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vs. 王族あんど……。

お貴族サマってモンは。

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どっかの国には特殊性癖持ちの方々向けの娼館があるぞー、って話をサルファー王国組──絶賛気絶中の侯爵は除く──は、信じられないコトを聞いた、とばかりにカッチーンと固まってた。
よく固まるな、サルファー王国民。
そーゆー国民性か?
でもヤバい娼館の話聞いて、興味持った様子が無いってコトは。

「……うん、どーやら今ここに居る人間の中に、特殊嗜好持ちは居ないよーだ。良かった良かった」
「コールよー、お前、どこからそーゆーコト聞き込んで……って。そーいやお前、組合職員(仮)だったな……」

私がほっとしていたら、ナガツキさんがやれやれ……と軽くため息つきながらぼやいた。
グロリアは。

「……旦那様ったら、まだ気絶しておりますわね……」

気絶真っ只中の侯爵の様子を見ていた。



お貴族サマのクセに、意外とマトモな性根らしいサルファー王国組の私を見る目が変わった。

今までは、“ナンだかんだ言っても庶民育ちのお子様だ。思い通りに動かす事など容易い事だ”……な~んて思ってたよーだけど。
何も知らないお子様じゃ、無いらしい……と認識を改めたらしい。
少なくとも、思い通りに転がせる、との考えは捨てたよーだ。

当たり前だ。
冒険者組合ナメんな。



さて。
ちょーっと微妙な空気の中、サルファー王国王都への移動は順調に進んだ。

旅とは言えないこの作業感。

そして、作業と化した移動中に襲撃を仕掛けてくる色ボケ後妻の私兵とか、後妻の実家の公爵家の私兵どもとか。
あと、お貴族サマとは無関係な普通の盗賊、山賊ども。
わらわらわらわら寄ってくるのが、ものすごいうっとーしい。

お貴族サマ方は、戦闘に関しちゃ役立たずで。
……まぁ、分かってたコトだから腹もたたない。
だが、護衛のハズの有象無象ども。
テメーらはダメだ。
役立たずにも程がある。
襲撃者どもや賊どもと一緒に、全部まとめてニェスの蟲沼に放り込んでやりたい。
白師匠のよーに、白師匠のよーに。
個人的に大事なコトだから、繰り返してみた。

が。

何故か、サルファー王国組が全力で阻止してきた。
お願いだからやめてあげて……だってさ。

お貴族サマのクセに、何甘っチョロいコト言ってんだ?
お貴族サマって、陰謀策謀企んでナンボでしょーが。
清廉潔白なお貴族サマなんて、見たコトないぞ。






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