【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha

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キツめの美人さんから連れて来られた店は、ミツヤマから結構離れた場所にある裏路地。
そこから地下に続く細い階段があり、階段を下りた先には思ったよりも綺麗な扉があった。



その扉をキツめの美人さんが開けると、中からは凄く良い香りがして・・・



狭いけれどとても温かい雰囲気のご飯屋さんがそこにはあった。



お昼時とはいえ目立たない場所にあるこの店。
それでもカウンター席もテーブル席もほぼ埋まっている。



1人で来ているお客さんもいれば2人組、3人組のお客さんもいる・・・。



そのお客さん達を眺めていた時・・・



「奥の個室空いてる?」



キツめの美人さんがよく通る声でそう聞いた。



「はい!
ご連絡いただいたので勿論空けてます!!」



頭にタオルを巻きながら料理をしている渋いオジサマが、凄く良い笑顔でキツめの美人さんにそう答えたのを、いつもよりもよく回らない頭で眺めていた。














「食べたい物を食べて良いよ。
私の奢り。」



「大丈夫です、私もお金を持ってます。」



渡されたメニューを受け取りながら、小さくたけど笑った。



「”普通“の仕事ではないけど、私だって働いています。
私は・・・”普通“の仕事ではないけど、物心がついた頃からずっと働いてきた。
だからお金ならちゃんとあります。」



此処が少し高めの魚料理の店なのだと、メニューを見てすぐに気付いた。
そして、青さんから聞いたのだともすぐに分かった。
私が魚料理を食べたがっていると、青さんはこのキツめの美人さんに連絡をしたらしい。



”Hatori“のロングコートを脱ぐことなく座った私は、ご飯のメニューではなくドリンクのメニューを指差した。



「カルピスで。」



「食べないの?」



「家を出る前に食べて来ました。」



そんな嘘をついた私に、キツめの美人さんはメニューを見下ろしながら言った。



「本当に?」



「はい。」



「そう・・・・。」



”そう“と言った後、キツめの美人さんの鋭い目が私のことを捉えた。



「私、嘘とか隠し事とか大嫌いなタイプなの。」



掃除屋をしているこの人がそんなことを言って・・・



「うちの会社に、何しに来たの?」



これは何かの審査なのか・・・。



「何の掃除をする為にあんなバカ女のフリをしてるの?」



どう答えるのが正解なのか分からない私に、キツめの美人さんが、言った。



「昨日のラーメン屋で会った島倉は私の彼氏。」



「ぇ・・・・・・?」



「彼氏から昨日聞いた。
アナタ、ワンスターエージェントの掃除屋なんだって?」



”ダメ秘書“の私の予想とは大きく違う言葉を、この綺麗な口が言った。
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