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第1章 安住の地を求めて

第30話 賑わう拠点

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 「キュ!? キュキュイ! キュキュキュ!?」

 「「だぁ? だー だーう!」」

 「「ホー ホッホッ」」

 「メエ~」

 んう…今日は賑やかだなと思いながら目を覚ますと…

「テン!?ようやく目を覚ましたのか!」

「キュイ! キュキュキュキュ!」

 久しぶりのテンに嬉しくなって撫でまわすとテンもお返しとばかりに舐め回してきた。この舐められる感覚も久しぶりだな。

 撫でつつテンの体を観察する。テンがずっと寝ている間も変化し続けていたが、やはりもふもふの尻尾が1本増え計3本になった。尻尾は全て白色で、お尻周りも白くなってきた。

 このまま進化し続けると全身白に染まるのだろうか?羊に雪フクロウ、これにテンまでとなるとみんな真っ白だな。

「「だあ!」」

「ああごめんね。今すぐミルクを用意するからね。」

 ☆
 
 ミルクを飲み終えると満足したようでテンに興味を示し始めた。

「この子はテンだよ。僕の1番頼れる相棒だ。これからは君たちのことも護ってくれる存在だよ。」

「キュイ!」

「「だあ?」」

「そしてこの双子は最近拠点に住むことになった。これからはテンも護ってやってくれ。それとこの2羽は雪フクロウの夫婦だよ。」

「「だあ?」」

「「ホー」」

「キュ!」

 双子はテンのもふもふの尻尾が気になるようで目が釘付けになっており手を伸ばしている。テンも左右の尻尾を触らしてあげている。

「「だあ! だあー」」

 テンの尻尾は柔らかくて触り心地がいいよな。分かるぞ。

 テンが目を覚ました事によってより賑やかになった。双子は魔物に対する恐怖心は全くなく、好奇心しかないのも良かった。

 雪フクロウも羊も双子の遊びや子守りを積極的にしてくれるのも助かっている。羊は最初面倒くさそうにしてたのにな。

「メエー…」

 双子は誰かに触れていた方が寝つきがいいのでベッドじゃない方が良いかもな。双子は羊の上がお気に入りらしい。羊が呼吸するたびに上下するお腹が楽しいらしく、よくよじ登ろうとしている。雪フクロウも双子が落ちないように一緒に登っているため羊は重そうにするが我慢させている。

 双子の世話は分からない事だらけでどうなるかと不安だったが、夜泣きしても羊と雪フクロウが助けてくれるので何とかなっている。

 これからは更にテンもいるためより力になるだろうし、より賑やかになっていく事だろう。
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