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05 初めて 2 ※

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 隘路を切り開き、ディートハルトが胎内に入ってくる。
 みちみちと押し広げられ、今の所痛みはないが、圧迫感が凄く、息がうまく出来ない。

「うっ、ひっ、……あ……」

 ディートハルトの体に触れると、きっと抵抗してしまう。
 有紗は挿入の衝撃を逃す為、シーツをぐっと掴んだ。
 現在進行形で初めてを喪っているという現実に、一筋の涙が零れた。

「あぁ、いいね、アリサ。滅茶苦茶気持ちいい」

 ディートハルトはうっとりと目を細めた。
 ぐっと押し込まれ、引き攣れるような痛みが走る。

「や、あ、痛ぁ……」
「痛い? ごめんね。初めてだもんね」

 ディートハルトは一旦腰を止め、有紗の頭を撫でた。

「ゆっくりするから。頑張って俺を全部受け入れようね」

 ぐ、と腰を押し込まれ、徐々に未開拓の膣が拓かれていく。
 逃げたいのに、大きな手で腰を掴まれている為叶わない。有紗は俯いて歯を食いしばり、痛みを必死で堪えた。

「ん、後、ちょっと」
 ディートハルトが更に腰を進めると、こつんと何かに先端が当たり、下腹部同士が触れ合った。

「入った……ほら、ここがアリサの一番奥」
 先端で最奥を小突かれる。
「これが子宮口だよ。こりこりしてる」
「うっ、やあ、そこ、深……」

 拓かれきったおかげか、痛みは徐々に治まりつつある。しかし圧迫感が凄くて息苦しい。ディートハルトは有紗の髪を梳きながら、じっと動かずはあはあと荒い息をつく有紗が落ち着くのを待った。
 初めて男を受け入れた膣壁は、元に戻ろうと男をきつく食い締める。そのせいで、嫌でもディートハルトの形を実感してしまう。

 形がわかるだけでなく、
(わたしのなか、このひとのかたちに、ひろがってる)
 その事実の卑猥さに頭がくらくらした。

 もう処女じゃない。
(穢されちゃった)
 わたしの、からだ。

 ディートハルトは凄く格好いいけれど、心で繋がった恋人じゃない。
 悲しくてまた涙が零れた。

「可哀想にね。右も左もわからない世界に一人ぼっちで飛ばされて、奴隷にされちゃったんだもんね。ふふ、でも俺は優しいご主人様だから、アリサの事いっぱい可愛がってあげるからね」

 ディートハルトは有紗と目を合わせ、優しく微笑んだ。
 やめて欲しいと思った。愛されていると勘違いしてしまいそうになる。

「そろそろ動くよ」

 有紗が落ち着いたのを見計らい、ディートハルトは性器をゆっくりと抜いた。
 カリが容赦なく膣壁を抉ってきて、微かな痛みに襲われた。
 もう少しで全部出る、そこで一旦ディートハルトは腰を止めた。先端の部分だけが中に埋め込まれた状態だ。

「血出てるね。ちんこに付いてる。見る?」
 下品な言葉で結合部を見るように促されるが、有紗はふるふると首を振った。

「勿体ないなぁ。破瓜の血が見れるのなんて今日だけなのに」

 ちゅ、と額に口付けると、ディートハルトは性器を再び中に沈めた。
 痛みを覚悟し、有紗は身を硬くするが、男根は浅い位置で止まる。
 ぐりぐりと刺激されたのは、指で暴かれたGスポットだった。

「んっ、あっ……」

 これは、気持ち、いい……?

 亀頭の膨らみをぐりぐりと押し付けられて、むず痒いような感覚が、今度は明らかに快楽として感じられた。

「あっ、やだ、やぁん……」
 腰が意図せず揺れてしまう。

「気持ちいいの? うねうね絡み付いてきてる」
 ディートハルトは気を良くしたのか、より強く、激しくそこを掻き毟ってきた。

「やだ、やだやだやめて、こわいっ……」
「何が怖いの?」
「あっ、へんになる、これ、だめ、こわい……」
「変になればいいよ」

 ごり、と一際強くそこを掻き抉られ、頭の中を閃光が弾けた。
 きゅうっと膣が収縮し、ひくひくと痙攣して肉棒を締め付ける。

「イッたのかな? 可愛い」
 頭を撫でられ、頬に軽く口付けられた。

「中、凄いドロドロ。解れてきたみたいだから、今度は奥を覚えようね」

 ず、と肉棒が、最奥に向かって動き始めた。
 また亀頭が隘路を拓いていく。

 一度ディートハルトの形に拡がった後だからか、今度はほとんど痛まず、有紗の膣内は、簡単に最奥を許してしまう。

「ここで気持ちよくなるのは時間がかかるんだって。だから、今日はここが子宮口だって事を覚えようね」
 囁きながら、ディートハルトは小刻みに腰を動かしてきた。

「んんっ……」
 深いところはやっぱり苦手だ。内臓が押し上げられるような圧迫感がある。だけど、性器同士、最奥で深く繋がりあっているという現実が、あまりにもいやらしくて頭がくらくらした。

 常に愛液が分泌されているのが自分でもわかる。
 熱く潤った膣壁は、肉棒に甘えるように絡みついている。
 保健体育の授業で、男性のそこは性的興奮を覚えると、透明な先走りが出ると習った。
 それが今、子宮口に塗り付けられてると思うと、卑猥さに気が遠くなる。最奥では、お互いの体液が混ざりあっているのだ。

