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vs. 双子。

閑話。実はオンタリオ皇国って。

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この世の中、前世持ちと呼ばれる本来知らないはずの記憶や知識を持って生まれる者達がいる。
はっきりと自覚している者、漠然としすぎていて、正直前世持ちとは呼べない者。
記憶の内容がロクでもなさすぎて、思い出すんじゃなかった~……と、後悔しきりな者。
等々。

始まりはほんの小さな国に過ぎなかったオンタリオ皇国が、一回りほど大きくなった上に、その領土の割りに必要以上に豊かな国へと変貌したのは。
皇族に前世持ちが──それも、何代か続いた上に複数──生まれたが故である。

彼らに共通したのは、食に対する一種異様なまでの執着であった。
望むモノ──主に作物、植物、調味料等──を手に入れる為だけに、他国とも交流。
……金と権力持ったヤツが自重せず、止める者も居ないと、な……。

前世持ちの皇族連中が好き放題やらかした結果なのか。
何代も続いたせいで、妙な磁場でも出来上がっちゃったのか。
どうやら、とある世界のとある島国の何らかの生産者、あるいは職人的な前世持ちが皇国に集合。
国を上げての厚待遇もあって、ナンやカンやあって。
美食と飽食の国、オンタリオ皇国が誕生した。

国家事業で味噌や醤油などの発酵食品造りに勤しんだり。
海の向こうの島国から穀物──米だな──やら芋類豆類やらごっそり仕入れて。
農業や酪農に力を入れたり。
職人の育成に力を入れたり。

東の海と険しい山脈。
危険極まりない火山地帯に囲まれて、他国に戦争をふっかけられる事もなく。
前世持ちの皇族サマのお気に召すまま……になったら、こーなった。

正直な話。
この大陸で一番食事の美味い国で、自給自足率が半端なく。
過剰に収穫された作物は、他国に対する政治的な圧力に使われたりもする。
……その辺りは、国の上層部がナンかするんだろうね。
腹黒い方向で。

ぽこぽこと現れる迷宮のおかげで、一攫千金狙いの──特に迷宮探索者と呼ばれる冒険者達が集合し。
人の流れや物流も申し分なく。
まぁ、住みやすいっちゃ住みやすい国である。

誰かナニかの思惑が目一杯詰まった国、とも言えるが。
実際に生きて生活している人達にとっては、特に関係の無い話でもあるね。







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