音楽を心に~music heart~

野良豚

文字の大きさ
3 / 10
第1章

1-3「これが初投稿どころか初歌です」

しおりを挟む
SINglesに投稿すると決めてから5分後、健太の家についた。
まさか僕がSINglesに投稿することになるとは…
今でも信じられない。
でも投稿すると決めたからには、しっかりと歌おう!

僕は、決意で胸が一杯になっていた。
すると健太が声をかけてきた。

「優里~決意を胸にしたような顔してるのは分かるが…いつまで玄関に立ってるんだ?」

少し自分の世界へいっている間に、健太は家の中に入っていた。
僕は、靴を脱ぎならが健太に正直な気持ちを話した。

「すいません。初めての投稿だから緊張と不安でいっぱいなんですよ」

「その気持ちはわかるな~俺も初めて投稿するときはかなり緊張したからな~」

「健太でも緊張することがあるんですね~」

「優里って何気に酷いこと言うときがあるよな…」

「素直だと言っていただけませんか?」

こんなバカな会話をしながら、健太の部屋へ向かった。
部屋に入るとソファーに座り、これからどうすればいいのかの説明を聞いた。

「一応アプリは入れてあるのですがどうすればいいんですか?」

「そうだな~イヤフォンって持ってきてるか?」

「はい、学校行く前に聞いているので」

「マイクつきだな?」

「そうですね。基本、電話とかもイヤフォンなので」

「ならイヤフォンをつけて、アプリのマイクボタンを押してみてくれるか?」

そう言われ、指示のままイヤフォンをスマホに装着し、アプリを起動し、マイクボタンを押した。
するとアプリの画面になにかが表示された。

「あの、マイクボタンを押したら画面になにか出ましたけど?」

「それ、録音するときのガイドだからそれに従っていけばいいよ」

僕は言われるがまま、操作を行った。するとスマホの画面に
録音を開始しますか? はい   いいえ
という文字が出てきた。僕は少し焦っていた。
え?いきなり録音なの?
いや、でもイヤフォン着けただけだし…
分からなくなった僕は、健太に助けを求めた。

「健太、録音しますかって表示されたんだけど?」

「おっ!出てきたか?ならはいを選択したらすぐに録音開始だぞ」

やっぱりこれを押したらすぐに録音されるんだ。
危ない、押すところだった。

「そういうのはもっと早く教えてもらっていいですか?」

「スマン、スマン。曲も決まってなかったな~。んで?なに歌うの?」

なんかキラキラした目でこっちを見てきた。

「オリジナルなんて作ってないですから、カバー曲にします」

「なるほど、音源ほしいか?パソコンで検索すればカラオケ版あるだろ。
それか、音源をアプリ内で探すかだな。」

「確かにそうですね。じゃあ、パソコンでお願いします。」

僕がそうすると言うと健太は僕が指定した曲を調べ始めた。
すると健太が曲を探しながらとんでもないことを言ってきた。

「ちなみに録音する形式だよな?なんなら顔出ししてみるか?」

「!?それは無理ですよ!いきなりハードルが高過ぎます!」

「なんで?俺、初投稿は顔出しでやったぜ?」

「健太、僕はこれが初投稿どころか初歌です」

「…はぁ?どういうこと?」

無理もない。初投稿なら分かるが、初歌ってなに?みたいな感じだろう。
説明しなければならないですよね~

「僕は今まで、人前で歌った事がありません。もちろん健太の前でもないはずですが?」

「確かに、優里の歌聞いたことないわ。長い付き合いなんだがな~気づかなかった」

聴いたことないのに歌唱力では僕に負けるなんて言ってたのでしょうか……

「僕が得てしてそういう風に持っていってましたから」

「なら俺が、初歌聞くことになるのか~」

「そういうことになりますね。でも健太でよかったかもしれません。下手でも笑わないで下さいね」

「もちろん笑わない。でも一生懸命歌えば、通じるかもよ?」

なにが誰に通じるのやら…
まぁいいやとにかく歌おう!

このあと起きる出来事を知らずに僕ら二人は、今この瞬間を楽しんでいた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

幼馴染みの君が言うには

六つ花えいこ
青春
「おかえりなさい」 「あぁ、いらっしゃい」 同じマンションに住む陽介と実里は幼馴染。 最近では話すことさえなくなった二人であったが、ひょんなことから、実里は陽介のために毎晩家に通っておさんどんをすることになった。 「いただきます」 「はい、どうぞ」 手と手を合わせて、心を繋いでいく二人の、のんびりとしたお話。

幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。

四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……? どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、 「私と同棲してください!」 「要求が増えてますよ!」 意味のわからない同棲宣言をされてしまう。 とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。 中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。 無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...