 ぬちゅ、ぐちゅ、という水音が、聴覚からも脳を犯す。
 ディートハルトの顔が近付いてきた。
 唇が再び奪われる。

 舌が侵入してくる深い口付け。
 上でも下でもディープキスを交わしている。
 ぬちぬちと最奥が小突かれる。
 舌と舌が、子宮口と鈴口が、触れ合い深く結び付いている。

 視覚も聴覚も触覚も味覚も嗅覚も、五感の全てがディートハルトに支配されていた。

 きゅうう、と膣が収縮する。肉棒の形が、血管のでこぼこまでわかった。

 唇が解放され、互いの唾液が銀の糸を引き、ぷつりと切れた。

「締め過ぎ、っは、搾り取られそ……」
 ディートハルトは苦しいのか眉根を寄せる。
 ずる、と膣壁から引き剥がすように性器が抜かれた。かと思うと、どちゅん、と最奥まで貫かれる。

 突然の乱暴な抽挿に、有紗は大きく目を見開いた。

 また抜かれた。亀頭により入口が捲られたかと思うと、反転し、再び最奥まで一気に押し込まれる。
 ディートハルトは大きく腰をグラインドさせ、有紗の中に何度も肉棒を叩きつけた。

「気持ちよすぎ……アリサの中、やばい……」

 どちゅどちゅと激しく突き上げられて、射精ための動きに切り替わった事を悟る。
 今までは初めての有紗を彼なりに気遣い、優しくされていた事に気付かされた。

「あっ、んんっ……、やだ、これ、やあぁっ……」

 入口から最奥へ、Gスポットも含めて擦られて、有紗の脳は処理能力の限界を超えてスパークする。
 激しくて苦しい。苦しいけれど、気持ちいい。激しすぎる律動に、痛みも混ざるけれど、快感も確かにそこには存在して――

「やん、あっ、ああああぁっ……」
「っ、くそっ、出るっ……」

 どちゅん、と一番奥に肉棒を捩じ込まれた。陰嚢が膣口のお尻側に当たる感触があり、鈴口が子宮口にこれまでになく強く押し付けられる。
 肉棒の痙攣とともに、びゅくり、と白濁が叩きつけられた。

 びゅく、びゅくり、どぷ……

 吐き出された精液が、有紗の膣内を白く染める。
 飽和した体液が、結合部から漏れ、太腿を伝った。

 長い吐精が終わっても、ディートハルトは胎内に居座り続け、時折マーキングするように腰を揺らした。


   ◆ ◆ ◆


 ようやく胎内から肉棒が抜かれても、有紗は放心状態のまま動けなかった。

「血と混ざってピンクになってる。エロ……」

 膣口に触れられる。そこからはディートハルトの精液と有紗の愛液、そして破瓜の血が混ざりあったものが零れていた。

「ほら、滅茶苦茶やらしい」

 そう言って見せつけてくるディートハルトはまるで小学生の子供だ。虫嫌いの女の子に、虫を押し付けてくるのに似た幼稚さを感じる。

 こんな男に初めてが奪われたのだ。悔しさが込み上げる。
 首輪さえなければせめて抵抗が出来たのに。有紗は唇を噛んだ。

 ディートハルトは、流れ出たものを膣内に戻すよう指先を動かした。

「全部は戻んないなぁ。勿体ない」

 ややあって諦めると、立ち上がり、有紗の胸元に手を翳した。
 手の平が赤く光る。

「《浄化》」

 ディートハルトの言葉と共に、赤い光が弾け、粒子となって部屋中に降り注いだ。

「魔法……?」
「うん、体組織に作用する系はダメでも表層に作用するものならちゃんと効くね。テラ・レイスの身体は本当に面白い」
「何したの……」
 警戒の表情で尋ねると、ディートハルトは安心させる為か、有紗の頭を撫でた。

「浄化の魔術だよ。庶民はともかく、こちらでは王侯貴族は水じゃなくて魔術で体を清めるんだ。艦には湯浴みの設備もあるけど、平民の兵士が共用で使ってるから、あんまりアリサには使わせたくない」

 確かにそれはあまり使いたくない。

「一応この部屋中、アリサの膣内なか以外は浄化しておいたから、下着も服の汚れも消えてるはず」

 言われてみれば、身体中がすっきりしていた。有紗は半身を起こすが、その瞬間胎内から残滓が流れ出てきて顔を顰めた。

膣内なかって、そういう事……)
「動くと溢れるかもって言おうとしたのに」

 言いながら、ディートハルトはベッドサイドの引き出しから小さな包みを取り出した。そして床に投げ捨ててあった下着と共に渡してくる。

「ほら、これ使って」
「何これ」

 それは、小さなハンカチ状の布だった。
 ハンカチよりもずっと分厚くて、何重にも生地を重ねて一枚の布に仕立てられている。

「女の子が月のものの時に使うやつだよ。こう下着に付けて使うんだ」
 布ナプキン的なもののようだ。

「……何でこんなもの王子様が持ってるの?」
「何かのゲームの景品だった」

(本当かな……)

「軍は男世帯だからね、そういう悪ふざけがあるんだよ。そのうち嫌がらせ返しで押し付ける予定で持ってただけだから」

 有紗の疑いの眼差しに、ディートハルトは肩を竦めた。

「アリサの身体、良かったよ。所有者登録書き換えるからバルツァーを呼んでくる。それまでにちゃんと服を着とくんだよ。後、この部屋からは出ないでね、艦の中は飢えた男共の巣窟だから」

 そう言い置いて、ディートハルトは部屋を出て行った。
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