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第3章

ひどくして 1【※】

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 それから夕食を摂り終え、湯あみを済ませたシャノンは寝台に腰掛けていた。

 あの後、ニールはシャノンの提案を受け入れてくれた。だからこそ、シャノンは横にならずに彼を待つ。

(……ひどく、乱暴に抱いてくださったら、きっと嫌いになれるわ)

 ハジメテのとき。彼はシャノンを労わるような素振りを見せた。それどころか、シャノンが破瓜の痛みを感じないようにと、媚薬まで使っていた。

 もしも、あのとき。彼がシャノンを労わるような素振りをみせなかったら。……こんなに、苦しむことはなかっただろうに。

 そんなことを考えていると、部屋の扉がノックもなしに開いた。そして、顔を見せるのはラフな格好をしたニールだ。

 彼は無言でシャノンの側に寄ってくる。そして、彼はシャノンの隣に腰を下ろす。二人の間には、微妙な距離が空いていた。

「……」

 二人とも、何も話さないまま時間が過ぎる。聞こえてくるのはちくたくと進む時計の針の音。

 ……さすがに、もうそろそろいいだろう。

 そう思い、シャノンはニールに視線を向ける。彼は、シャノンの方を向いていた。

「……いいんだな?」

 最終確認とばかりに、そう問いかけられた。そのため、シャノンはこくんと首を縦に振った。

 そうすれば、彼の顔が近づいてきて――シャノンの唇をふさぐ。

「んんっ」

 触れるだけの優しい口づけだった。何度も何度も角度を変えて行われる口づけに、シャノンの頭が惚けていく。

 ゆっくりと唇が離れた。かと思えば、彼はシャノンの身体を寝台の上に押し倒してくる。その手は、確かに力強くて。多少は乱暴だった。

「……ん」

 彼がシャノンの上に跨る。その赤色の目が、シャノンを射貫く。

 その目を見つめていれば、彼がゆっくりとシャノンの唇にもう一度口づけてきた。

 今度は、彼の舌がシャノンの唇を割り、口腔内に入ってくる。

「んんっ」

 歯列をなぞられ、口蓋を舐められる。かと思えば、舌を絡め取られ唾液を注がれた。

 まるで愛し合うような口づけに、シャノンの心が揺れていく。……どうして、乱暴にしてくれないのだろうか。

(そうよ。乱暴にするならば、口づけなんて必要ないわ……)

 そう思っていれば、ニールの手がシャノンの身体をするりと撫でた。それに驚いて身を固くすれば、ニールの手がシャノンの寝間着の中に入ってくる。……こうなるとはわかっていたので、胸を隠すシュミーズは身に着けていなかった。

「んっ、んぅ……」

 口づけられたまま、胸のふくらみをやわやわと揉まれる。

 ニールの手がシャノンの胸のふくらみを包み込む。温かくて、優しい手つきだった。

「っはぁ、優しくしないでよっ……!」

 ニールの唇が離れた途端、シャノンは彼を睨みつけてそう告げる。口づけの所為で目に涙を溜めたシャノンの視界は、歪んでいる。

 その所為なのか、ニールがどんな表情をしているかがよく分からない。

「……あぁ」

 彼はシャノンの言葉にそれだけの返事をすると、寝間着をまくり上げる。

 シャノンの胸元が、ニールの眼下に晒される。

 ニールがシャノンの身体をじろじろとなめ回すように見ている。その感覚だけで、シャノンの身体にぞくぞくとした何かが走った。

 そうしていれば、ニールがシャノンの胸の頂に口元を近づけていく。

 そして、軽くかみついてきた。

「んっ」

 痛い。

 けれど、これはシャノン自身が望んだことだ。ひどく、痛く。それが、シャノンがニールにつけた注文だった。

 もう片方の胸の頂を、ニールの指がつまんで、こねくり回す。ぴりっとした痛みが身体に伝わってきて、背中がのけ反った。

「んんっ、ぁっ、あんっ」

 思わず甲高い声を漏らしてしまう。その瞬間、ニールの手が止まった。

 合わせ、噛んでいた胸の頂の痛みを逃がすかのように、舌でちろちろと胸の頂を舐めてくる。

 ……ぞくぞくとしたものが、シャノンの身体に這いまわる。

「ぁんっ、んんっ、や……!」

 胸の頂がぷっくりと硬くなっているのがシャノンにも分かった。

 ぬるりとした唾液の感触と、温かい舌がシャノンの身体から官能を引き出していく。

 じゅっと音を立てて、胸の頂を吸われた。それだけで、身体中に愉悦が這いまわる。

「も、だ、だめっ……!」

 意識せずともそんな言葉が口から零れる。

 それを聞いたからなのだろうか。ニールがシャノンの胸の頂から口を離した。

 その後、彼の手がシャノンのドロワーズ越しに秘所を撫でる。

「……うん、ある程度は濡れているな」

 彼の手が、シャノンのドロワーズにかけられる。ニールがドロワーズを脱がせようとしているのがわかったので、シャノンは腰を上げてそれに協力した。

 すると、シャノンのドロワーズが脱がされ、秘所が空気にさらされる。

 ひやりとした空気に当てられた秘所が、どろりと蜜を垂らしたのがシャノンにも分かった。

 さらには、ニールの視線がシャノンの秘所に注がれているのが、嫌というほどわかった。

(……恥ずかしいっ……!)

 つい先日まで処女だったのだ。男性に秘所をじろじろと見られることに、恥ずかしさがないわけではない。

 むしろ、恥ずかしくてたまらない。
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