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そんな残酷なことを俺に言ってくる・・・。
「どうやって・・・?
もう、泳げない・・・。
瑠美に追い付けない、もう・・・追い付けない!!!」
「今日、11月3日・・・私、“KONDO”の内定貰った。」
瑠美の言葉に、俺は顔を上げる。
「“KONDO”・・・?」
「うん、スポーツ用品の“KONDO”。
一成君も私も、よく着てたでしょ?
“KONDO”の水着。」
「うん・・・。
でも、法律事務所どうしたの?」
「辞めたよ。」
瑠美が真剣な顔で俺を見る。
「先に進むから、私。」
「先に・・・。」
「法律事務所より、仕事内容もお給料もずっと高い。
私、人生を泳ぐから。
先に、速く・・・速く、進むから。」
「人生を、泳ぐ・・・。」
「死なない限り、人生は続いていくんだよ、一成君。
だから、私は先に進むことにする。」
「死なない限り、人生は・・・続く。」
「追い付いてみせてよ、また。
一成君はいつもすぐ、私に追い付いたでしょ?」
瑠美が笑いながら、震える手で・・・俺の唇を指先で少しだけ触れた・・・。
「“あの時、一成君のこと抱けばよかった”って私が後悔するくらい・・・追い付いて、追い抜いてよ、一成君。
何の話かは分からないけど・・・もし一成君が覚えていたら、その時はちゃんと話を聞くから。」
メガネの奥を泣きそうな顔にして、俺に笑い続ける。
「あんまり遅いと、置いてっちゃうよ?」
「どうやって・・・?
もう、泳げない・・・。
瑠美に追い付けない、もう・・・追い付けない!!!」
「今日、11月3日・・・私、“KONDO”の内定貰った。」
瑠美の言葉に、俺は顔を上げる。
「“KONDO”・・・?」
「うん、スポーツ用品の“KONDO”。
一成君も私も、よく着てたでしょ?
“KONDO”の水着。」
「うん・・・。
でも、法律事務所どうしたの?」
「辞めたよ。」
瑠美が真剣な顔で俺を見る。
「先に進むから、私。」
「先に・・・。」
「法律事務所より、仕事内容もお給料もずっと高い。
私、人生を泳ぐから。
先に、速く・・・速く、進むから。」
「人生を、泳ぐ・・・。」
「死なない限り、人生は続いていくんだよ、一成君。
だから、私は先に進むことにする。」
「死なない限り、人生は・・・続く。」
「追い付いてみせてよ、また。
一成君はいつもすぐ、私に追い付いたでしょ?」
瑠美が笑いながら、震える手で・・・俺の唇を指先で少しだけ触れた・・・。
「“あの時、一成君のこと抱けばよかった”って私が後悔するくらい・・・追い付いて、追い抜いてよ、一成君。
何の話かは分からないけど・・・もし一成君が覚えていたら、その時はちゃんと話を聞くから。」
メガネの奥を泣きそうな顔にして、俺に笑い続ける。
「あんまり遅いと、置いてっちゃうよ?」
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