2 / 10
第1章
1-2「決めました。」
しおりを挟む
「~であるからしてこの学校の生徒としての自覚を持って…」
教頭先生のやたら長い話を聞いているが、全然頭に入ってこない。
登校時に、健太の言っていた投稿のことが気になって
何も考えられない…というかどう回避しようか悩んでいる。
その健太はというと、僕の後ろの席で寝てしまっている。
ちなみに健太とは、同じクラスだ。
ところで、なんで校長じゃなく教頭が話してんだ?
…って駄目だ、こんなこと考えてる暇はない。
「続きまして、理事長 兼 校長先生のあいさつです。」
え?今度は理事長先生?
訳がわからない…でもいいか。
これでまだ考える時間ができた。
と考えていると、壇上から綺麗な声が聞こえてきた。
「皆さん、おはようございます。新境学園、理事長の祇園 茉莉花です」
もう全然考えられないじゃないか!
…ん?祇園 茉莉花? 聞いたことあるような気が…もしかして…
「おい!優里!あの祇園って人…」
寝ていた健太が起きて話しかけてきた。
「起きたんですね。健太も引っ掛かりましたか、あんな珍しい名前、同姓同名がそう何人もいるとは思えません。」
「てことはやっぱり…」
「僕と同じことを考えていますね」
僕と健太は同じことを考えていた。
それは、十中八九アプリSINglesをだしている会社バルトアルフィの社長であるという事。
社長の名前も祇園 茉莉花だったはず。
「皆さん、この度はご入学おめでとうございます。この学園での生活を思う存分楽しんで下さい…それからスマホアプリ、SINglesをよろしくね~」
やはり社長だった。
その事が分かったとたん生徒が「おぉぉ!」と騒がしい感じになってしまった。
それもそのはず。この前通知で利用者が100万人を越えたなんて言ってたからな。
しかし大丈夫なのか?学校でこんな宣伝しても…
「理事長先生、盛り上げていただきありがとうございました。」
え?大丈夫なの?
注意とかされるんじゃないの?
なによりも盛り上がりってなに!?
しかも挨拶短くない!?
「なんかこの学校、面白い気がするな!」
ニヤニヤした顔で健太が僕に話しかけてきた。
「そう思える健太がすごいですよ。僕は頭が痛いです」
前途多難だ。これからの学校生活上手くやっていけるのだろうか。
「では、これで入学式を終わります。各教室に戻ってください」
アナウンスが流れ入学式は終了した。
このあとは、各クラスでHRがあり学校終了だ。
ちなみにHRは狩人のランクではなく、ホームルームだ。
え?分かってるって?……ごめんなさい…言いたかっただけなんです。
…って!どう投稿を回避するか全然考えれてない!
キーンコーンカーンコーン
「あっ……」
無情にも最期を知らせるチャイムが鳴り響いた。
「では、クラスに移動します。私はこのクラスの担任の津川 智香(つがわ ともか)です。では、着いてきてください」
担任の先生が先導し教室へと足を進める。
僕はもちろん、足が重い。もう諦めようかな。
なるようにしかならないし。考えてても仕方がない。
「おい、優里。前、進んでるぞ~」
「あっ、ありがとうございます、健太」
前の人と離れてしまったため、急いで詰める。
とりあえず学校を終わらせて健太の家だ……
その後は、クラスに戻り、自己紹介をして終了した。
え?内容?特に何もなかったです。
言うことがあれば、またしても根暗のレッテルを張られたぐらい。
腐食しなきゃなと思っていた矢先これか…
そして放課後、今から健太の家に行くことになっていた為
帰る準備をしていると、健太が話しかけてきた。
「お~い、優里帰ろうぜ~」
「そうですね、帰りましょうか」
鞄のなかに配られた教科書をドッサリ詰め込み
帰り道についた。
「これから家に行って朝の話の続きしようか」
「やっぱり、投稿しなくちゃダメですか?」
実は、諦めきれていなかった。やっぱり僕にはハードルが高すぎる。
せめて、最初はもっと簡単な事からじゃないと…
そんなことを考えていると、健太が真面目な顔をして僕を見てきた。
「無理にとは言わねーよ。でも、このままじゃいけないと思ってるんだったらこれを機会に変わってみるのもいいんじゃねーの?」
「………」
何も言えなかった。健太の言っていることが正論過ぎて。
確かにこれを期に変わってみるのも、もちろんありだ。というかナイスタイミングすぎる。
しかし、今までの自分を急に変えろと言うのも結構無理な話だ。
僕が言葉に詰まっていると、健太が続けて話をしてきた。
「俺は、今まで通りでもいいと思ってる。お前が変わらなくても俺は幼馴染みで親友だからな。でもお前が変わりたいなら俺は全力で協力するぜ」
無駄にカッコいいことを言ってきた。
「なに、カッコつけてるんですか?」
「え?今の俺カッコよくなかった?」
「自分で言ったらダメでしょ。でもありがとうございます。おかげで決心が着きました」
「おっ!ってことは~」
「はい。僕、決めました」
「なら、善は急げだ。早く俺の家に行こうぜ!」
「はい。行きましょう」
この先どうなるかなんて分からない。
でも今の僕を変えるため、このSINglesに懸けてみよう。
僕は投稿を決意した。
教頭先生のやたら長い話を聞いているが、全然頭に入ってこない。
登校時に、健太の言っていた投稿のことが気になって
何も考えられない…というかどう回避しようか悩んでいる。
その健太はというと、僕の後ろの席で寝てしまっている。
ちなみに健太とは、同じクラスだ。
ところで、なんで校長じゃなく教頭が話してんだ?
