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「そんなわけねーだろ、お前は俺の家以外に行く場所なんてねーのに。」
「何それ・・・・・、何それ・・・。
私に行く場所があれば私のことを追い出すの?」
「俺の所よりそっちが良さそうな所なら、その時は“そっちに行け”とは言うかも。」
「じゃあ、あの時はどんな気持ちで言ってたの・・・・?
“望のことは追い出すから”って・・・千尋ちゃんにどんな気持ちで言ってたの・・・?
掃除の為の、ただの演技でそんなことを言ったの・・・?」
どうしても、思い出せない。
青さんとの幸せだった結婚生活の日々が思い出せない。
「消えちゃった・・・・・・。
青さんが千尋ちゃんとエッチしてる時の声を・・・言葉を・・・色々聞いちゃって・・・。
青さんとの幸せだった結婚生活が全部消えちゃったよ・・・。
一生懸命セロハンテープで繋ぎ合わせた婚姻届には私の名前の所が見付からなかったし、セロハンテープだらけの全然綺麗じゃない婚姻届だし・・・。
千尋ちゃんに渡した指輪とは違って、私に渡した指輪には青さんと私の名前を刻んでくれてないし・・・。
青さんと結婚していたっていうことはもう、私の思い出の中にしかないのに、その全部が消えちゃった・・・。」
さっきから青さんの手首に掛けられたままのネックレスのチェーンに指先で触れる。
「やっぱり、コレ返して・・・。」
青さんは少しだけ無言になり、それから動き出して・・・
ネックレスのチェーンから・・・
結婚指輪を抜き取り、“一平さんの第2ボタン”だけが通っている状態で、私の首に掛けてきた。
「こんな指輪、早く売って現金に換えねーからそんな変なことになってんだよ。
ちゃんと一平の首輪だけ付けとけ、バカ。」
私のことを青さんが“バカ”と言った。
確かに、こんなメンヘラ女みたいになっている私はバカな女なのだと思う。
秘書とかそんなのは関係なく、今の私は普通に普通のバカ女で・・・。
男として好きな人が、そして私と結婚してくれていた人が、私との結婚生活を忘れないと言ってくれていた人が、私との夫婦生活が終わったすぐ後に別の女とあんな風になっていて。
私ではない女のチョコを受け取ってデートをして、指輪まで渡してエッチまでしていて。
演技だとしても愛の言葉まで渡していて。
私のことを追い出すとも言っていて。
「指輪も・・・返して・・・。」
「こんなの俺が捨て・・・るのは流石にねーから、金に換えておく。
俺なんかに執着してねーでしっかりしろ、バカ女。」
“ダメ秘書”ではなく“バカ女”と言ってくる青さんに向かって必死に両手を伸ばす。
「分かった・・・っ、しっかりするから返して・・・・っっ。
私がお金に換えておく・・・っ、本当に、ちゃんとお金に換えておくから、返して・・・っっ。」
青さんは凄く真面目な顔で私の両手の手首を掴み、言った。
「よく聞け、大バカ女のダメ秘書。
俺はチロからチョコも渡されてなければ勿論デートにも行ってない。
あいつに指輪なんて渡す理由も俺にはないし、あいつのマ◯コをパンツとタイツの上から少し触っただけで汚いと思って本気でゾワゾワした俺がセックスなんて出来るわけもない。」
「・・・・・・・・・ぇ?」
「しっかりしろ、望。
あいつは俺の会社の掃除屋、“結ばせ屋のチロ”だ。
あいつが俺の恋を全力で応援に来た。
だからお前がそんな風になってるだけだ、しっかりしろ。
お前は俺のことなんて男としては全然好きじゃねーだろ?
俺との夫婦生活をしていた時の自分の気持ちをよく思い出せよ。」
「何それ・・・・・、何それ・・・。
私に行く場所があれば私のことを追い出すの?」
「俺の所よりそっちが良さそうな所なら、その時は“そっちに行け”とは言うかも。」
「じゃあ、あの時はどんな気持ちで言ってたの・・・・?
“望のことは追い出すから”って・・・千尋ちゃんにどんな気持ちで言ってたの・・・?
掃除の為の、ただの演技でそんなことを言ったの・・・?」
どうしても、思い出せない。
青さんとの幸せだった結婚生活の日々が思い出せない。
「消えちゃった・・・・・・。
青さんが千尋ちゃんとエッチしてる時の声を・・・言葉を・・・色々聞いちゃって・・・。
青さんとの幸せだった結婚生活が全部消えちゃったよ・・・。
一生懸命セロハンテープで繋ぎ合わせた婚姻届には私の名前の所が見付からなかったし、セロハンテープだらけの全然綺麗じゃない婚姻届だし・・・。
千尋ちゃんに渡した指輪とは違って、私に渡した指輪には青さんと私の名前を刻んでくれてないし・・・。
青さんと結婚していたっていうことはもう、私の思い出の中にしかないのに、その全部が消えちゃった・・・。」
さっきから青さんの手首に掛けられたままのネックレスのチェーンに指先で触れる。
「やっぱり、コレ返して・・・。」
青さんは少しだけ無言になり、それから動き出して・・・
ネックレスのチェーンから・・・
結婚指輪を抜き取り、“一平さんの第2ボタン”だけが通っている状態で、私の首に掛けてきた。
「こんな指輪、早く売って現金に換えねーからそんな変なことになってんだよ。
ちゃんと一平の首輪だけ付けとけ、バカ。」
私のことを青さんが“バカ”と言った。
確かに、こんなメンヘラ女みたいになっている私はバカな女なのだと思う。
秘書とかそんなのは関係なく、今の私は普通に普通のバカ女で・・・。
男として好きな人が、そして私と結婚してくれていた人が、私との結婚生活を忘れないと言ってくれていた人が、私との夫婦生活が終わったすぐ後に別の女とあんな風になっていて。
私ではない女のチョコを受け取ってデートをして、指輪まで渡してエッチまでしていて。
演技だとしても愛の言葉まで渡していて。
私のことを追い出すとも言っていて。
「指輪も・・・返して・・・。」
「こんなの俺が捨て・・・るのは流石にねーから、金に換えておく。
俺なんかに執着してねーでしっかりしろ、バカ女。」
“ダメ秘書”ではなく“バカ女”と言ってくる青さんに向かって必死に両手を伸ばす。
「分かった・・・っ、しっかりするから返して・・・・っっ。
私がお金に換えておく・・・っ、本当に、ちゃんとお金に換えておくから、返して・・・っっ。」
青さんは凄く真面目な顔で私の両手の手首を掴み、言った。
「よく聞け、大バカ女のダメ秘書。
俺はチロからチョコも渡されてなければ勿論デートにも行ってない。
あいつに指輪なんて渡す理由も俺にはないし、あいつのマ◯コをパンツとタイツの上から少し触っただけで汚いと思って本気でゾワゾワした俺がセックスなんて出来るわけもない。」
「・・・・・・・・・ぇ?」
「しっかりしろ、望。
あいつは俺の会社の掃除屋、“結ばせ屋のチロ”だ。
あいつが俺の恋を全力で応援に来た。
だからお前がそんな風になってるだけだ、しっかりしろ。
お前は俺のことなんて男としては全然好きじゃねーだろ?
俺との夫婦生活をしていた時の自分の気持ちをよく思い出せよ。」
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