MIGEKAのとびら

第07話 他タイプと共に生きる現在共感型。浦野すず＆元SMAP稲垣吾郎さん

　前話は少々破滅に走ってしまった現在共感型の事例だったので、今回もう少し別の視点から共感型の魅力に迫ってみようと思います。

　現在共感型が他との協調を図る様子はよくテレビのメロドラマですとかアニメに描かれることが多い。とても多いです。
　大ヒット作『この世界の片隅に』のヒロインである浦野（北條）すずはその好例でしょう。絵を描くのが好きで、ボーっとしてどこか抜けているところがあるすずですが、人の話を遮ることなくうなずきながら周りとの協調を図っています。障害にめげることなく彼女なりに家事を頑張りながら戦中戦後を逞しくつつましく生き抜こうとするその姿勢は、多くの観客のハートをつかみました。続編である『この世界の（さらにいくつもの）片隅に』もファンが多い作品です。
　これらの作品は、政治的スタンスや宗教的スタンスを異にする各方面からこぞって好意的に取り上げられたこと。国籍や思想に関係なく鑑賞可能な中立的作品で、そういった点で各国での上映評価も好意的だったことがあげられます。さらにNHKでは「#あちこちのすずさん」というテレビ番組及びプロジェクトキャンペーンを組んで日本の戦後を生きる庶民の姿を残す取り組みを始めました。
　過去再現型である原作者のこうの史代さんの精緻な描写、ならびに過去再現型を中心にした制作メンバーたちによるものであることは言わずもがなですが、現在共感型であるヒロイン・すずと、同じく現在共感型な声優ののんさんの魅力に負うところが非常に大きい。現在共感型が持つ強みであるといえます。

　もう少し現在共感型を追ってみます。やはりプロジェクトですとか、夫婦間、グループ間でメンバーの間を取り持ちつつ自らの個性を発揮するタイプが多い。
　再現型なご主人と組む現在共感型女性のカップルには松任谷正隆・由実夫妻、山下達郎・竹内まりあ夫妻、堺雅人・菅野美穂夫妻などがいらっしゃいます。それぞれの持ち味を活かしご活躍です。

　ところで、前出の菅野さんは元SMAPの稲垣吾郎さん（同じく現在共感型）と結婚秒読み間近と騒がれたことがありました。
　実は現在共感型同士のカップルは恋愛では楽しめる関係なのですが、いざ結婚となると難しい間柄となります。お互いが「今」の瞬間しか見えておらずほかの時間軸がわからないため、とても不安定になるのです。お二人の破局の原因はこんなところにあったのではと思われます。

　ついでですので元SMAPのメンバーのみげか診断をやってみます。

　・中居正広さん：再現型。ひょっとすると再現特化かも。リーダーとしてメンバーをまとめたり、バラエティー番組の司会進行も務めるおおきな度量の持ち主。
　・木村拓哉さん：　創造＋再現の司令官型。天性の演技力に加え料理もお得意です。なお奥様の工藤静香さんは共感＋再現「最強の実行者」であります。
　・稲垣吾郎さん：共感。ひょっとすると共感特化。多趣味で情報通。メンバーたちの調整役だったとのWeb記事もちょくちょく見かけました。SMAPが長きにわたって活動できたのは稲垣さんの調整の賜物だったかもしれません。
　・草彅剛さん：第04話で取り上げました。みげか＝2:3:5の再現型。まさに努力の人。
　・香取慎吾さん：みげか＝1:5:4の「最強の実行者」とクルミアルクは分析します。「慎吾ママ」など自らをくだいて表現できる一方でこだわりが強い面があり、木村拓哉さんと対立していたとの声も聞きます。
　・森且行さん：創造型ですが過去再現要素あり。オートレーサーへの夢を実現させ、臓器を損傷しているにもかかわらず現役復帰し選手生活を続行していらっしゃる。これは現在を大切にする共感型にはとても考えられない行動です。

　SMAPはずばりこれだけ「みげか」の傾向の違う者同士で作り上げたチームだったのです。それぞれの持ち味を最大限に生かして次々と売り上げ記録を塗り替え、人々の心に残る幾多の名曲を世に送り出すとともに、エンターテイナーとしてもすぐれた資質を発揮した稀有なグループでした。
　再結成を望むファンらの根強い声がありますが、ビートルズのジョンレノンとポールマッカートニーの例にあるように、一度大ゲンカした創造型と再現型がお互いの長所を認め合うのは至難の業です。関係修復の鍵を握るのはリーダーの中居さんと共感型特化の稲垣さんでしょうか。お二人の立ち回り次第では、ひょっとしたらひょっとする、かも？