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vs. お貴族サマ。

……誰得?

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さて。

そんなこんなで、私に小細工された事にまったく気付かずに、ゆっくりと時間をかけて術とオクスリの影響から覚醒した他国人4人。
頭を左右に振ったり、すっかり冷めた茶を飲んだりして気分転換してるっポい。



さっそく、と言わんばかりにおやじ殿が改めて紳士なセリス伯爵に。

「何でお前が仕事ほっぽり投げてここに居るんだ?」

真っ正面からケンカ売った。



え? とアワアワしてる紳士と。
我が主人に対して、たかが冒険者ふぜいがナニサマだ! と憤る紳士のお付きの──何て言ったっけ……アレク……まぁ、いいかどーでも。
ん?
ナニゲにダニエルもおやじ殿を威嚇してるけどさ。
アンタ、今、一応ブラナンとか侯爵家に仕えてるんだよね?
今の主人は華麗に放置か。

……まぁ、本っ当にどーでもいいコトだけどな。



セリス伯爵は。
ちょっとアワアワして見せたが、おやじ殿が一切お構い無しに、じー……っと自分の事を凝視してくるのを見て。
軽く息を吐き、真っ正面からおやじ殿の視線を受け止めた。

へ~……。
ちょっとは根性あるのかな?



真顔で見つめあうおっさん2人。

一部の思考が腐った人達には、ご褒美なんだろうけどさ。
それが見ず知らずの赤の他人の話ってんならともかく。
義理とはいえ父親と、多分親戚の叔父さんの熱い見つめあい、となると、ちょっと……。
なんつーか、こー……。
すっげー微妙。



なんとなく、じとっとした目を見つめ合うおっさん2人に向けていると。
ブラナンとか侯爵がナニやらグチグチ言い出した。
が。
その発言内容には、何の変化も無いので思いっ切りよく聞き流して。
見つめ合うおっさん2人に注目してみようか。



あんまし見苦しくないよーな気がするのは、おやじ殿もセリス伯爵も、見苦しい顔じゃないからだろーか。
おやじ殿は妙な女に目ぇ付けられる程度には、見てくれの良い男だし。
セリス伯爵は、お貴族サマだけあって、こう……シュッとした感じだ。
どっちも肉食系の、結婚したいお姉サマ方には大人気だろう。

まぁ、ねぇ?
私的には、顔なんて目が2つ、鼻が1つ、口が1つあって。
それぞれちゃ~んと間違いなく機能してればそれで十分。
後は他人と見分けがつけば、何の問題もないワケだが。







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