら綺羅の運転する横顔を見る。時々モデルするってだけあって、カッコいい。
足がポカポカしてきた。家の方もうまく誤魔化してると知って色々安心した俺は、満腹と車の暖房の心地好さから、睡魔を自覚した途端、あっという間に眠りに落ちた。
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