…って駄目だ、こんなこと考えてる暇はない。
「続きまして、理事長 兼 校長先生のあいさつです。」
え?今度は理事長先生?
訳がわからない…でもいいか。
これでまだ考える時間ができた。
と考えていると、壇上から綺麗な声が聞こえてきた。
「皆さん、おはようございます。新境学園、理事長の祇園 茉莉花です」
もう全然考えられないじゃないか!
…ん?祇園 茉莉花? 聞いたことあるような気が…もしかして…
「おい!優里!あの祇園って人…」
寝ていた健太が起きて話しかけてきた。
「起きたんですね。健太も引っ掛かりましたか、あんな珍しい名前、同姓同名がそう何人もいるとは思えません。」
「てことはやっぱり…」
「僕と同じことを考えていますね」
僕と健太は同じことを考えていた。
それは、十中八九アプリSINglesをだしている会社バルトアルフィの社長であるという事。
社長の名前も祇園 茉莉花だったはず。
「皆さん、この度はご入学おめでとうございます。この学園での生活を思う存分楽しんで下さい…それからスマホアプリ、SINglesをよろしくね~」
やはり社長だった。
その事が分かったとたん生徒が「おぉぉ!」と騒がしい感じになってしまった。
それもそのはず。この前通知で利用者が100万人を越えたなんて言ってたからな。
しかし大丈夫なのか?学校でこんな宣伝しても…
「理事長先生、盛り上げていただきありがとうございました。」
え?大丈夫なの?
注意とかされるんじゃないの?
なによりも盛り上がりってなに!?
しかも挨拶短くない!?
「なんかこの学校、面白い気がするな!」
ニヤニヤした顔で健太が僕に話しかけてきた。
「そう思える健太がすごいですよ。僕は頭が痛いです」
前途多難だ。これからの学校生活上手くやっていけるのだろうか。
「では、これで入学式を終わります。各教室に戻ってください」
アナウンスが流れ入学式は終了した。
このあとは、各クラスでHRがあり学校終了だ。
ちなみにHRは狩人のランクではなく、ホームルームだ。
え?分かってるって?……ごめんなさい…言いたかっただけなんです。
…って!どう投稿を回避するか全然考えれてない!
キーンコーンカーンコーン
「あっ……」
無情にも最期を知らせるチャイムが鳴り響いた。
「では、クラスに移動します。私はこのクラスの担任の津川 智香(つがわ ともか)です。では、着いてきてください」
担任の先生が先導し教室へと足を進める。
僕はもちろん、足が重い。もう諦めようかな。
なるようにしかならないし。考えてても仕方がない。
「おい、優里。前、進んでるぞ~」
「あっ、ありがとうございます、健太」
前の人と離れてしまったため、急いで詰める。
とりあえず学校を終わらせて健太の家だ……
その後は、クラスに戻り、自己紹介をして終了した。
え?内容?特に何もなかったです。
言うことがあれば、またしても根暗のレッテルを張られたぐらい。
腐食しなきゃなと思っていた矢先これか…
そして放課後、今から健太の家に行くことになっていた為
帰る準備をしていると、健太が話しかけてきた。
「お~い、優里帰ろうぜ~」
「そうですね、帰りましょうか」
鞄のなかに配られた教科書をドッサリ詰め込み
帰り道についた。
「これから家に行って朝の話の続きしようか」
「やっぱり、投稿しなくちゃダメですか?」
実は、諦めきれていなかった。やっぱり僕にはハードルが高すぎる。
せめて、最初はもっと簡単な事からじゃないと…
そんなことを考えていると、健太が真面目な顔をして僕を見てきた。
「無理にとは言わねーよ。でも、このままじゃいけないと思ってるんだったらこれを機会に変わってみるのもいいんじゃねーの?」
「………」
何も言えなかった。健太の言っていることが正論過ぎて。
確かにこれを期に変わってみるのも、もちろんありだ。というかナイスタイミングすぎる。
しかし、今までの自分を急に変えろと言うのも結構無理な話だ。
僕が言葉に詰まっていると、健太が続けて話をしてきた。
「俺は、今まで通りでもいいと思ってる。お前が変わらなくても俺は幼馴染みで親友だからな。でもお前が変わりたいなら俺は全力で協力するぜ」
無駄にカッコいいことを言ってきた。
「なに、カッコつけてるんですか?」
「え?今の俺カッコよくなかった?」
「自分で言ったらダメでしょ。でもありがとうございます。おかげで決心が着きました」
「おっ!ってことは~」
「はい。僕、決めました」
「なら、善は急げだ。早く俺の家に行こうぜ!」
「はい。行きましょう」
この先どうなるかなんて分からない。
でも今の僕を変えるため、このSINglesに懸けてみよう。
僕は投稿を決意した。
0
あなたにおすすめの小説
幼馴染みの君が言うには
六つ花えいこ
青春
「おかえりなさい」
「あぁ、いらっしゃい」
同じマンションに住む陽介と実里は幼馴染。
最近では話すことさえなくなった二人であったが、ひょんなことから、実里は陽介のために毎晩家に通っておさんどんをすることになった。
「いただきます」
「はい、どうぞ」
手と手を合わせて、心を繋いでいく二人の、のんびりとしたお話。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる