大好きな母と縁を切りました。

むう子

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第二章

27話

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お母様に……叔父様のことを聞いてみるべきか……
でも今のお母様は異常なくらい問題に関わるのを嫌がっているからきっと……無理がある。

ならやっぱりお義父様が1番いいのかもしれない。
栄養失調の方や病気の方をみてあげて欲しいっていうことを言うついでに伝えられるかもしれない……。

けど……なんだかお義父様を巻き込んでもいいのか不安になる。
今や私のためになんでも手助けしようとしてくれるお義父様……また無理をしちゃうんじゃ…。


いや。今はそんなこと言ってる暇なんてない……。
ただ、幻と言われるほどのワインを手に入れる人を知りたいだけだもの。
それ以外は話さなければいいだけよ。


明日にでも伝えてみよう。
今日は何も出来なかったし、もう1回壺を探してみよう。

目を閉じまた2人の光を探す。
ティエラの太い光は見つかるもののソランの光が細くなっている……。
あれ?ソラン……?

「ティエラ!?ソランの光が……」

"ええ。私もさっき感じたところだったの。ソラン……すこし弱ってるみたい"

「なんで!?なんでソランが……!!」

"私も分からない……けど今あそこに向かうのは危険よ"

「でも!!ダメよ。ソランに何かあったら私……」

"大丈夫よ。ソランは力があるもの。それに精霊は死んだりしないわ。何かあったら精霊界に帰ることだってできる"

「でも……でも私に気を使って力を使ってないんだとしたら……それに何か動きがあったのかも」

"可能性はあるわ。だけどそれなら私にまず伝えるはずよ"

「伝えられる状況じゃなかったとしたら!?」

"……。その可能性もあるわね。分かった。ナーシャは姿を消せないでしょう?私が様子を見に行ってくるわ。ナーシャはソランに声をかけてみて"

「分かった……でも……ティエラも気をつけて」

"ええ。もちろんよ"


《ソラン!!ソラン!!今どこにいるの?》

返事がない……どうしよう!絶対私があの二人を守らなきゃ。

もう1度目を閉じ、光を探した。
まださっきのまま細いものの光はしっかり見える。
ソランにリーツを使っても大丈夫と思うくらい高めないと……。お願い私の中の壺を見せて!!


パアアアアア
背景が急に真っ暗になりその奥の方でピンクゴールドのような光が見える。
夢の中のような場所に入ったみたいで真っ暗なのに全然怖くなく温かい中あの光は壺だと信じ光の元へ進んだ。
あった!これが私のリーツが入った壺ね。……私の半身くらいはある大きな壺に透明の囲い。

……だけど蓋されていて蓋を押し出すようにこの透明な囲いに溢れてはいるけどこの蓋を退けない限りリーツは沢山溢れ出る事はなさそうだ。
ソランたちもなんとなく気づいていて今まで安易に力を使わなかったのかも……。
蓋を手で触ろうとするも弾かれてしまった。

もしかしてルークの描いてた陣を書かないといけないのかな……。

ティエラに伝えようにもソランの元へ行ってしまった。
それなら自分でやるしかない……!!

そっと目を開いた。
そうよ絵本よ!あの絵本に陣が書いてあった。
可愛らしい絵本なのに陣だけは緑で綺麗な模様があった……。

絵本は書籍部屋にあるのかしら。
あれ?ここにはない……

ならレティシャの部屋に。
レティシャはお母様とお茶を飲んでる。ごめんね。すぐに返すから……。
レティシャの部屋に入るとベットの元に絵本が置いてある。
よかった……あったわ!!

すぐに部屋に戻り目を閉じた。


あれ?2人の光が共に細くなっている。
どうしよう……いや……今わたしにできることはこれしかない。

何で陣を書けばいいんだろう……。
そういえばルークは陣を書いてくれたけれど緑色だった。
もしかして自分が契約するであろう精霊な光をかりないといけない!?

いや、分からないけどやってみるしかない。
2人の光をそっと触ると指先に光が集まった。
絵本で見たはずの陣が頭の中で鮮明に出てくる。
私はその通りに陣を書き願い蓋を開く。
思ったより重いわ……
ぐっと持ち上げた瞬間ツボの蓋は軽くなりカシャンと落ちた。

開いた……。よかった……。
リーツはゴボゴボと溢れ出る。

《お願いソラン、ティエラ…無事でいて!!》


チクッと少し胸に痛みを感じるとティエラの光が太く戻っていく。ソランは!?一体何が起きてるの!?

《ナーシャ……壺開けたのね。少し力を使わせてもらったわ。ソランを連れて戻るから……少し待ってて》


ティエラの声が届き少しだけ安心した。
でもソランを連れて戻る……。どういうことなの……
ソランは無事なの?お願い……お願いよ無事でいて……。


放心状態で2人を待つ私に容赦なくお母様は気分良さそうに食事の時間よ♪とメイドと共にやってくる。

「レアロナ様……ナーシャ様は少し体調を崩してらっしゃるようですが……」

「そんな事ないわ!家族で食事が取れるのはナーシャも喜んでいるはずよ!!ねえ。ナーシャ!」


「……ええ。嬉しいわ……けど少しそっとして欲しいかも……」

「なあに!?」

「……お母様。少し体調が悪いようなの」

「まあ、大変今すぐお父様を呼んでくるわね。」

当たり前のように心の底から心配そうに聞いてくるお母様。
こんな時でもそっとする気はないようでお義父様を呼ぶようにメイドに命令する。

「違うのよ。体調は体調なんだけど……考え事していて…それでそっとしておいてほしいの」

「まあ。それなら家族なんだから話せばいいでしょう?」

「……」

「メイシーの件も落ち着いたんだから。ね?」

「お母様……お願い」

「まだ何か言えないことがあるの?」

「そうじゃないわ……落ち着いたらきっと話すから…」

「……」

「どうした?ナーシャ体調を崩したって聞いたが」

「お義父様……私少し悩み事があって食欲もなくて……」

「そうか……体がっていうわけではないんだな」

「ええ……」

「レアロナ?ナーシャはもうすぐ15歳だ。悩み事ならいくらでもある年だろう?そっとしておいてやろう」
「でも!!ナーシャの気持ちはなんでも聞いておかないと」

「レアロナ!!」

「お義父様がまた何かした!?そうなの?だから部屋に篭ろうとしているの!?」

この言葉にお義父様も顔を引きずらせ私に何かしてしまったのかと黙ってしまった。

「違うわ。お義父様は私のためにグランデ令嬢の元に着いてきてくれたり感謝しています。お母様、憶測で物を話せば誰かが傷つくでしょう?ただ私は今のジェノシーの状況を少し知って何か出来ることはないかなって心配だっただけなの」

「まあ、そうだったの?それなら食事しながら話しましょう?ね?それがいいわ。早く来なさい」

「……はい」

お母様が広間に行くのを見てお義父さまがそっと気を使ってくれる。
「…ナーシャ。大丈夫かい?君がしんどければ部屋に食事を運ばせるようにするよ?もちろん故郷のジェノシーの件も相談があるならいつでも聞こう」

「……大丈夫です。きっとお母様も納得しないわ」

「そう…だね。…止めることが出来なくてすまない」

「いいえお義父様は何も悪くないわ。むしろお礼を言わないと」

「気にしなくていい出来ることなら何でもするからね」

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