大好きな母と縁を切りました。

むう子

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第二章

23話

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【その頃グランデ家では】

「お父さま!!何故謝ったの!?私から侮辱したからってあの女が私に侮辱することは許されないでしょう!?」

「黙りなさい…レビア、お前は何も分かっていない。それに初めに侮辱したのはレビアだろう。謝って当然だ」

「だってお父さま!あの女は悪女なのよ!?お父様も知っているでしょう!?」

「黙りなさいと言っている!!これ以上言うと怒るぞ。部屋に戻って反省しなさい。」

「なっ」
レビアはメイシーを虐めてきたナーシャ嬢の事を今までお父様もカルノス家の義娘とはいえ酷いと怒ってくれていたのにいきなり怒鳴られてびっくりして部屋に戻っていった。


レビアはもう少し賢い娘だと思っていたが…甘やかし過ぎた…何一つ状況判断ができずに言いたい放題だ…。
それにしてもなぜカルノス公爵が今更になってあの義娘の肩を持ったんだ…。
奴はいつもあの娘を煙たがっていたはずだろう。
ケルディアの娘は何している。
あの義娘が何も思い出さなければいいが…。

それにレビア…何も知らぬとはいえのケルディアの娘の話題を出すとは…
あの雰囲気…。あの娘がメイシーを虐めて来たという話も全て嘘だったともう分かっているだろう。それなら確実にケルディア家について調べているはずだ…。
カルノス公爵とも関係があったからな。簡単に調べられるだろう。
あの頃のうちとケルディア家の裏取引はバレないように手を回しに回していたが心配事が増えることは避けたい。
レビアとあの義娘を会わせるのはマズイだろう。

ケルディア元伯爵の娘は何をしてるんだ。
数年間上手くやっていると安心しておったのに。
奴とも連絡取れなくなったのも気になる…
くっレビアを連れて謝罪させに行くか。
自分の目で確認しなければ気が済まない。


______________________


「お姉様~♪そろそろ食事の時間ですよ」

「んんん…レティシャ!もうそんな時間だったの?今用意して部屋に行くわ。先に部屋へ行っててくれる?」

「はーい。ふふ。今日もお姉様の隣に座ってもいい?」

「もちろんよ。」

「わーい。じゃあ待ってますね。」

ふう。最近忙しすぎて睡魔が凄い。

部屋に行くと既にお義父様、お母様、レティシャが待っていた。

「お待たせしてごめんなさい。」

「いいのよいいのよ。それよりお父様から聞いたわっきっちり謝ったんですってね。ふふ。偉いわナーシャ」

「え…ええ」

「ナーシャはさすが大人ね、朝早くから勝手に出ていっちゃったから心配してたのよ」
……。
ビリビリに敗れたドレスを思い出して褒められても素直に喜ぶ気にもなれず苦笑いになる。
お母さんが大好きだった頃は…私も自分しか見ることが出来ていなかったんだろうか……。

「お姉様、今度またわたしに勉強を教えてほしいの!病気が
流行ってからまだラベル先生も来てないから…」

「本当だね!いいよ♪後で一緒に勉強しよう」

「ああ、バタバタしていて伝え忘れていたな。ラベル先生は一身上の都合で数ヶ月おやすみすることになったんだ。」

「数ヶ月も!?ラベル先生…大丈夫かなぁ…」
「心配ねえ」

レティシャはわたしに勉強を教えて貰えると喜んびながらもお母さまとラベル先生の事を心配している。

傍から見れば本当にただただいい家族に見える。
「一身上の都合……先生の身内に疫病になった人が居たのかな?」

「いや。レティシャ、それなら私に治してくれと頼むだろうから病気では無いから大丈夫だよ」

そうよね。ラベル先生に一体何があったんだろう……。
元気に過ごせているといいのだけど…。


食事を終え、少しレティシャに勉強を教えてあげて部屋に戻った。


明日からはウィンとルークと一緒にリーツを貯める練習だ!

ソランとティエラ2人が力を使っても余裕なくらいリーツを溢れさせて絶対ソランをびっくりさせるんだから!


私はそんなことを思いながら眠った。


"ナーシャはもう眠ったんだな"
深夜ソランが帰ってきた。

"ええ。最近忙しいからね、寝る時に寝ないと。それはそうとソラン、そっちの様子はどう?"

"結界の中では力を使うために色々やってるんだろうが外に出る気配は一切ないよ。今はウィンが様子を見に来たから交代して休憩だ"

"そっか…あの女、代償はどうするつもりなのかしら"

"まあ間違いなくナーシャが…いや、その周りの人間も狙われるだろう"

"そうね…けどあの公爵令嬢がロアンを呼び出したらしいけどどうも連れ去りそうもないのよねぇ"

"まだ日が経ってないから焦りも無いんじゃないか?"

"そうかもしれないわね。"

"ああ。こっちの動きは知らないだろうからな。ナーシャが精霊と契約してることも知るはずもないし"

"ええ。そうよね…。あっソラン。帰ってきたついでにこれ持っていきなさい♪ナーシャがお義父様とマカロンを食べに行ってソランの為にお土産だって"

"あのシャンドラとなあ…。"

"ええ。匂いも変わって人も変わったように良い人になったわ。まるで今までは誰かに呪術でもかけられていたかのように。"

"…可能性はあるな…"

"ええ。私たちは元々のシャンドラの匂いを知らないからね…小さな呪術なら気づけなくて当然よ"

"あの女の近くにいる 呪術師か。あの女に繋がりがあるようには見えなかった。呪術師はかなり出来るやつだろうな。" 

"きっとね…"

"まあ引き続きナーシャを見守ってやってくれ。俺はそろそろ戻るよ。ウィンも拗ねてるだろうからなっあそこで騒がれたら一溜りもない"

"そんなの当たり前でしょ?私のご主人様でもあるんだからっ。くれぐれもバレないようにね"

"ああ"


ソランが戻るとウィンは既に1人ぼっちで見張りに飽きて
目をうるうるさせながら"おかえり~"とソランに向かって走り騒いだのだった。
ソランは静かにしてくれ…。と呆れてウィンを剥がしていると勘の鋭い呪術師はキョロキョロ外を覗いていたらしい(笑)
    
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